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川端康成と言えば、「トンネルを抜けると~」から始まる、静謐で美しい文章を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。なんか難しそう、とか、堅苦しそうとか思ってる人もいるのでは?
ところが、この川端康成という人、実はかなりの変態です。フェティシズムの塊です。それが端的に表れているのが、この『眠れる美女』という小説ではないかと。
薬で眠らされた美少女と添い寝できる秘密の宿──この設定からしてフェチ全開。訪れるのは、すべて「安心できるお客様」である老人ばかり。彼らは美少女の隣に横たわり、肌の温度や匂いを堪能しつつ、過去に通り過ぎていった女のことを夢見るのです。なんともメニアック!
この作品を読むと、凡百の官能小説が健全に思えてくるから不思議です。
元祖ストーカー小説とも言える『みずうみ』も併せてどうぞ。
Posted by ブクログ 2023年08月27日
「生」も「正」も「性」も超越してしまった。生命も正義も道徳も美も、すべては尊いのだろう。それでも、全てを取り払いむき出しにされた、性(さが)は、ヒトと言わずケモノと言わず、老人も赤子も男も女も等しい気がする。愚かでちっぽけでおぞましくも美しい。行き着く先は全て平等で、白骨をみても、男か女かくらいしか...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月05日
「伊豆の踊り子」を読んで生意気にも川端康成を見くびったのが中学生の頃。思えば小学生の時も「吾輩は猫である」を読まされて夏目漱石を投げ出した。ホント、子供に本を薦める時は気をつけて欲しい。あれは子供には無理だろう。
中学生の頃の僕が「眠れる美女」を読んでいたらどう思ったかは分からないが、作家「川端...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月28日
老人が隠れて利用する秘密のくらぶは、薬で眠る美少女と同衾するもの(ただし本当に、寝るだけ)である。三島由紀夫の称賛する「デカダンス」は読み進めるにつれて立ち現れてくるが、最初の方は「なんだこのド変態小説は…」と驚いた。
この中編は、ほとんどが裸で眠る少女の肉体のパーツに関する描写と、そこから想起され...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月26日
目次
・眠れる美女
・片腕
・散りぬるを
読む前に耳にした話では「気持ち悪い」というような話を聞いていたのだけど、実際に読んでみたらちょっと違った。
確かに気持ち悪くは、ある。
全裸で眠っているうら若い美女に添い寝するだけの高齢男性。
金にあかせて、若い美女を貸し切って添い寝するだけっていうのは...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月17日
「眠れる美女」
男性として使い物にならなくなった老人たちには
自らを恥じる部分がある
そんな老人たちを相手に、眠らせた若い生娘を用意して
まるで人形を愛でるように好き放題なで回し
楽しんでいただこうという
そういう業態の店があるらしい
老いたりとはいえ、まだ男性であることを捨てていない主人公は
店の...続きを読む
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