安房直子のレビュー一覧
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安房直子の初期の作品が中心。
『鳥』耳のお医者さんが見た耳の中の海とカモメ。『てまり』たもとに入れた手毬を覗くと見える景色。『ふしぎな文房具屋』画用紙に描かれた絵に、虫メガネの眼鏡をかけて見える世界。『海の口笛』かけはぎ屋が青いドレスの小さな穴にみた海の中など、小さな穴を覗き込み、そこに別世界を描いて見せてくれる。
また『きつねの窓』のように指で囲った窓や『夕日の国』縄跳びの縄の中『北風のわすれたハンカチ』『ハンカチの上の花畑』のように切り取られた部分に魔法を鮮やかに広げて見せてくれる。そのことを安房直子さんは手品のような魔法といっている。
ハイファンタジーではなく、日常の中にひっそりある小さな魔法のお話しを久しぶりに読んだ気がする。それが懐かしくて、これほど心魅かれていたことを想い出した。 -
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ネタバレタイトル通り、ちょっと物悲しい短編集。
後ろにいくつかエッセイも載っているのが嬉しい。
同人活動をされていたそうで、1970、1980年の事なのか~。。。
全然色褪せない、素敵な作品ばかりなので、もっと最近の方かと思っていた。
お亡くなりになっているのか。。50歳!!若い!!
牧村 慶子さんイラストの『北風の忘れたハンカチ』、この一冊が子供の事とても好きだった。
80歳でまだご存命との事。
安房さんが学生時代受けていた講義の先生はムーミンを翻訳した山室静氏!!
知らなかった~!!
高校時代、ムーミンシリーズにハマって読んでいたけれど。。
『きつねの窓』が教科書掲載で有名だけれど、本人曰く
国語の教育が文学の教育と言葉の教育からなるものだとしたら、文学の教育として取り上げられて欲しいとの事。
少し前に教科書掲載にあたっては文字数制限や表現の変更等、編集者と作家の間の葛藤がツイッターで話題にあったが、
いずれにせよ、教科書で読むことによって他作品を知るきっかけなったりするのだから
双方、うまい方向に行けばな。。と思ってしまう。
(『あのころはフリードリヒがいた』 教科書はベンチの話だけだったけれど、これは絶対完読した方がいいと思う!!幼少期や戦争のラストとか。。
教科書に無ければ、特に海外の作品を知る機会はないので。。) -
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安房直子さんの世界をたっぷり堪能。
どれもこれもいかにも安房さんらしい感じがして、とても良かった。
ミニチュアのストーブに火を灯すと現れる、娘のまぼろしに見入られてゆく老人を描いた「火影の夢」なんか、好きだなあ…。わたしの子ども時代の愛読書「まほうをかけられた舌」収録の作品にもあったけど、日本じゃないような雰囲気なのね。
「まほうをかけられた舌」収録の「青い花」には傘職人の青年が出て来るけど、表題作の機織りの青年が主人公の「銀のくじゃく」は同じ系統だなーと思う。
美しくて、悲しくて、切なくて、ここではないどこかに誘われる。それはもしかするとかつて知っていた、懐かしい世界かもしれない。傑作! -
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ネタバレ安房直子さんの童話集「ねこじゃらしの野原」に収録されていた「すずめのおくりもの」があまりにいい話だったので、単品絵本「すずめのおくりもの」を読みました。絵は画家の菊池恭子さん、1948年千葉県生まれ、安房さんの作品の挿し絵はねずみに次いで、すずめが2度目だそうです。とにかく「すずめ」が可愛いです。童話も良かったですが、絵本の醸し出す可愛さ、健気さは素晴らしいですね!(笑)
私は、豆腐、油揚げ、厚揚げ、大好きです。豆腐屋さんの朝は早いです。私が早朝ウォーキングしている時は既に働いていらっしゃいます。安房直子・作&菊池恭子・絵「すずめのおくりもの」、1993.9発行、再読。月に1度の休みの日の朝、沢山のすずめ達が大豆の入った袋を持ってやってきました。「小さい豆腐を一丁、お願いします」と(^-^) -
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きつねの夕食会
最初、読んだ時は、オチは好きだけど、できはどうだろう?
