作品一覧

  • 言葉の道具箱
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    「言葉とコミュニケーション」は、哲学の問いであり、「私」の問いである。 美味しさを伝えるには、「言葉が奪われる」とき、言い換えの力、ジェンダーを表す単数のthey…。日常の問いを哲学につなげ、柔らかな言葉で新たな可能性を探る。「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第2位に輝いた『言葉の展望台』、『言葉の風景、哲学のレンズ』に続くエッセイ集。 「コミュニケーションについて考えるなかで徐々にわかってきたのは、目の前の相手としっかりと向き合うためには、ときに自分自身で物事を決めるのを中断し、相手に身を委ねる必要があるということだ。私の言っていること、私が発話を通じてしていること、そして会話のなかで現れる私とあなたの関係、そのいずれも、私単独で決めることではなく、私とあなたのあいだで相互的に調整されることであって、だからこそときには自分の意志を引っ込めてあなたのやりかたに合わせることもできる。」(本書より) 【目次】 レンコン団子の美味しさ 言葉が奪われる 「卒煙支援ブース」へようこそ 「生き延びましょう」とあなたに向けて 自分自身を語るために  いま、ここから、私が投げかける言葉 会話の事故 哲学者に語れること 突如、迫りくる 理想的な言語、不完全な言語 あれ、そうだっけ 呼びかける言葉
  • 言葉の風景、哲学のレンズ
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    言葉のコミュニケーションは、希望と切実さと複雑さに満ちている。 「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第2位『言葉の展望台』著者が贈る、最新哲学エッセイ! 「痛み」を伝える言葉、webの中の私の「言葉だけの場所」、「どういたしまして」の可愛さ、当事者視点からの語りかた、「からかい」が起きる場面、メタファーが見せてくれるもの、定義することへの懐疑、カミングアウトの意味とその先……。 さまざまな哲学の概念や理論はそれぞれが一個のレンズで、このレンズを使って見た風景と、別のレンズを使って見た風景と、その両方を通した風景はすべて違っているかもしれないし、そのどれかが正しいわけではないかもしれない。でもいろいろなレンズを通してみることで、裸眼で見たのとは違う風景の可能性に気づき、新しい仕方で物事を理解したり語ったりしていくきっかけになるかもしれない。(本書「はじめに」より) 【目次】 痛みを伝える 言葉だけの場所 「どういたしまして!」の正体 該当せず からかいの輪のなかで たった一言でこんなにもずるい 給料日だね! 言葉のフィールド カミングアウト ぐねぐねと進む 安全な場所ーー『作りたい女と食べたい女』 命題を背負う 一緒に生きていくために
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~
    4.2
    1巻1,012円 (税込)
    私たちは会話を通じて何を伝え、何を企んでいるのか。あるいは相手の心理や行動にどんな影響を及ぼそうとしているのか。気鋭の言語哲学者が、『ONE PIECE』や『鋼の錬金術師』などの人気のフィクション作品を題材に、「会話」という営みを徹底分析! コミュニケーションとマニピュレーションという二つの観点から、会話という行為の魅力と、その実態をわかりやすく解き明かす。
  • 言葉の展望台
    4.3
    1巻1,353円 (税込)
    いま、あなたとの会話で起きたことは、いったい何だろう? マンスプレイニング、コミュニケーション的暴力、会話の引き出し、言語的なポリティクス、アイデンティティと一人称、人々をつなげる言葉、誠実な謝罪と不誠実な謝罪……。難しくて切実で面白い「言葉とコミュニケーション」を、「哲学」と「私」のあいだのリアルな言葉で綴るエッセイ。 【目次】 プロローグ コミュニケーション的暴力としての、意味の占有 そういうわけなので、呼ばなくても構いません ちょっとした言葉に透けて見えるもの 張り紙の駆け引き、そしてマンスプレイニング 言葉の空白地帯 すだちかレモンか 哲学と私のあいだで 会話の引き出し 「私」のいない言葉 心にない言葉 大きな傘の下で会いましょう 謝罪の懐疑論 ブラックホールと扉

ユーザーレビュー

  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

    Posted by ブクログ

    読んでいてハンターハンター24巻でイカルゴがキルアを助けた後のシーンを思い出しました。
    今まであの会話がずっと引っかかっていたのですが、この本を読んでようやく腑に落ちました。

    キルアは助けてくれたイカルゴに対して、今後はお礼なんて言わない。お前も俺が助けたときにありがとうなんて言うな。友達がサポートし合うのは特別なことじゃないから。と言っています。

    これは、『ありがとうと伝えること』と『友達がサポートし合う関係』について、お互いの中での約束事(定義)をしていると言えるのではないかと思いました。

    キルアにとっての『ありがとう』は、普通はしてくれないことなのに、してくれて助かった。という意味

    0
    2025年11月06日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

    Posted by ブクログ

    コミュニケーションは話し手と聞き手との間に約束事を形成するものであり、マニピュレーションは聞き手を話し手の意図通りに操作することであり、両者は区別される必要がある。この両者の様々なズレやバリエーションについて漫画や小説などのフィクション作品における会話を題材に解説していく。素晴らしくわかりやすかった。この本を読むことで実際の会話におけるコミュニケーションやマニピュレーションについてもアンテナを貼ることができるようになるし、小説や漫画の読解力を上げることもできるように思います。
    それにしても『鋼の錬金術師』はおしゃれなマニピュレーションの宝庫だな。取り上げられてたところ以外にもたくさん思い浮かん

    0
    2025年09月25日
  • 言葉の展望台

    Posted by ブクログ

     現代分析哲学・言語哲学が専門の方によるエッセイ集。トランスジェンダー当事者によるエッセイ集としても読めるし、その側面が際立つ「『私』のいない言葉」(pp94-102)は、私自身もトランスジェンダーであることもあり、いろいろな幼少期の嫌で悲しい記憶が蘇ってきながら当時抱いていたどろどろした感情の渦に巻き込まれそうになったのだが、しかし、著者は、あくまでも学者なのである。ある方の著書を読み、その本を楽しみながらも、しかし、著者自身が子どもの頃から抱き続けている謎はまだ解けない、と、上記の文章は閉じられ、私も、負の感情に落ち込み続ける危険にはいたらず、むしろ、これまでとこれからを見つめ直すいいきっ

    0
    2025年07月17日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

    Posted by ブクログ

    近年の「論破」ブームへの批判にもなっているような気がしました。マニピュレーションをうまく使ったもん勝ちの社会:

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    2025年02月24日
  • 言葉の道具箱

    Posted by ブクログ

    群像で連載していた言葉の展望台をまとめたシリーズ3巻目にして最終巻。
    著者は言語とコミュニケーションを専門とする哲学者。
    そもそもトランスジェンダー/ノンバイナリーの人々はそうでない人々よりも自殺リスクが高い。
    一人称権威の話が面白かった。普通は私痛いというと信じてもらえるがネット上やマイノリティの人は信じてもらえないことがある。

    0
    2025年02月06日

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