配信予定・最新刊

作品一覧

  • ブレイクショットの軌跡

    ブレイクショットの軌跡

    小説・文芸

    4.4
    1巻2,310円 (税込)
    8つの物語の「軌跡」を奇跡の構成力で描き切った、『同志少女よ、敵を撃て』を超える最高傑作 自動車期間工の本田昴は、2年11カ月の寮生活最終日、同僚がSUVブレイクショットのボルトを車体内に落とすのを目撃するが。マネーゲームの狂騒、偽装修理に戸惑う板金工、悪徳不動産会社の陥穽――移り変わっていく所有者たちの多様性と不可解さのドラマ。
  • その犬をください
    NEW

    その犬をください

    小説・文芸

    4.4
    1巻2,145円 (税込)
    『同志少女よ、敵を撃て』著者による、近代日本と戦争をめぐる人と犬の物語。 1. 未開の咆哮/明治初期の東京府。御雇外国人として開成学校の教師に着任した英国人のジョージは、自分を見るや吠えかかる日本の野良犬たちに手を焼いていた。生徒であり通訳を務める士族の青年・藤川、そして祖国から連れてきた愛犬チェスターとローラを生活の支えとしていたジョージだが、ある日の夕暮れ時、帰路につくため駕籠を待っていたところ突然現れた浪人に立ち塞がれ――。 2. 忠犬誕生/昭和7年、渋谷駅。乗降客の間に混じって人待ち顔の老犬がいる。この犬についての新聞の小さな記事は、想像を超えた「ハチ公」ブームを作り出した。しかしその物語は記事のきっかけを作ったはずの日本犬保存会の会長・斎藤弘吉の想像を超え、動物愛護や映画産業に身を浸す人間を巻き込み、国家の思惑を含んで加速し、現実を超えてゆく。 3. 犬たちの戦争/アメリカとの戦争が始まった。熱烈な軍国少年となった坂間明は、いつも愉快な空想話を聞かせてくれた平吉兄さんが笑顔を失っていくことだけが気がかりだった。そんな折「犬の供出運動」が始まり、坂間家もお国のために愛犬ドーラクを差し出すように促される。明の父はあの手この手で供出を断るが、ついに巡査が家を訪れて説得をはじめる。 4. スランプ/令和の初夏。念願叶って進学校に入学した高校生の楓は、突然学校に行けなくなった。「戦争」という言葉が頭について離れず、自分を押しつぶしてゆくような恐怖を感じるのだ。家で飼っている引退警察犬リッキーも自分と同じく元気を失っており、楓はその世話をすることで気を紛らわせていた。しかしある朝突然、同級生の三門澄が家を訪れ、学校を休んでどう思ったかを問われて――
  • 文学キョーダイ!!

    文学キョーダイ!!

    小説・文芸

    4.4
    1巻1,700円 (税込)
    現代文学の最前線に立つ姉弟の対話 ロシア文学者・奈倉有里と、小説家・逢坂冬馬。 文学界の今をときめく二人は、じつはきょうだいだった!  姉が10代で単身ロシア留学に向かった時、弟は何を思ったか。その後交差することのなかった二人の人生が、2021年に不思議な邂逅を果たしたのはなぜか。予期せぬ戦争、厳しい社会の中で、我々はどう生きるのか?  縦横無尽に広がる、知性と理性、やさしさに満ちた対話が一冊の本になりました。 ◇目次◇ はじめに――逢坂冬馬 PART1 「出世しなさい」がない家 Family PART2 作家という仕事 Literature PART3 私と誰かが生きている、この世界について World おわりに――奈倉有里
  • 同志少女よ、敵を撃て

    同志少女よ、敵を撃て

    小説・文芸

    4.5
    1巻1,375円 (税込)
    激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化
  • 歌われなかった海賊へ

    歌われなかった海賊へ

    小説・文芸

    4.4
    1巻1,320円 (税込)
    『同志少女よ、敵を撃て』本屋大賞受賞後第一作のベストセラーがついに文庫化 ナチ政権下のドイツ。体制に反抗し、自由を求めるエーデルヴァイス海賊団の少年少女らが、「究極の悪」を前にとった行動とはーー
  • 同志少女よ、敵を撃て 1
    続巻入荷

    同志少女よ、敵を撃て

    少年・青年マンガ

    4.6
    1~4巻880~902円 (税込)
    ドイツ軍に母を惨殺され、復讐のため赤軍の狙撃兵になることを決意したセラフィマ。彼女が狙撃訓練学校で出会ったのは、同じ境遇の少女たちだった。セラフィマと教官イリーナの葛藤と熱い想いを『少年ノート』『しまなみ誰そ彼』の鎌谷悠希氏がコミカライズ!

