【感想・ネタバレ】眠れる美女のレビュー

川端康成と言えば、「トンネルを抜けると~」から始まる、静謐で美しい文章を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。なんか難しそう、とか、堅苦しそうとか思ってる人もいるのでは?
ところが、この川端康成という人、実はかなりの変態です。フェティシズムの塊です。それが端的に表れているのが、この『眠れる美女』という小説ではないかと。
薬で眠らされた美少女と添い寝できる秘密の宿──この設定からしてフェチ全開。訪れるのは、すべて「安心できるお客様」である老人ばかり。彼らは美少女の隣に横たわり、肌の温度や匂いを堪能しつつ、過去に通り過ぎていった女のことを夢見るのです。なんともメニアック!
この作品を読むと、凡百の官能小説が健全に思えてくるから不思議です。
元祖ストーカー小説とも言える『みずうみ』も併せてどうぞ。

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「生」も「正」も「性」も超越してしまった。生命も正義も道徳も美も、すべては尊いのだろう。それでも、全てを取り払いむき出しにされた、性(さが)は、ヒトと言わずケモノと言わず、老人も赤子も男も女も等しい気がする。愚かでちっぽけでおぞましくも美しい。行き着く先は全て平等で、白骨をみても、男か女かくらいしかわからないだろう。それでも命や生活の動きは細やかで尊い。細やかに人の外観を描き内面を見透かすような、川端康成の眼力はすごい。解説の三島由紀夫の読み方が高尚で、同じ小説を読んだのだろうかと、訝しんでしまった。

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2023年08月27日

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 「伊豆の踊り子」を読んで生意気にも川端康成を見くびったのが中学生の頃。思えば小学生の時も「吾輩は猫である」を読まされて夏目漱石を投げ出した。ホント、子供に本を薦める時は気をつけて欲しい。あれは子供には無理だろう。
 中学生の頃の僕が「眠れる美女」を読んでいたらどう思ったかは分からないが、作家「川端康成」のイメージは大きく異なっていた事だろう。残念だ。
 肉欲を伴わぬそれを、非常に哀しくもあるが美しく感じてしまうのは、川端康成の描写力によるものだろう。大人の官能小説(いや、官能小説は大人のものか)。こういう枯れ切らない老人になるのも悪くないなと思ってしまう。(本当に行動に出られたら迷惑極まりないが)

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2022年06月05日

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理解しようとしても、今は無理だろう...
江口老人が、夜毎娘たちの元へ訪れる所業にである。彼は「生の交流、生の誘惑、生の回復」だと言う。恥も外聞もなく、その枕元に立つ事が死を目前にした者たちの死生観なのか...若い柔肌への関心は「生の執着」ではなかったか...

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2020年10月29日

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ネタバレ

眠れる美女と片腕、そして散りぬるを。
一読して感じたこと。いずれの作品にも共通すると思ったのが"眠り"と"生と性、そして死"だと思った。

表題作に関して。
深く深く眠っている女と、深紅の天鵞絨のカーテン。
それが女の肌に映った様子や、女たちの肉体とパーツの描写がとても細かく耽美的で美しくもあったが…最後の宿の女の一言に、背筋がピリッとなる思いだった。

ここで出てくる女たちは、老人たちの性の対象ではなく、観賞用オブジェみたいな感じで、ただただ眺めたり添い寝をすると言うものなんだけど、触れずに添い寝だけ眺めるだけと言うのが、堪らなく良い。


お恥ずかしながら、川端康成は他は雪国しか読んだことはないが、私はこちらの作品の方が好きだ。

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2020年05月10日

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オトラジシリーズ。
なんてセクシーな一冊。
直接的な表現はないのにエロ過ぎる。
それで居て嫌な感じのエロさじゃない。
川端さんも本当に粋だな~

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2021年11月27日

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老人が隠れて利用する秘密のくらぶは、薬で眠る美少女と同衾するもの(ただし本当に、寝るだけ)である。三島由紀夫の称賛する「デカダンス」は読み進めるにつれて立ち現れてくるが、最初の方は「なんだこのド変態小説は…」と驚いた。
この中編は、ほとんどが裸で眠る少女の肉体のパーツに関する描写と、そこから想起される老人の過去の女性との記憶から成る。生を謳歌する年齢の少女が死んだように眠る一方で、老人は、自らは未だ現役であると語りつつも死につながる老いの気配が色濃い。この対比は奇妙な均衡状態と言ってよく、生身の少女が眠っているという状態でのみ意味をなし、人形や死体では「老い」の方が勝ってしまうように思う。だからこそ、その均衡が崩れた最終章、少女がモノとして扱われた時の、老人側の退廃とどうしようもなさが強烈な読後感を残した。