というような感想でした。
けっこう、好きなオチではあるけど、電気屋さんがでてきたところあたりから、もう読めていたし…。
でも、子どもたちの前で声に出して読んでみて、ちょっと、印象がかわりました。
安房直子さんの作品って、どれぐらいの年齢の読者に向けて書かれているのかわからないところがあるのですが、この作品は、かなり明確に、「子ども」を意識して書かれているような気がしました。
子どもはねぇ、すごく楽しく聞いていました。
ねこじゃらしの野原 とうふ屋さんの話
小さい小さいところにも、丁寧な世界があるんだよというそんな感じの連作です。
オチといえるオチはないんだけれども、妙に、ふむふむとうなずいてしまうようなお話です。
山の童話 風のローラースケート
「ねこじゃらしの野原」は、人物を中心に広がっていく連作でしたが、この「山の童話 風のローラースケート」は、世界が広がっていく感じでつながる連作です。
安房直子の作品は、わりと1話完結のものしか読んだことがないので、これは、すごく興味深かったです。
森の優しさ、ふところの深さだけではなくて、森野怖さみたいなものもちゃんと書かれていて、それが、また森の風景を魅力的にしています。
特に「花びらづくし」は、出だしから、思いがけないラストまで、すごいドキドキしました。
陰と陽の両方が、しっかりと入っているファンタジーというのは、素晴らしいものです。 -
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これで、「安房直子コレクション」が終了です。
ちょっと、本読んで幸せな時間をもてました。
でも、わたしのお気に入りの話が入ってないんですよねぇ。
そのうち、この続きが出て、全集にならないかなぁ。
緑のステップ
これも、あとの「初雪のふる日」もなのですが、去っていく時間や季節に、一抹の悲しさと残酷さがあります。
その悲しさは、時間を止められない悲しさなのかもしれません。
もぐらのほったふかい井戸
これは、物語の法則に則ったお話ですねぇ。
落ちるぞ、落ちるぞと思っていると、やっぱり落ちていきました。
実は、子どもって、ハッと驚くお話も好きなのですが、こういった、思った通りの動きにも、ドキドキするものなのです。
そして、欲望の果てにあるのは、孤独。
このラストが、納得のいく救いなのかどうかは、人によってそれぞれだと思います。
初雪のふる日
なんというか、ハーメルンの笛吹男の様に、魅惑的で残酷です。
自然の移り変わりというのは、そういうものかもしれません。
安房直子の童話は、現代物なんだけども、あんまり時代を感じさせなくて、フッとバスなんかがでてくると、ちょっと、ビックリします。
エプロンをかけためんどり
この残酷さはなんだろうと思います。
でも、この残酷さを、見ないふりをしながら生きているのが、日常なのかも。
しかし、飛ぶ雌鶏。すごいイメージだなぁと思います。
花豆の煮えるまで-小夜の物語
安房直子にはめずらしい続き物です。
続き物ということで、エピソードが、あんまりまとまりのない日常的な風景のような作品になっています。
そして、この味は、けっこういいなぁと。
他の安房直子作品に比べると、「日常」と「ファンタジー」で、ちょっと「日常」の方に傾いている感じの作品です。
なんていうのだろう、ファンタジー的な物語なんだけれども、解釈によっては、日常のなかのエピソードともとれるような感じです。
うさぎ座の夜
あれ?なんで?これ、宝温泉の小夜ちゃんの話でしょう。なんで、「花豆の煮えるまでに」のなかに入ってないの?
という疑問からはじまって……、
これ、ファンタジーよりすぎてる。確かに、同じシリーズには入れられないよなぁ。
でも、小夜ちゃんの話は、ファンタジーによっていないからいいのに……。
になって、
手袋がどこへいったかの話になったかに気づいたあたりから、メチャクチャ楽しくなって、顔がニコニコしてしまいました。 -
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これは、わたしの知っている安房直子とは、ちょっと違った感じの物語集です。
喪失感とか、どうしようもないあこがれの気持ちとか、そういったところは、安房直子なのです。それらの感情や、そこに映し出される異界をガラスごしに眺めている印象があるのが、わたしの知っている安房直子の童話なのです。
でも、この本に書かれている作品では、実際に、その世界にアクセスしてしまう。しかも、帰ってこれなくなっちゃうのです。
そして、その話が、教訓めいていないだけに(多少は「欲張りすぎ」とかあるのですが)、よけいに淡々としていてこわいです。
鶴の家
死んだ人の数だけ、お皿の鶴が増えていきます。
これは、けっこう怖いです。
