田中文の作品一覧
「田中文」の「遺伝子‐親密なる人類史‐」「いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田中文」の「遺伝子‐親密なる人類史‐」「いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ビル・ゲイツがオススメしてたので購入。
おいおい、めちゃくちゃ面白いじゃんよ…!
「細胞」という深遠なテーマを、いくつかの部に分けてその歴史とシステムを紹介していく本作。医師である筆者だからこそ描けるリアリティと、深い知識に裏打ちされたエピソードは読む人をキチンと引き付ける。上下巻と分量は多かったけど、わりとスラスラ読めたかも。
特に面白かったのは「腐敗」の話。
「私達はなぜ生きながらにして腐敗しないのだろうか?」という問いは考えたこともなかったが、言われてみると確かに不思議な話だ。
(これはもちろん腐敗を行う微生物を免疫が退治しているから)
まとめは下巻の方で。同じ作者の「がん‐400
Posted by ブクログ
「すべての細胞は細胞から生じる」というラテン語の格言から、あらゆる細胞の機能について語った下巻。
単純な機能のはずである「細胞」が、まとまり集団になることで「生命」というものを作り上げる。「がん細胞」といったイレギュラーはあっても、それですぐ死ぬことはない。
つまり「生命」にはある程度の裕度が存在するのだろう。このシステムが終わるには本文にあるように「損傷のもたらす猛烈な摩耗が治癒のエクスタシーを凌駕」しなければならない、というわけだな。
後編は主にがん細胞がメインなのだけど、こういった難病だからこそ「自己」や「修復」といった機能に対して解明の糸口となる。戦争こそが科学の発展を助けたという
Posted by ブクログ
本書を一読することで、遺伝学の歴史は人類の叡智による燦然たる科学の歩みであるとともに、人類史上とてつもなく大きな惨禍を伴ったものであることを理解することができる。そして、この科学の歩みは、既に私たちの仕様書の解読を終え、近い未来にアップデートさえしようとするところまで手が届いてることも理解することができる。そこには、遺伝学という科学的な問題だけでなく、深遠な哲学的かつ倫理学的な問いが突きつけられている。もし、自分の仕様書が解読できるなら、私はそれを望むのだろうか。子供がいたとして、子供の仕様書を解読するだろうか。解読したとしてその結果を子供に伝えるだろうか・・・。本書は、単なる遺伝学の歴史の概
Posted by ブクログ
人生の成功を掴み掛けていた時に末期の癌が発覚した著者。癌との闘いは厳しいものだったのは間違いないと感じるが、著者が癌になってから過ごした時間の全てがその闘いの苦痛に満ちただけの時間でないことも確かだと感じた。
本文中にいくつか惹きつけられるフレーズを見つけた。それはいずれも著者が懸命に生きようともがいた結果生まれた言葉である。
死は誰にも訪れる。しかし、その死を迎える方法は自由だ。著者の生きる姿からは、「死を身近に感じていない自分は、果たして精一杯に生きることができているか」「今ある時間を生きるってどういうこと?」という問いについて考えさせられる。自分なりの生き方を見出し、ただ死に向かう