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Posted by ブクログ
読書録「ペニシリンはクシャミが生んだ
大発見」4
著者 百島祐貴
出版 平凡社新書
p109より引用
“EMI社にとって、医療機器の開発は初めて
の経験でした。新しい装置の開発には莫大
な費用がかかります。しかし幸いなことに、
当時、ビートルズの専属レコード会社で
あったEMI社の財政状態は、きわめて潤沢
でした。全社の売上の二分の一がビートルズ
のレコードで、二番目の電気製品は四分の一
に過ぎなかったといいます。CTの研究開発
も、多分にビートルズの恩恵を受けること
ができたのです。”
目次より抜粋引用
“初めて測ったのは牧師
二重らせんのダーク・レディ
農婦に教わった予防法
失われた処方を求めて
クシャミが生んだ大発見”
医学博士である著者による、医学の歴史
における器械や技術とその開発に携わった
研究者についてのエピソードを記した一冊。
各家庭にあるであろう体温計についてか
ら人を死に至らしめる病原の特定と治療に
ついてまで、医学の豆知識も交えて紹介さ
れています。
上記の引用は、CTの発明と開発に関する
項での一節。
世の中は、思いもよらないところで関係が
繋がっているのだなと、思わざるを得ない
逸話です。
どこで誰のお世話になっているかわからな
いのですから、全く関係なさそうな画面の
向こうの相手に対してでも、ひどい言葉を
投げ掛けることはしないでおきたいもので
す。もちろん、世話になってないことが
わかっていても、してはいけないですが。
p18における、新しい技術とそれに対する
批判についての記述を読むと、人というの
は中々変わらない部分が根っこにあるもの
かと、考えさせられます。
何か新しい物事に関わるときは、急に利用
を増やしたり、かと言って全否定したりせ
ずに、少しずつ試して行くのが良さそうだ
と思われます。
p36の血圧を手動で測る時に、聴診器で
音を聞く手法について、今でもその音の
発生メカニズムが完全に解明されていない
のは、面白いところです。
なんでかよく解らんけど、使える道具や
方法というのが、医学の最先端現場にも
あるものだと思うと、医者も人なのだと思い
出せそうです。
割と身近な医学に関する話が紹介されて
いるので、自分に関することとして楽しめ
る人が多い作品ではないでしょうか。
より詳しく医学の歴史について知りたい人
の為に、「はじめに」の中で医学史の名著
が紹介されています。参考文献と違い、
日本人著者の作ばかりなので、絶版のもの
以外は読み始めるのは難しくなさそうです。
歴史としてだけでなく、人間ドラマとし
ても面白い一冊でした。
ーーーーー
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
聴診器、レントゲン、輸血、ワクチン、麻酔…今では私たちが当たり前に恩恵を受ける医療技術の数々。
その進歩の陰には、不屈の医師たちの人間ドラマがあった。
時代の通説との葛藤、自らの命を賭した人体実験、思わぬ失敗が生んだ発見、研究者間の熾烈な競争など、25の物語を通して知る、医学史のおもしろ裏話。
医学の発展は三分の努力と七分の偶然から!?
瞠目のサイエンス進化論。
[ 目次 ]
第1部 診断編(何でも測らないと気がすまない男―体温測定;秘めた恋を脈で診断―脈拍測定;初めて測ったのは牧師―血圧測定;電話ごっこを見てひらめいた―聴診器;若旦那の趣味が昂じて―顕微鏡;細菌学の巨人の大失策―ツベルクリン反応;人類初体験の透視する見えない光―エックス線(X線) 深夜の極秘人体実験―心臓カテーテル検査 二重らせんのダーク・レディ―DNA 大道芸がヒント―胃カメラ(胃内視鏡) ビートルズが支えた最新技術―CT ノーベル賞をめぐる大波乱―MRI)
第2部 治療編(毒殺事件を呼ぶ先端治療―輸血;農婦に教わった予防法―種痘(ワクチンの誕生) 狂気を呼んだ四人の争い―全身麻酔 失われた処方を求めて―麻酔薬・通仙散 物理学を超えた町工場のオヤジさん―注射器 次々に産婦が死んでいく謎の病棟―消毒法 風邪ひきイタチに助けられ―インフルエンザ・ワクチン クシャミが生んだ大発見―ペニシリン(抗生物質) 亡き患者への想いを胸に―人工心肺 靴墨の缶で作った命の機械―心臓ペースメーカー 一万回のセックスを観察―セックス・カウンセリング 病原菌を飲んで自説を証明―胃潰瘍の治療(ピロリ菌の発見))
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
本書は2部構成で、診断編と治療編に分かれていますが、より面白いのは診断編の方です。
輸血が当初は動物の血を使っていたこと、麻酔をする手術は150年前までなかったため、暴れる患者を押さえつける人手が必要だったこと、注射器の発明経緯や世界一細い注射針は日本製(テルモ)だということ、人工心肺、心臓ペースメーカーの発明など、多くは現役の医者たちがバトンタッチで試行錯誤、四苦八苦しながら改良を重ねていった長い歴史の集大成だということなどがよくわかります。
1つのトッピクスが数ページの分量で抑えられているのも読みやすく、当時の日本の医療事情も絡めている点もいい。
日本人が西欧に先駆けて発見していた(はずの)ピロリ菌や1804年に全身麻酔手術を世界で初めて成功させたのは日本人の華岡青洲だった、なども興味深く読めます。
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