山岡淳一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレレビュー済みの商品 · 2020年9月20日
生きのびるマンション <二つの老い>をこえて
山岡淳一郎氏による著作。
2019年8月22日 第1刷発行。
著者は1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。
愛媛県立松山東高等学校卒業、早稲田大学中退。
雑誌編集者をへて、ライター集団「S&Bプランニング」で政治、社会、経済、スポーツなどについて執筆
「人と時代」「公と私」を共通テーマに政治・経済・医療・近現代史、建築など分野をこえて執筆。
時事番組の司会、コメンテーターも務める。
一般社団法人デモクラシータイムス同人。
著者の過去の執筆を見ていると、確かに幅広い。
分譲マンション -
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ほとんどの疾病は個人的な出来事だが感染症だけは社会的な事件であることを新型コロナウイルスは再認識させてくれた。そこには政治や経済も大きく関わってくる。また、グローバリズムの中で外国から持ち込まれる感染症への対応の難しさもクローズアップされた。
日本における最初のグローバリズムといえば幕末の開国と明治維新だ。幕末の開国は感染症に対する開国でもあった。コレラが長崎から上陸し幕末明治に大流行、西南戦争では戦死者よりも病死者が多いほどだった。そこから公衆衛生という思想が生まれる。ここで活躍するのが日本の衛生行政を確立した後藤新平、そして世界的細菌学者となった北里柴三郎というヒーローが生まれる。この頃 -
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そういえば、サーカスといえば「木下大サーカス」を連想するが、木下以外のサーカスは思い浮かばない。それもそのはず。かつて、日本では多くのサーカスの興行集団が存在したが、ほとんどが経営難のため撤退、今では木下サーカス株式会社のみが生き残っているのだ。その木下は2002年にて創業100周年を迎え、現在でも好調な観客動員と経営を維持している。
木下サーカスは、日露戦争直前の1902年に創業される。創業者木下唯助以降、代々、木下一族がトップをつとめ、今では4代目。戦争による混乱期や10億円もの負債を抱えた時期、3代目の突然の危篤状態などの危機を乗り越え、現在では営業や福利厚生面に力を注ぎ、大卒生も採用 -
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2020年7月の時点での新型コロナの問題点を取り上げているが、2021年4月の段階でも解決できている点は非常に少ない.本書では原因として旧厚生省と文部省の根の深い争いを指摘しているが、彼らが自分たちの組織を第一に考え、国民のことはおざなりにしている姿勢は以前から改善していない.さらに731部隊の総括もないままにうやむやにしている現実を見ると、彼らの良心はどこにあったのか、寂しい限りだ.幸い我が国では新型コロナのワクチンが開発できなかったので、それに纏わる利権の問題は発生していないが、このような時勢でも鵜の目鷹の目で暴利をむさぼろうとする輩は出てくるに違いない.官僚機構の不効率な実態を厳しく指摘
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岡山市表町商店街の南端に「千日前」という一画がある。ほんの20年前までには此処は6館ほどの映画館が林立する映画館街だった。60年前は、正月前後などは人混みでごった返す盛況だったと先輩から聞いている。更に遡ること100年前、映画の街はサーカスに続いてこの街で産声を上げ、戦災をくぐり抜け岡山の興行ならびに大衆文化をリードし続けた。
今、私たち映画ファンが娯楽を楽しんでいられるのも、先人たちが健康な興行を始めたお陰だと忘れないように本書を紐解いた。因みに、本書では言及していないが、千日前商店街の大看板は昨年秋に撤去された。現在の木下サーカス本部があるビルの目の前に、新しい市民会館の建設が始まってい -
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徳田の生涯が目まぐるしくて、なんというか忙しくて休む暇もない大変な人生だなーと思った。自分はのんびりやなので、読んでいると疲れてしまう気さえする。
命だけは平等だたいう理想論と権力に固執する俗物さがまた多面的で面白かった。徳田の中では両者は分かち難く結びついているのだろう。
島で生まれた人ならではのコンプレックスに裏打ちされた負けん気のようなものはとてもよくわかる。自分もそう田舎のバカ高校の出身なので。その辺はすごく共感した。
著者の徳田に対する公平な視線も気持ちいい。類書は著者が徳田シンパみたいになってしまっているのでしんどい。徳田の横暴さが部下への暴力行為として発露してしまうような部分を笑 -
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ネタバレタイトルを見て即買い。
内容も実に示唆に富んで面白い一冊だった。 対談相手もトップバッターが山田太一、締めが池澤夏樹。それだけでも読みたいと思えた本だった。
鬼海氏の作品は「PERSONA」が雑誌などで取り上げられ、その一部を目にしている程度。写真集を通してじっくり眺めたことはなかった。近々拝見しようと思う。
その「PERSOAN」も印象的なキャプションが付いているのが面白いなと思っていたが(写真そのものは、あまり好きたタイプじゃないけど)、その妙味がどのように培われて来たか、氏の思考、指向を知るには絶好の対談集。
タイトルにもあるように、鬼海氏が本書で写し取っているのは「ことば」 -
Posted by ブクログ
本書は、その木下サーカスの創業期から現在に至るまでの歴史をとりまとめたノンフィクションです。
木下サーカスは1902年に中国・大連で旗揚げされ、今日まで約100年以上の歴史を有し、今でも年間120万人を動員するなど、根強い人気を誇ってます。
しかしながら、その間、決して順風満帆だったわけではありません。
数々の困難を歴代の経営者をはじめ、多くのスタッフが困難に向き合い、乗り越え、今日に至ります。
困難を乗り越えるにあたり、さまざまな苦労話がありますが、共通しているのは、「お客さまに感動をお届けする」
という、ぶれない熱い想いです。
これは環境や分野が違っても、共通する大事なポイントだ