最終的には、ハッピーエンドなのですが、なんか、怖さは後に残ります。
というか、ハッピーエンドはあんまり後に残らなくて、怖さはあとにひいている感じです。
日暮れの海の物語
さて、カメから逃れることができたのですが、
「わたしはかめを裏切った……。」
と、心に思い続けながら生きていくのが幸せであったかどうか。
長い灰色のスカート
あっちにいってしまうのは、怖いとともになんか甘美な感じもします。
これは、この本に収められていく作品のほとんどに共通する雰囲気です。
神隠しにあいやすい子に対するあこがれが、自分のなかにあるようです。
木の葉の魚
ちょと、金子みすずの詩を思い出してしまいました。
こうやって、網にかかる大量の魚たちが、みんなこんな物語をもっているとしたら……。怖いですねぇ。
奥さまの耳飾り
「魔法というのは、悲しいものだ。」
どこかに、この考えがつねに潜んでいるのかもしれません。
そして、恋愛も、魔法のようなものなのでしょうか。
野の音
人さらいの話です。
そして、なぜか、さらわれたくなるような弱さ、ここではないところに生きたくなる弱さを人はもっているんだと感じさせられます。
青い糸
これも、誘われて、行って、帰ってこないお話です。
女の子が、男の人を連れて行きます。
男の方が、さそわれやすいのかもしれません。
火影の夢
これも、女の子が、男の人を連れていく話です。
幸せだった過去に戻ったのだから、もしかすると幸せかもしれない。
そう感じながらも、なんか、ゾッとするような印象も残るのは、なぜなんでしょう。
野の果ての国
悪夢のみせた幻でしょうか。
それとも、本当にあったことでしょうか。
それは、多分それは、それぞれの読者の判断ということになるのでしょう。
銀のくじゃく
夢なんか追いかけるから…。
でも、夢を追いかけずにはいられない。
それが、滅びにつながっていても。
そんなお話です。 -
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ハンカチの上の花畑
タイトルから、「知ってる話だ」と思って読んだら、全然、展開が違っていました。
よく思い出してみると、きっとわたしが思っていたのは、「北風が忘れたハンカチ」だったのだと思います。
ちょっと、こわい話ですよねぇ。
でも、あんまり、「欲をかいてはいけません…」とか、「嘘をついてはいけません…」とか、教訓めいた感じではありません。
奥さんが、小人たちにプレゼントするとなんかも、自分の欲ではなくて、すごく自然な感じです。
でも、自然の流れとして、そうなってしまうんだなぁ。そういう風にできているんだなぁ。と何となく思ってしまうお話です。
素敵なマイホームにあこがれる気持ちなんかは、きっと、作者自身も思っていたんだろうなぁと…しみじみしてしまいます。
ライラック通りの帽子屋
これは、好きなタイプの話ですねぇ。
そして、のキレイに行って帰ってきます。
若い頃のお父さんとお母さんのエピソードが、なんとも、素敵です。
その気持ちを忘れずにいられるといいのですが……。
丘の上の小さな家
なにかを手に入れるためには、なにかを手放さなければならない。
たとえばこの物語の中では、手放さなければならなかったものは、「時間」。
でも、どちらの選択がよかったかは、わかりません。
そして、わたしたちは、今の選択を生きていくしかない。
それならばやっぱり、今の選択に肯定的でありたいけれど……。
最後は、オチになってないと思います。
でも、ちょっとわたしは泣いてしまいました。
また、安房直子の作品の中で、好きなのが増えた。
三日月村の黒猫
今回の本は、「異界」がテーマの話を集めてあるわけですが、職人さんのというテーマも、けっこう大きい気がします。
童話自体が、職人さんを主人公にすることが多いということもあると思うのですが、人にできないことをやれる職人さんは、どこかに秘密をもっているような気がするのかもしれません。
これも、「丘の上の小さな家」と同じように、異界にいって技術を習得して、習ってくるお話です。
そして、そのために、選択する。
実は、最後のオチは、この物語にとって必要ないのかもしれない。そう思うぐらい読んでいる間、不思議な時間がもてるお話でした。 -
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1巻目の感想を載せたのが、9月ですねぇ。
で、その直後から2巻目を読み始めたはずですが、今までかかったのは、途中で思いっきり修羅場をはさんでしまったせいですね。
1話ごとの感想も、読んだ直後には書けなくて、かなり後になってから、書いたものになってしまいました。
それでも、1話ごとに感想を書いていくのが楽しいのは、やっぱり安房直子さんの作品が好きだからなんでしょうね。