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2024年04月28日

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初めて読んだ川端康成の小説が、この『眠れる美女』だったのか『山の音』だったのかが定かではない。ただ、好きな小説だった。一緒に収録されている「片腕」もよかった。

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2024年02月17日

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目次
・眠れる美女
・片腕
・散りぬるを

読む前に耳にした話では「気持ち悪い」というような話を聞いていたのだけど、実際に読んでみたらちょっと違った。
確かに気持ち悪くは、ある。
全裸で眠っているうら若い美女に添い寝するだけの高齢男性。

金にあかせて、若い美女を貸し切って添い寝するだけっていうのは。確かに気持ち悪い。
相手は意識がないのに、こちらだけ冷静に観察できる。
それは気持ち悪いというよりも、生理的に無理。

しかし、江口老人なる語り手は、まだ67歳なのだ。
たった67歳で老人扱いされる江口。
たった67歳で老人の自覚を持つ江口。
これは一体どういうことなのか。

性的にままならないのが67歳ということらしいが、そのほかに社会的存在であるとか、精神的な円熟味とか、何かポジティブな感触がなかったのだろうか。
けれども『眠れる美女』しかり、『片腕』しかり、老いていく自分と若い娘たちとの対比が、この時期の川端康成のテーマだったのかもしれない。

今から50年ほど昔の話。
今なら67歳で人生の終わりと考える人はあまりいないのではないかと思われる。

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2023年12月26日

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ネタバレ

「眠れる美女」
ラジオ文芸劇場 53分

「片腕」
CD 幻想文学名作選~文豪の怪談~第5巻 75分

上の2作品は何度か読み直しているので、今回は音声で聞いた。
50代後半から60代の作品。

「散りぬるを」

一読したあと完全に忘れていたので、まっさらな再読。
比較的若いころ(35歳くらい)の作品。
被告が検察に「小説を喋らされていた」と断じながら、裁判記録を読むことで小説化していくという、メタ構造。
おもしろいかどうかは別として、何度も繰り返される殺し(?)を繰り返し書く、作家自身の執念に驚かされる。

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2022年10月13日

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「眠れる美女」
男性として使い物にならなくなった老人たちには
自らを恥じる部分がある
そんな老人たちを相手に、眠らせた若い生娘を用意して
まるで人形を愛でるように好き放題なで回し
楽しんでいただこうという
そういう業態の店があるらしい
老いたりとはいえ、まだ男性であることを捨てていない主人公は
店の禁制を破り、本番行為に至ることも
考えてみたりした
しかし実際にスヤスヤ寝ているすっぱだかの処女を前にすると
なぜか、過去の嫌な記憶が浮かんできて
気力は萎えてしまうのだった
ひょっとすると、そうやって悩んでいる状況じたいが
すでに魔界の中なのかもしれない
あるいは
自分を押しとどめようとする人生の積み重ねそのものが…

「片腕」
若い娘の右腕を借り受け
これを自宅に持ち帰り
様々な愛撫を試したのち、自分の右腕と付け替えてしまう
まさに変態と言わざるをえない所業だが
逆に考えると
娘の右腕に自分自身を差し出しているわけでもあって
男はそれに耐えられないのだった

「散りぬるを」
作家志望の家出娘ふたりに借家を与え、面倒みてきたのだが
ある日侵入してきた男に、両方殺されてしまった
いずれ愛人にできただろう娘たちのことを惜しみつつ
殺人者の行動記録に、小説家はある寂しさを見た
こういう、構造主義的な批評精神が
戦後の「魔界」へと結実していったのだろう
それは善と悪のボーダーレスな世界観であって
虚無主義に陥りやすく
そのために強い秩序を必要とするものであった

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2021年10月17日

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「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」


川端康成も美しい文を書くのね。
三島由紀夫が師と仰いだのも納得。
そして幻想的な短編で編まれた作品でした。

三島は女という性質を美しく描くのに対し、
川端は女体を美しく描く、ある種のフェティシズムを感じた。

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2021年08月22日

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どの作品も発想がド変態

眠れる美女
「動」のはずの若さが「静」であるところに
死に対する表現や物寂しさが感じられた

片腕
やばすぎる、腕を入れかえるシーンとか変態すぎて好き

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2021年08月07日

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老人の生に対する葛藤や屋形の女への畏怖、読んでいると様々な恐ろしい感情を抱くことになる。一方で館の女が眠らせている女の子は何者なのだろうか、どうやって眠らせているのか、老人が足繁く通う理由は何かなど、終始、独特の緊張感が漂いながら頁を捲っていた。

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2020年11月03日

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デカダンス文学という言葉と意味を初めて知った。こういった作品が好きだと思っており表現方法を知らずにいたが、知ることが出来て良かった。また、川端康成の文書表現においてひらがなを多用していたりカタカナの使い方が独特であった。他の作品を読んでいないのでこの小説だけのものなのか判断はつかないが魅力的だとおもう。内容に関しても全てを明らかにせずミステリアスな世界観が現実的で読み入ってしまうものだった。

