眠れる美女
作者名 :

1巻配信中

価格 475円 (税込)

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作「眠れる美女」のほか「片腕」「散りぬるを」。

ジャンル
出版社
新潮社
掲載誌・レーベル
新潮文庫
電子版発売日
2013年06月14日
コンテンツ形式
XMDF
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ

書店員のおすすめ

川端康成と言えば、「トンネルを抜けると~」から始まる、静謐で美しい文章を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。なんか難しそう、とか、堅苦しそうとか思ってる人もいるのでは?
ところが、この川端康成という人、実はかなりの変態です。フェティシズムの塊です。それが端的に表れているのが、この『眠れる美女』という小説ではないかと。
薬で眠らされた美少女と添い寝できる秘密の宿──この設定からしてフェチ全開。訪れるのは、すべて「安心できるお客様」である老人ばかり。彼らは美少女の隣に横たわり、肌の温度や匂いを堪能しつつ、過去に通り過ぎていった女のことを夢見るのです。なんともメニアック!
この作品を読むと、凡百の官能小説が健全に思えてくるから不思議です。
元祖ストーカー小説とも言える『みずうみ』も併せてどうぞ。

眠れる美女

ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年04月13日

『眠れる美女』『片腕』『散りぬるを』の3編から成る短編集。
『眠れる美女』『片腕』が印象的。
2作品共、性的描写は出てこないのに、文章全体から醸し出される官能的な妖しさにドキドキしてしまう。

『眠れる美女』に心奪われ年甲斐もなくオタオタする江口老人。
その汚れなき美しい肌に触れたくてもなかなか触れ...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2018年02月08日

川端ってこんな感じでしたっけ、という感覚。伊豆の踊り子とか雪国とか、…もう記憶の彼方なのでどうだったかおぼつかないけれど、たぶん綺麗な情景描写だったような感じはある。人間の心は一見綺麗だけど中にイチモツある感じ、だったかしら。この話は三島由紀夫が絶賛していたので試しに読んでみた。死体愛という言葉がす...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2017年03月06日

新潮文庫『眠れる美女』『片腕』『散りぬるを』の3作、三島由紀夫のあとがき。
『眠れる美女』は端的に言いますと、エロ老人が素っ裸で薬物投与により眠らされている若い美女を撫でさすって一晩添い寝するというサービスが受けられる”眠れる美女の館の”話。主人公の江口老人は、自分はまだ”出来る”というのにプライド...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2017年01月30日

文学的な官能小説。まだ若い自分が読むからこの小説の本質的な部分については共感できないけど、ジジイになった時にもう一度自分の遍歴を思い出しながら読んでみたい。願わくば同じ体験をして最期を飾りたい。

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2016年09月18日

『眠れる美女』
ガルシア=マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』の冒頭にこの本の書き出しが引用されていたので興味を持ち、こちらも読んでみました。
深く眠っていて決して目覚めない女の子のいる宿があり、訪れた老人たちはその女の子のそばで眠ります。もう女を女としてあつかえぬ安心の出来る客ばかりなので、女...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2016年09月01日

文句のつけようのない、日本文学屈指の美しさを持った作品だと思う。誇張ではなくページを捲る度に、ヒリヒリした感覚が指先から伝わってきた。男性としての機能を失った老人達の心の隙間を埋めるため、何をしても目覚めない美女とともに同禽できる秘密の倶楽部と言う、何ともエロチックな設定だが、その実、老いと若さの対...続きを読む

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眠れる美女

ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年08月21日

『眠れる美女』…老人が眠れる美女(少女)と
添い寝ができる宿を利用する。目を覚まさない
少女の横で過去の女性遍歴を思い出したり、
少女を起こそうと試みたりするうちに、
添い寝する行為にだんだんと嵌っていく。
文章力の力強さに圧倒される。この力がなければ
この作品は芸術に昇華できない。

ただし…
...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2015年04月27日

「眠れる美女」
この作品を読み、まず文庫の裏表紙から想像させる耽美・官能 の感情は浮かばなかった。老人の、削げ落ちかけた、それゆえ客観的に人間の性を見つめる半ば諦観の表現は冷酷にさえ感じる。老人にとって失われかけた性は過去のエッセンスであり生の証であった。一方で死は音を立てて近づく老人の傍にある不可...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2015年01月16日

デカダンス文学の名作と銘打たれた表題作は、なんとも強烈な読後感でした。前後不覚に眠らされた裸の若い女と添い寝をする老人。若く瑞々しい肉体はもの言うことなく意思の疎通を図れない対象となる。しかしだからこそ男性機能を喪った男たちの慰みとなる。この設定だけでもクラクラとさせられます。そこにまだ男性機能を維...続きを読む

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眠れる美女

Posted by ブクログ 2018年09月16日

「雪国」に続いて「眠れる美女」にチャレンジ(笑)

日本文学作品には苦手意識があって、学校の授業以外ではほとんど読んでいない私が、イイ大人になったのでチャレンジして、今年の始めに読破できたのが「雪国」だ。
調子に乗って他の作家のものも色々手にとってみたが、どうにも途中で挫折してしまい中途半端になって...続きを読む

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