グレゴリー・ケズナジャットの作品一覧

「グレゴリー・ケズナジャット」の「言葉のトランジット」「開墾地」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • トラジェクトリー
    3.9
    1巻1,900円 (税込)
    第173回芥川賞候補作 英会話教師として日本で就職したブランドンは、アポロ11号の月面着陸計画の記録を教材に、熟年の生徒・カワムラとレッスンを続ける。 やがて、2人のあいだに不思議な交流が生まれていく。 日本に逃げたアメリカ人と、かつてアメリカに憧れた日本人。 2人の人生の軌道<トラジェクトリー>がすれ違う時、何かが起きる―― アメリカ出身の作家が端正な日本語で描く、新世代の「越境文学」 ニューオーリンズにフォークナーと小泉八雲の残影を見る珠玉の短編「汽水」併録
  • 言葉のトランジット
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    言葉と世界は、再発見に満ちている。 旅に出かけ、見えてきた景色。 2つのレンズを使って英語と日本語の間を行き来する、芥川賞候補作家の初エッセイ集。 +*+*+*+*+*+*+*+*+* 英語を母語としながら、日本語で創作する著者だからこそ見えてくる24の景色 「俺を使わない僕」・・・相手との距離で変わる日本語の〈一人称〉の不思議とは? 「轍」・・・英語と日本語の相互作用が創作に与える影響とは? 「言葉の出島」・・・日本にいながら英語を期待されるプレッシャーとは? 「マイジャパン症候群」・・・日本在住の英語話者コミュニティー独特の症状とは? 「Because Plants Die」・・・この英語、ちょっとおかしい? 言葉が持つニュアンスとは?  and more…
  • 鴨川ランナー
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    日本という異国に住まいながら、日本人と外国人の間をさまよう人々を巧みな心理描写と独特の文体で描いた短篇2本。 「鴨川ランナー」第二回京都文学賞受賞作。選考委員の満場一致で選出された。日本から京都に仕事に来た西洋人の日常や周囲の扱い方に対する違和感を、「君」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。 「異音」・・・福井の英会話教室を突如やめる羽目になった外国人の主人公は同僚の紹介で結婚式の神父役のバイトを始める。
  • 開墾地
    3.7
    1巻1,353円 (税込)
    何かを追いかけているのか、 それとも何かから逃げているのか。 父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語 父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する 留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。 葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽―― 青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。 デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、 京都文学賞を受賞。 越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。

ユーザーレビュー

  • 言葉のトランジット

    Posted by ブクログ

    いろいろな言語を操ることができる方には尊敬しかない。
    畏敬といっても良い。
    況して話すだけでなく、
    考えたことをまとめ、
    文章として出版するとなると、
    もう異次元で意味が分からない。

    言葉は(少しの物騒さを気にしなければ)
    ココロを切り分けるナイフのようなものだと思う。
    情報のやりとりだけなら他言語でもたぶん問題ない。
    だけれど、自分は、自分のココロを日本語以外の言語で
    分けられる気がしない。
    なんなら関東弁でも難しい。

    そんな他言語による心象風景の再構築のようなところも
    言語化されて覗くことができるエッセイ集です。

    0
    2025年11月07日
  • トラジェクトリー

    Posted by ブクログ

    表題作。面白いと思ったのは、悪役だったり鼻つまみ者的な扱いをされがちな中高年男性カワムラさんが、その内面に何かを秘めた人間としてミステリアスな性格付けをされ、主人公の英会話講師と対になる存在として描かれているところ。二人がレッスンでなぞるアポロ11号の挿話も、月という目標へ向け放たれた軌道上で営まれる宇宙飛行士たちの何気ない日常会話に、登場人物の諦めと希望がないまぜになった感情が重ねられる。
    故郷に根を張るでもグローバルに飛翔するでもなく、たまたま今ある場所に宙づりにされているような主人公の寂寥感が伝わってくる。


    0
    2025年10月15日
  • トラジェクトリー

    Posted by ブクログ

    日本で働いている白人男性の物語。表題作は英語学校のネイティブ講師、もう一編の『汽水』は日本の大学の職員が主人公です。両方とも大きな展開もなく、淡々とした内容です。

    どちらも外国人が日本で就職して働く違和感といったものを取り上げています。日本人から見ればマイノリティを取り扱っていると思うのですが、なんか違った感じかしました。うーん、上位者からみた孤独感といった感じでしょうか。

    ただの中年男性の悩みが書かれていようでもあり、なんか視点が違う、なんとも複雑な読書体験でした。

    0
    2025年10月14日
  • 鴨川ランナー

    Posted by ブクログ

    新感覚の小説だった。
    外部の人間が既存のコミュニティに馴染もうとする際の、「歓迎はしているけど、あくまで貴方は外の人間だよ」という圧をここまで正確に表現できるものかと驚いた。

    0
    2025年10月13日
  • 言葉のトランジット

    Posted by ブクログ

    言葉は普段使うことを深く意識し過ぎないけど、環境が変わったり、言語が変わる時初めて改めて意識する。ツールでもあるけど、それ以上に思考そのものでもある。
    言葉のことを考える時に使うのは結局言葉。言葉の場所も含めて言葉。

    0
    2025年10月02日

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