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2020年08月02日

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「雪国」に続いて「眠れる美女」にチャレンジ(笑)

日本文学作品には苦手意識があって、学校の授業以外ではほとんど読んでいない私が、イイ大人になったのでチャレンジして、今年の始めに読破できたのが「雪国」だ。
調子に乗って他の作家のものも色々手にとってみたが、どうにも途中で挫折してしまい中途半端になっていたので、川端康成氏に戻って別の本を読んでみようと手に取ったのがコレ。正解だった。

たぶん私は川端康成氏の文中の表現や世界観が好きなのだと思う。人のこころの危うさのようなものが。

本書は「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」の3編から成る短編集である。

「眠れる美女」のあらすじは、
波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女-その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している-。(作品紹介より)

読みながら頭に浮かんだのは「耽美なエロティシズム」という言葉。

若く美しい女たちの肌を表現するというひとつとってもその言葉選びが美しい。また、枯れ行く老人の心情が切実に伝わってくる。
まさに、生と死が布団に並んで横になっている姿を見るようだ。

「片腕」は、ホラーかよって思って読み始めたが、フェチだなこれは。究極の腕フェチ。私にはない感覚なので、いまいち共感はできないが、やはり美しかった。ラストはやっぱりホラーだったけど(笑)

「散りぬるを」は、うーん。これは作者の目線そのもので書かれているのだろうか?という感じ。やはり危ういのだが現実っぽすぎて、美しさが足りない気がした。

他の作品もまた、読んでみたい。

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2018年09月16日

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「伊豆の踊子」「雪国」とはまるで違う川端康成の作品。江戸川乱歩のようなエロティックでグロテスクで妖美な雰囲気が漂う。性的倒錯が退廃的でもあり前衛的でもあり、日本のデカダンス文学の最高峰と言われるのも頷ける。

表題作「眠れる美女」は性的に死の淵にある老人を主人公とし生命力溢れる美しき少女の生と死の境界を曖昧にすることで、生き物に宿る本質的な美麗とそれに伴う禁忌的行いを描く。また「片腕」では肉片の分離に死を「与えず」異物への結合に生を「与える」ないことでネクロフィリア的陶酔を描く。会話形式で進む「散ちりぬるを」は作品名の妙は然ることながら虚構と現実、どちらとも取れぬ不思議な感覚に襲われる。

私は「伊豆の踊子」よりこちらの「眠れる美女」の作風の川端康成のほうが好みではある。三島由紀夫のあとがきもよい。

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2018年07月04日

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「娘の腕から江口の目ぶたの奥に伝わって来るのは、生の交流、生の旋律、生の誘惑、そして老人には生の回復である。」
「してみれば『眠れる美女』は仏のようなものではないか。」

生命に溢れ『命そのもの』、『眠るように死んだ』黒い女こそ『眠れる秘仏』ではないのか

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2024年04月29日

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ネタバレ

全体的に作者の感覚に依る描写が多く、「新感覚派」と呼ばれる所以もうなずける。

「眠れる美女」
薬で眠らされて一糸まとわぬ女と添い寝をしながら、自分の娘や昔の女性関係を思い出す。

「片腕」
少女からひと晩だけ右腕を借りるという前衛的作品。自分の右腕とすげ替えて、はじめは感覚が遮断されているが、徐々に血が通い合う。少女の右腕と喋ったりもする。

「散りぬるを」
聴取書などの資料から、ほんのいたずら心から、過失によって少女が殺された事件を扱う。
昭和八年作で、他の二作より三十年ほど昔の作品。

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2022年04月12日

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川端康成の作品を読む度、この人が書く情景描写が好きだと感じる

死んだように眠る美女と一晩を過ごすことによって、江口老人は死の練習を繰り返ししていた

解説にもある通り、息苦しかった

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2021年09月07日

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死が近い、または老いを重ねるにつれ異性や美についての感じ方が変わるのかなと想像した。個人的には片腕の話が好きですが、文体に慣れてないせいか読むのに時間がかかりました。

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2021年02月28日

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『眠れる美女』

とある一軒家で…
眠り薬によって眠らされた裸体の美しいきむすめと一晩を共にすることができる。ただ、それはもうすでに「男」ではなくなった老人のみが集うことが許されるのだった。

まだかろうじて「男」ではある、江口老人がこの物語の主人公である。
老人は、決して眠りからめざめない娘の前で、自分がなさけなく、また病めるようにも思えてきて、
「老人は死、若者には恋、死は一度、恋はいくたびか」
と思いがけずにつぶやいた。

