フランソワーズ・サガンの作品一覧
「フランソワーズ・サガン」の「悲しみよ こんにちは(新潮文庫)」「ブラームスはお好き(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「フランソワーズ・サガン」の「悲しみよ こんにちは(新潮文庫)」「ブラームスはお好き(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
初めて読んだのが高校1年の夏とかで、それ以来、毎年夏にこの小説のことを思い出していた。
コーヒーと一緒にオレンジを丸かじりするシーンがやけに印象に残っていて真似っこするんだけど思ってたのと違う、を夏が来る度に繰り返してる。
セシルの父譲りの自由奔放さに憧れたり、フランスのヴァカンスに憧れたり、この作品は小説としてより映画的なアイコンとして私の中に君臨している。
セシルの万能感やわがままっぷりが可愛くてたまらなかった。
父親の子供らしさやいい加減なところもキャラクターとしてチャーミング。
親子共々の子供らしさが素敵なんだけど、それがこの物語の悲劇の輪郭を強くしている。
セシルの言動によって周
Posted by ブクログ
セシルは血のつながった父を一人の男性として意識している。そこに亡き母の代替となりうるアンヌが現れ、大きな脅威となった。エルザのような軽い女性は許容できるという対比が、アンヌの存在をより際立たせている。
さらに行間を読み、セシルとレエモンに肉体関係があったと解釈することで、セシルの行動や心理がより深刻で病的なものとして映り、アンヌへの敵意が絶望的な抵抗として響いてくる。
1950年代のフランス文学作品でありながら、そこに描かれた複雑な愛情、嫉妬、所有欲は時代を超えて共通する感情であることを改めて確認した。正統派解釈と享楽的解釈の両方で楽しむことで、文学の醍醐味を存分に味わえる傑作である。