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Posted by ブクログ
全部泣いてしまった。オーマイガッシュ
「入道雲が生まれるころ」の、何もかもをリセットしたくなる主人公にはいちばん親近感を覚えた。
背負えないものは重りになる。
「先を生くひと」も好きだった。やらない後悔より、やる後悔。頑張らなければ、「自分なりに頑張ったからいいじゃん」と自分に言うこともできない。
私も澪さんに会いたい。菜摘さんにも会いたい。きっと彼女たちを好きにならずにはいられない。
どの話にも、何かを手放すことが描かれていたように思う。
手放して楽になる気持ちも、何も残らなくなることが怖い気持ちもわかるから、とりあえず残してしまう。連絡先も、写真も、服も、雑貨も。でも、ある日ふと、それらの重みに窒息しそうになる。
そうやって抱えているものは、きっと大切だったから残しているのに、いつの間にか自分の手には余るものになっている。
手放していいものだったのだ。
何も残らなくなるわけではないのだから。
Posted by ブクログ
時々こみ上げるような思いや涙が湧いてきました。命にまつわる話の短編集で、いわゆる今を生きる真っ只中の人間らしい説明のつかない感情や思うようにいかない現実と、命を失っていく人のどこか静謐な感じの対比が際立って見えて、正直なところこういうふうに周りの人に意味を残す消え方ってそうそうできないだろうなと(少し羨ましくもある)思いました。現実を生きることは大変だけど、どこかに救いも感じられる物語が多く、登場人物たちの思うようにいかないこともありますが、スッキリした気分になりました。こだわっていたり、すがっていたものに気づき、それを手放せているからなのかな。
この人の文章は、スルスルと私の中に入ってきて、これは読みやすいうまさがあるということなのか、自分にただ合っているということなのか分からないけど、どちらにしても心地よい。
Posted by ブクログ
初めての町田そのこさん作品。
どの話にも誰かの死がすぐそばにあり、物理的にも精神的にも「人生の片づけ」について考えさせられた。
個性的なおばあちゃんがほとんどの話に登場するのが印象的で、その他の脇役にも魅力的なキャラクターがたくさんいた。
私は何かと捨てられない性分なので、人間関係リセット症候群の主人公の妹・芽衣子にとても共感してしまった。
作品としては、「くろい穴」と「先を生くひと」が特に好きだった。
「くろい穴」は、主人公の心の動きやどす黒い感情が、栗の渋皮煮を作るという行為を通して表現されていて、小説だからこその面白さを感じた。人には言えないような感情や、意図せず取り返しのつかないことになってしまったときの罪悪感など、人間の心の嫌な部分まで生々しく描かれていて、とても印象に残った。
一方、「先を生くひと」は、まるで映画を観ているようで、その光景が目の前に浮かんでくるようだった。「もし会いたい人に会えるなら、今からサハラ砂漠にだって行くし、オーロラを探しにだって行く」というような台詞がとても切なく、心に残った。
町田そのこさんの他の作品も読みたくなった。
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