ユーザーレビュー

  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    最初、歴史モノだし読みれかな?って思ってたけど 読み切った! 難しくなかった!
    ノンフィクション半 フィクション半。戦争モノ好きっていうと語弊がありそうだけど
    好きな人にはオススメ

    0
    2026年10月04日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    『ブレイクショットの軌跡』は、エンタメとしてとても面白い作品でした。さまざまな登場人物の物語が描かれ、一つ一つの章がどう繋がっていくのか、読み進めている間はほとんど予想できませんでした。それぞれ独立した物語のように見えていたものが、少しずつ重なっていく構成がとても面白かったです。

    そして何よりすごかったのが、最後のエピローグです。単なる物語の締めくくりだと思っていたら、ここでこれまでの伏線が一気に繋がっていきます。エピローグを読むことで、それまで読んできた物語の見え方まで変わり、このエピローグがあって初めて作品全体が完成するように感じました。読み終えた瞬間の、いや、すごい……という驚きと余韻が忘れられません。577ページという長さを感じさせないほど夢中で読み進められ、最後まで読んだからこその面白さを味わえる作品でした。

    0
    2026年09月29日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    一周読んで、解説に目を通して、もう一度始めの現代パートを読み返す。すると冒頭数ページが全く違う印象になる。こういう小説に出会うために紙の本を読んでいるのかもしれない。。

    最初と最後が現代パート、全体の9割以上が小説イン小説の内容で、ナチス体制崩壊間近のドイツのある村が舞台。
    エーデルヴァイス海賊団、ヒトラーユーゲント、強制労働施設など、実在した設定をもとに巧妙なフィクションを織り混ぜ、スタンドバイミー的冒険譚を加えたストーリー。
    負の歴史を扱った暗いテーマではあるのだが、青春群像劇でもあり、過酷な環境で精一杯生きる少年少女の姿に励まされる。
    同時に歴史とは何かを考えさせ、見て見ぬ振りすることの罪深さを意識させられる。

    「ホロコーストはガス室から始まったのではなく、少数者に対するヘイトスピーチから始まった」という解説中のフレーズが記憶に残る。

    0
    2026年09月28日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    舞台はナチス下のドイツだけど、現代的なテーマだなと思った。今も昔も多様な人がいて、勝手に他人のことをわかった気になるなというメッセージを感じた。

    スタンド・バイ・ミーのような青春冒険譚で、線路の先に何があるのかを探しに行く徒歩の旅はワクワクした。後半の冒険の目的が四者四様で、特にヴェルナーの「生きたいように生きるには、強制収容所の存在が不快である」という、正義感や綺麗事じゃない素直な行動の動機がとても良かった。ドクトルの言う爆弾の例えも良かった。彼だけは例えではなく爆弾そのものだったけど…。

    読み終えた後に冒頭の現代パートを読み返すと、最初に読んだ時と思ったことが全然違うことに驚いた。人はだれも悪者になりたくないし、都合の悪い歴史は伝わりづらいものなんだな、とレオやドクトルを想って悲しくなった。

    戦前も戦後もいい人であり続けるホルンガッハー先生は、安全圏から見ると嫌な人にも見えてしまうけど、同じような状況だったらどうするのかを想像すると安易に責めるのは違うとも思う。
    自分がどう生きるべきか、どう生きたいのか、自分できちんと指針を持てるようになりたいと思った。

