グレゴリー・ケズナジャットの作品一覧
「グレゴリー・ケズナジャット」の「言葉のトランジット」「開墾地」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
前半の鴨川ランナーと後半の異言、
きみとぼくで対照的だった。
鴨川ランナーが好きだった。文章が綺麗で、読んでいると涙が出てきた。大学時代を京都で過ごしたということもあり、情景が全て想像することができ、想像の中でも京都は本当に美しい街でキラキラしていた。
「きみ」の知らない言語の中でその国の人は毎日を過ごし無関係に動いているのを想像している京都への憧れと、最後は京都に飽きてしまっていた対比が印象的だった。どこまでいっても日本人にはなれない歯痒さや、自分がいるせいで純粋な日本語が聞けないという葛藤を描いていた。
心にぶわっとくるようなそんなお話しだった。
Posted by ブクログ
これがまた面白くて! 「きみ」と二人称で書く小説は珍しい。日本に住むアメリカ人の暮らし、感じること…あぁこんなふうなんだ、と。わたしにとって国際交流イベントで出会う「アメリカ人」、あるいは英会話学校で出会う「ネイティブの先生」はこんな感じなんだ、と。
p39 ーーおはようございます。
ときみは挨拶してみる。
目を大きく見開いたおばあさんは、何かを警戒しているかのように、ただじっとこちらを見る。
地元で日本語を勉強していたときに予想できなかったのはこの視線だ。
p50 こうして彼らを見ていると、なんだか滑稽な気持ちになる。その多くは教員だろう。同類のきみには分かる。今しがた海外からの直行便を降りてきたようなコスモポリタンな雰囲気をここで繕おうとしている者の大半は月曜日の朝となるとどこかの田舎の学校の教室で低学年の小学生に向かって天気だの曜日だの、初級の英単語をいやに陽気な声で歌っているだろう。それはきみを含めての話だが。きみたちが抱いている欲望はあまりにも赤裸々だ。全員が少しでも人間との接点を求めていて、その欲望はまた何らかの欠如を示唆している。自分もその一人だと思うときみはなんだか恥ずかしくなる。