何者

何者

649円 (税込)

3pt

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

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何者 のユーザーレビュー

就職活動に奮闘する大学生の青春群像劇だと思ったら、最後ものすごいスピードで私の期待を裏切っていった作品(いい意味で)。
就活自体もリアルで重い感じなのに、より話のコアとなるモラトリアムや自我や自意識についての語りがとにかく心をえぐってくるので、心当たりのある方はご注意ください。

「俺は企業に入るんじゃなくて個人として生きていく」と宣言しておきながら隠れて広告代理店を受けていた友達、平凡な日常をキラキラ&ポジティブに変換してSNSへ投稿する友人、夢を追いかけて芝居の道に生きる決断をしたもののネットで叩かれまくっている仲間。
理想の「何者」かになろうと必死な友人の姿は、冷静で客観的な主人公からするとどこか痛々しい。それは巷でよく言われる「意識高い」という悪口にも似ている。
でも本当に痛々しいのは、本当に仲間たちのほうなんだろうか。

誰かの行動に批評ばかりしていても、本人は一生「何者」にもなれない。理想に近づきたければカッコ悪くても、がむしゃらに行動するしかないのだ。
クライマックスでの友人との口論が、心をえぐりつつもとても心に沁みる。年明け1冊目としてはなかなか良い、今年も頑張ろうと思う作品だった。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月28日

    『自分は何者であるか』に向きあうことを避け、代わりに他者を分析し批判することで、充足感を得る主人公。虚しいけど現代人の心の闇にハっとさせられました。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月28日

    解説の通り
    主人公に共感しつつ
    いつのまにか芯を突かれる感じ!
    めっちゃおもしろい!
    光太郎みたいになりたい。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月27日

    主人公と読者の関係を上手くついた後半には、衝撃を隠さずにはいられなかった。

    就活におけるあるあるをリアルに描いていて、主人公のように達観していたこともあったなと過去の自分に対して嫌悪感を抱いてしまった。

    何者にもなれずに終わるか、カッコ悪く何者かになるのか。
    そういう生き様が問いかけられてるよう...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月20日

    人間の本質が見えてる感じが好き。
    主人公の視点で描かれてて、自分を客観的に見れてない感じもリアルで面白かった。

    0
    購入済み

    ありのままで頑張ろ

    c
    2022年07月05日

    格好悪いとしても、そのままの自分で頑張るしかないと、格好つけようとしても自分以外にはなれないんだと、突きつけられた。頑張るしかない、頑張ろ

    0
    購入済み

    リアル

    2019年04月06日

    現代の若者のリアルな姿。
    SNSと就活。とても読みやすかった!多分、sns世代の私だからかな?
    受かる受からないに囚われすぎて、自分を見失うのは恐ろしい

    0
    購入済み

    急展開

    2019年04月02日

    読みやすく面白い内容でした。就活を題材としたものです。

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月27日

    主人公である就職活動中の拓人の語りで物語は進む。同居人で親友の光太郎、拓人が密かに思いを寄せる光太郎の元彼女瑞月、瑞月が留学中に出会った理香、理香と同棲して間もない隆良。友人達それぞれが就職活動をする中、何者でもない自分を着飾り背伸びしてなりふり構わずアピールに励む姿を達観した様に冷めた目でバカにす...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月24日

    朝井リョウさんは、現代の、人の、感じ方や、ん?というところを題材にするのがうまいと思った。「今の小説家」といった感じがする。

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    Posted by ブクログ 2024年04月22日

    とにかく読んでいて苦しかった。こういう人いるよなと共感を誘うかと思えば、貴方もそうなんじゃないのと急に刺してくるような鋭さがある。何者かになりたいなんて欲望、誰だって一度は抱いた事はあると思うし、否定は出来ない。だからこそ余計に辛かった。

    0

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