岩田洋季のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回はドタバタなラブコメ+追いかけっこ。バトルの比重はやや小さく、物語がテンポよく展開されている。
良い意味で小説的、もっと言うとライトノベル的な巻である。現実からはかけ離れているのだけど、現実の模写だけがリアリティではないのだし、こうした(リアリティを保ちつつも実に物語的な)お話は非常に好ましい。
生徒会によるいじりは程よく(166ページの描き方はまさに理想的)、護くんの優しさを描いた230ページのシーンなどはベタながら秀逸。過不足ない内容だった。
蛇足であるが、あとがきの記述には本当に感心した。プロだから当然とも言えるだろうが、二十歳の持つ意識としては非常に高いものであろう。 -
Posted by ブクログ
どストレートな恋愛物である。第三者を挟むことで大きく揺らぐ物語は、もうどうしようもなく王道である。
心にもない言葉で二人は傷つけあったね、と言えば山崎まさよしになってしまうが、心ある言葉で互いに傷つけあう二人には年甲斐もなくドキドキしてしまった。
すれ違いというか、なんというか。二次元上では交差している二つの線が、三次元上ではまったく違った位置にいる感じで、しかも読者は一方の線しか追えないのだ。これだから一人称(正確には違うが)の小説は心憎いものである。
中盤からは一度も手が止まらぬ展開には、とてもとても感じ入った。実に良い巻であった。 -
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Posted by ブクログ
作者の岩田さんは、わたしの中では“想いを描く作家”と認識されている。
その作者の力量発揮の一作。
前シリーズが重苦しかったので、こういう明るい作品を待っていた。
かわいい女の子二人にいきなり告白されて、その二人と映画を撮ることになると言う、なんとも実にライトノベルらしい展開。
でも、ただのラブコメではなくて、主人公たち三人のそれぞれの心の傷や挫折を背景にそれでも、前に進んでいこうとする意志を、愛しい人を肯定していく力強さを、愛しい人に肯定される喜びを、これでもかと描き出す姿は、本当に、読んでいて素敵。
また、映画という映像美を文章で表現しようとする作者のその姿勢にも感心する。
読み -
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購入済み
ん!?
この独特な表現方法は結構来るものがある。
癖の強い表現は、好き嫌いが分かれ易いとはオモウケド、個人的には好きな方に分類される。
あとがきが無かったので情報処理は無いけど、次巻も出ますよね?
それだけが気掛かり。