    0
    2026年09月28日
  • その犬をください

    Posted by ブクログ

    「犬は人間の友なのだろうか。それはわからないけれど、人間は犬の友であらねばならない。そして、私はリッキーの友であり続ける!」
    読みやすく、人間と犬の関わりを通して、人間の思い込みや第一印象の浅はかさを浮き彫りにした短編連作だった。
    ペットを飼ったことのない私でも犬が欲しくなったし、ペットを家族と呼ぶ気持ちが少し分かったような気がする。
    特によかったのは最初の短編。主人公が自分は犬のことを分かっていると思っていたところから、少しずつ自分の認識の間違いに気づいていく。そのたびに読者側の見方も修正されていく。こういう「最初に持っていた人物や物事への印象が、情報が増えるにつれて崩れていく」手法自体は決して新しいものではない。それでも非常によく効いていた。
    二話目以降も、犬と人間の別の矛盾を見せながら、「分かったつもりになる人間」の危うさを描いていく。犬種、飼い方、自然保護など、自分の正しさを疑わない人間の姿が次々に出てくる。一部の自然環境活動家のような、理念を優先して現実の動物を見なくなる態度を殴り返すようなところには痛快さもあった。
    そして、読み進めていくと、この連作の中心にはやはり「戦争」があることも見えてくる。
    犬の歴史を描いているようで、人間が犬をどのように飼い、利用し、分類し、ときには切り捨ててきたのか。その変化の背景には、その時代の社会や国家、そして戦争がある。犬を通して近代から戦争へ向かっていく人間社会を見る構成になっていて、結局この人は犬を書きながら戦争を書いているのだと思う。
    そこはやはり逢坂冬馬だと思った。犬との温かい交流だけに逃げず、その背後にある歴史や戦争まで持ってくる。
    そして最終話では、黒人と日本人のハーフであるエディを登場させる。
    ここで、犬に向けられていた「見た目や属性だけで相手を判断する愚かさ」が、人間同士の問題にまで広がっていく。過去の犬と人間の関係、戦争まで描いてきた前三篇を、現在の人間社会へつなげる狙いなのだろう。
    この構成自体は分かるし、最終話も印象に残らなかったわけではない。
    ただ、どうにも安っぽく感じた。
    前三篇では、犬を見る人間の姿を通して、読者自身が「自分も思い込んでいたのでは」と気づかされる。その間接的なところがよかった。ところが最終話では、現代、差別、そしてエディという要素が前面に出てきて、「犬についてやってきた話を人間にも当てはめます」という作者の意図が急に見えすぎるように感じた。
    テーマとしては間違っていない。だが、物語が弱く感じてしまった。
    最初の短編があまりによかったせいもあると思う。最初の一篇だけで、「人間は勝手に分かったつもりになる」というテーマがかなり強く提示されている。その後も別の角度から同じ問題を描いていくのだが、最初の衝撃を更新するほどの一撃は最後まで来なかった。
    もう一つ気になったのが、短編連作としてのつながり方。
    前作『ブレイクショットの軌跡』でも感じたが、人物や出来事がつながっていること自体は分かる。ただ、「つながっていた」と分かることと、「この短編がここにあったから後の短編の意味まで変わった」と感じることは別だと思う。
    今回は前作より自然になったと感じたが、それでもかなり恣意的にも見える。
    犬の歴史、人間の思い込み、戦争、そして現代の差別へと一本につながっていく構成はよくできている。だが、あまりにもすべてが最終的なテーマへ向かうように配置されているため、「この人物がここにいたから自然につながった」というより、「ここにつなげるためにこの人物と出来事を置いた」という作者の手つきが見えてしまう瞬間があった。
    戦争を中心に据えるために、それぞれの短編がそこへ集められていく。その設計の巧さには感心する一方で、設計図まで透けて見えてしまう感じがする。
    もっと伏線回収でゾワッとするのか、構成そのものでもっと驚かせるのか。そこは分からないが、連作であること自体がもっと物語の力になってほしかった。
    とはいえ、この本を単なる「犬っていいよね」というハートフルな小説で終わらせなかったのは、さすがだと思う。ほんとに唯一無二、スペシャルワンな作家だと思う。
    犬と人間の温かい関係を描きながら、その裏にある支配、利用、善意の暴走、偏見、そして戦争までしっかり入れてくる。犬を好きになる話であると同時に、人間の愚かさまで見せてくる。その嫌な部分を切り落とさなかったからこそ、ただ優しいだけの犬小説にはならず、非常に重厚な小説になっていると思う。
    私は逢坂冬馬の大ファンで、サイン会にも行くくらい好きだし、直木賞を取ってほしいと願っている。それだけに要求も高くなってしまう。
    今回、伝えたいことが分からなかったわけではない。
    犬を通して、人間の思い込み、善意、偏見、そして「分かったつもりになること」の危うさを描き、そのさらに奥には戦争という大きな問題を置いた小説だったと思う。
    ただ、それを最後まで強烈な物語として残し切ったかと言われると、少し物足りなかった。構成が緻密だからこそ、逆に作者の意図が見えすぎてしまったところもある。
    それでも、犬を飼ったことのない人間に「犬が欲しい」と思わせ、しかもそこで終わらず、人間の嫌な部分や戦争まで見せてきた。
    その点は、同じ人間なのかと思うくらいずば抜けているというか何というか。超人すぎて、としか言い表せない。
    いろいろモヤモヤしたところもあったが、読めてよかったと思った。

    0
    2026年09月27日

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