魔法をかけられた舌
こういう単純な不思議さが好きです。
こんな魔法なら、わたしたちの周りにけっこうあるのではないかと思えてきます。
空にうかんだエレベーター
ライナスの毛布のように、ギュッとウサギを抱きしめる女の子。
ウサギと女の子の間に、どんな物語があったかは、けっして誰にも気づかれない。
ひぐれのお客
すごいさり気ない話です。
ほとんど、ストーリーなんてない。
でも、
「色っていうのは、ふしぎなものだな。」
というのは、安房直子さんの色に対する感じ方の深さをきっと表していて、やっぱり、読んでいる方も、しあわせな気分になるのでした。
ふしぎな文房具屋
大好きなネコと別れなければならないのは、いつだって耐えられないぐらいにさみしいものです。
でも、人はネコと暮らすことをやめられない。
そして、想い出を蓄積させていく。
なんでも吸いとる吸いとり紙も、「想い出」までは吸いとらないのでした。
猫の結婚式
ますむら・ひろしさんの画集かなにかに、
「家出したネコは、時々、手紙を書いて欲しい…」
みたいな文章があったのを思い出しました。
突然、家からいなくなったネコが、こんな風にしあわせであってくれたら、わたしたちは、どんなに安心することだろう。
そういう優しいお話です。
うさぎ屋のひみつ
なんか、奥さんも、うさぎ屋も、ちょっとモラルが壊れていて、オイオイと笑ってしまいました。
そして、安房直子は、自分の物語のなかに、いろいろな願いは入れても、「教訓」みたいなものは入れたくなかったのだなぁという気が少ししました。
青い花
人は、忙しさ、そして、収入が入ってくることを「しあわせ」だと思いがちだけど…。
もちろん、それがしあわせの1つの形であることは、否定できないです。
でも、別の形もあるのかも。
わたしは、ホッとするような生き方ができるといいなぁ。
遠い野ばらの村
なんていう優しい話だろうと思います。
童話のなかの無垢な動物たちは、さびしい心に感応するのかなぁ。
そして、優しい嘘は、つき続けることが出来ればきっと、最後には本当になるのでしょう。
秘密の発電所
日本的な風景と、発電所という組み合わせ。
こういう組み合わせの不思議が、安房直子さんの作品にはありますね。
そして、最後に、お手玉でおわるという。
いい風景だ。
オリオン写真館
読んでる最中は、いいかげんなオリオンにすごく軽いものを感じていたのですが、読み終わって、実は、これって、すごくリアルな話なのではないかと思ったりもしました。
なんだか、こういう生き方をした写真家って、本当にいそうだと思いませんか?
そして、その写真家は、星のなかに人を、人のなかの星を見つけたんです。
そんな気がする。
海の館のひらめ
テーマが、前面に出ている安房直子さんにしてはめずらしい作品。
その分、実は、ちょっとドラえもんのような安易さがあると思ったりもします。
まあ、のび太くんは、努力しない人なので、この主人公とはちょっと違うか。
でも、エッセイを読むと、安房直子さんは、この作品をかかなければならなかったんだなぁということがよくわかる気がします。
ふしぎなシャベル
夢オチ?とも思えるような、不思議な感じの話なのですが、1つ1つのイメージに、意味をつけていくことも可能のような気がします。
たとえば、スコップでほっていくと、おもちゃがいっぱい出てくるシーン。実は、ほっているのは地面ではなくって、記憶ではなかいと思ってしまいます。
そして、1番すごいと思ったのは、シャベルをおいて帰っちゃうところですねぇ。
その欲のなさが、実は、安房直子作品の透明さにつながっています。
海の口笛
人さらいの話だ(笑)
いや、ちょっと違うか?
こういう、どこかアヤシイお話は、やっぱり好きです。
「そこ」にしか、本当に幸福はなかったのか?
それは本当に幸福なのか?
という疑問は、どうしても残ってしまうのですが。
それでも、わたし自身も、そんなふうに連れて行って欲しいと思う気持ちもあるのでしょう。
ただ、その時の現実の生きづらさというのは、心のトゲとして残しておかなければならないと思います。
南の島の魔法の話
「あんたの味方は、もう妖精だけだよ。」
そういう恋もあるのだなぁと。恋は、盲目といいますから。
でも、その時、不思議と孤独感はないんだろうなぁ。
「しかたないさ。結婚していっしょに暮らすとなったら、どっちかがどっちかの大きさになるしかないさ。」
わたしのピアリピアリは、見つかったかな。
だれにも見えないベランダ
行って帰ってこない話。
実は、こういうお話にも、すごく惹かれます。
帰ってこない限り、彼らの物語は終わってないのですから。
エッセイ
母親の思いの話は、すごく共感しました。
やっぱり、わたしに子どもがいても、同じように育てるのだと思います。