詳細は本文で正に詳細に解説、議論されているが、本書の主張は巻末のあとがきや解説にあるように、
・そもそも気候に自然変動は大きく、人間活動が与える影響は限定的
・長期間(50-100年)の視点でみるとハリケーン等による災害の激甚化、頻発化の事実はない
・IPCC等が議論の前提にしている数値モデルの信頼
...続きを読む性は低い。現在の科学技術水準で長期間の気候予測は不可能
・COPが唱えるようなCO2削減は現実的に不可能で、実現しても温暖化は防げない
・人類はその歴史の中でさまざまな気候変動を生き抜いてきた。CO2削減しなくても気温上昇は限定的で個別に対応できる(著者のいう「適応戦略」)
・CO2削減に巨額の費用と労力をかけるより、適応力に劣る途上国の経済発展と制度充実を促すべき
・気候変動に携わるマスコミ、政治家、事業家は科学的理解に欠けており、科学者は不誠実。事実を虚心坦懐にみれば結論は明らか
著者は米国科学界を代表する科学者(物理学者)の一人で、その提言の意味は軽くない。
この問題についての主流の議論が、人間が自然をコントロールできるという、大自然に対する人間の傲慢さを反映していると感じるのは思い違いだろうか。