山岡淳一郎の作品一覧
「山岡淳一郎」の「生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて」「開成高校野球部の「弱くても勝つ」方法 限られた条件で最大の効果を出す非常識な考え方」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
【炎と水】 山岡 淳一郎 著
本書は、著者による現地や関係者へのインタビューをもとに、外部から中村哲を浮かび上がらせたノンフィクションです。中村哲の考え・活動に加え、当時の経済・政治動向、関係者の経歴や証言などが多数盛り込まれ、多角的に見ることができます。
医療から井戸掘り、そしてクナール川の灌漑活動と、後半に向けて盛り上がってきます。クナール川の水をガンペリ砂漠に引き込み、人口は3万人から15万人に増え、ここでとれる食料は今や65万人の生活を支えるに至ります。因みに、並行して見たドキュメンタリー映画「良心の実弾~医師・中村哲が遺したもの」では、このビフォー・アフターが映し出されますがこれは圧巻。さらに、「百鬼夜行の街」で身の危険を感じながら事業に邁進したにも拘らず、凶弾に倒れる本書の最終章も圧巻です。
中村哲は、村民が意見を出し合いながら長老が差配する「民主的な」現地事情をわきまえずに多くの混乱を生じさせる「三つのU(USA、UK、UN)が嫌い」だったと言います。一方、JICA理事長だった緒方貞子とは意見を戦わせる相手ながら、JICAとの共同事業は良好で、国ごとに異なる状況に合わせる重要性を知らされました。
最終章では、日本に戻った元メンバーが、「こんなに水と緑があふれた国ってないですよ」と呟きますが、ここまで読むと納得できます。また、ガンペリ砂漠の灌漑工事には、江戸時代に構築された中村哲の地元・山田堰を参考にしたそうですが、中村哲の事績のみならず、先人の知恵や日本とは異なる現地事情など、さまざまに考えさせられた一冊です。
Posted by ブクログ
医師、というより灌漑土木でアフガニスタンの砂漠を緑に変えた男、中村哲さんの
生きざまをつづった本。
中村哲さんの功績について読むのは2冊目。
今回は中村さんだけでなく、彼の活動に賛同し、実際に現地でともに動いた人たち
にも着目し、その様子を綴っている。
より立体的に中村哲さんの思いが伝わってくる。
良書だ。
なんでこういう人を殺したのか。
医師として命を救う以前に、食糧の源、小麦が作れる環境づくり、
すなわち水の供給に命を懸けた人を、なんで死なすのか。
ただ、共に働く人たちがいるので、彼が死んでも活動は止まらない、
これはすばらしいし、そうあらねばらなない。
中村さんだけの活動ではない、ということだ。
人の役に立つ。大事なことだ。
プロローグ 水が天に昇る谷
第一章 革命の炎
第二章 同志
第三章 浸礼――永遠の別れ
第四章 青春漂流
第五章 失われた世代
第六章 空爆とナン
第七章 冬の陣
第八章 口紅
第九章 カカムラ!
第一〇章 帰還
あとがき 神と出会った男、神になりたかった男