そして眠る娘の傍らで、かつての愛人たちの思い出に浸る。娘のみずみずしい肉体から放たれる芳香に酔しれながら、しだいに自らの死がより鮮明に色濃くなってゆく。
老人は、娘のそばで何を思い眠りにつくのか…。


ほか『片腕』『散りぬるを』

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2021年01月16日

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年老いた男のロマンやフェチシズムを文学にすればこうも評価されるのか、と少し憤りはしたものの、三島由紀夫の解説での表現が的確過ぎて納得。
ー「眠れる美女」は、形式的完成日を保ちつつ、熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の逸品である。
ー6人とも眠っていてものも言わないのであるから、様々な寝言や寝癖のほかは、肉体描写しか残されていないわけである。その執拗綿密なネクロフィリー的肉体描写は、およそ言語による観念的淫蕩の極致と言ってよい。
ー作品全体が、いかにも息苦しいのは、性的幻想に常に嫌悪が織り込まれているためであり、また、生命の讃仰に常に生命の否定が入り混じっているためである。

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2020年10月13日

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天才とナントカは紙一重と言うけれど、脳みそのどこをどう押したらこんなストーリーを思いつくのかと驚愕しました。女性の描写は美しくただそれだけで読み応えがありますが、いかんせん私としては主人公の気持ちと同化することが出来ず。
『片腕』が3編の中で1番好きです。シュール感強めでした。

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2020年06月23日

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「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」の短編集。短編集とは知らずに「眠れる美女」を読みたくて購入した。「眠れる美女」では川端康成の文章から、眠って決して起きない美女と寝る老人の2人の空間が少し気味悪く感じられるほど想像できた。「片腕」は、女の腕を自分に取り付けたりと、個人的に理解に苦しむシーンが多かった。最後の「散りぬるを」では、三郎の寂しさ故の悪戯が大事になってしまったのでは無いのか?と考える作者が、「居眠りしたとは、三郎のただ一つの嘘だ。」「でも、これもまた私が自分の虚栄のために…」と述べている所で、2つの視点から作者の心の複雑さが出ていて、その複雑さに共感できた。
「眠れる美女」が1番読みやすかった。
解説は三島由紀夫。

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2020年01月30日

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川端康成にしては抒情的な景色の描写は少なく、
女性の生理的な美しさを描いている作品ではありました。
この時期に細切れに読んでしまったのが良くないのですが、男性から女性へ向けた性的な描写、もちろんそれを超えた表現で決して嫌らしく感じないのですが、文学的にはかなり盛り込んだ作品に仕上がっているとは思いましたが、胸を打つほどの作品では無かったです。

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2019年12月30日

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官能美っていうのかな、わたしには理解できない部分もあったけど
ものすごい閉塞感を感じて、あらためて言葉の力を実感できるような作品でした

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2019年09月17日

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美女たちのキャラクターを、眠っている姿だけで描ききっているのはさすが。でも世界観は表題作より「片腕」のほうがはまった。

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2019年08月07日

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美しいものは死に近い

身体機能的にも衰えのみえる老人という死の象徴
美しくあたたかく若い娘たちっていう生の象徴

起きて女の子たちを眺めている老人という動の象徴
撫でられたり身体を動かされる娘という静の象徴

みたいな生と死、動と生が様々入り乱れるなか…
まあ結局どっちも腐敗ってことなのかなぁ

あまりにも「女」が好きすぎて川端ァ!ってなるけど「女」そのものを愛してる感じがしたけど、でも気持ち悪いよね(笑)

男性作家にしか書けないよねこれは

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2019年07月16日

Posted by ブクログ

眠れる美女、表現の緻密さにありがたさを感じた。そして、全てが綺麗なわけではなく、ありのままを描くその川端康成の姿勢にグッときた。何かが起こりそうでなにも起こらないんだろうなと思わせておきながら、何かが起こりそうな予感を孕みつつ物語は進んでいく。我々はその時すでに川端康成の術中にはまっているのであった

単純に抱いた感想としては、ページに文字がびっちり書いてあるなと思った。それは、会話する相手は眠っているのであって、大方主人公の思考が書いてあるのみになるで当然である。

まあ雪国の方が好きかな。

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2019年02月09日

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不定期に日本文学に触れたくなり、購入。
3作品からなる短編集。
何故、川端康成?
NHKで、平成 古都 なんてドラマを観たせいだと思う。
しかし、日本の美を表現する川端康成…と思いきや、これは違った。
表題と同名の「眠れる美女」これには、びっくり!
官能小説としての表現はないものの、エロ全開。
解説は三島由紀夫で、超豪華。
川端康成もそうだけど、何故、文学を極めた人って自殺するんだろうね…謎。
'18.08.03読書完了

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2018年08月03日

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