千々和泰明の作品一覧
「千々和泰明」の「石橋湛山との対話―「危機の時代」を歴史洞察する」「国防のリアル」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
戦争がどの様な形で終結されるのか、その方向づけの決定を左右する要因の研究が本書の主題である。
戦争終結の形の一つは「紛争要因の根本的な解決」を目指すものであり、もう一つは「妥協的和平」で終わらせようとする2パターンであり、どちらに傾いていくかは「現在の犠牲」と「将来の危険」の懸念の度合いが大きな決定要因となる。第一次世界大戦、第二次世界大戦、アフガニスタン戦争、イラク戦争は「根本的解決」が重視されて終結を迎えた事例であり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争は「妥協的和平」による終結がなされた事例である。
現在、日本を取り巻く安全保障環境は厳しい状況を迎えている。平和憲法の規定により、交戦権のない専守防衛に徹する事を原則とする日本が戦争回避に全力を注ぐことは当然である。しかし、万が一、戦争状態に突入する様な事態となった場合の事をも想定して、歴史における戦争終結事例の研究から大いに学ぶべきである。過去の戦争の出口戦略を知り、常に頭の体操を怠ることなく学んでいく事が重要であろう。
Posted by ブクログ
誰が、ってタイトルだけど、
著者は「誰」には着目していない。何が、だ。
それに、「聖断」とあるけど、昭和天皇にも着目してない。
陛下が聖断を下したのは自明のことで、
それより、陛下が何をもって降伏せざるを得ないと判断したか、
それを問うている新書だ。
まずアメリカはなぜ広島、長崎に核を使ったのかその目的から入っている。
日本を降伏させるために最小のコストで済ませるコスト最小仮説か、
ソ連に対する威嚇すなわち核外交説か。
著者はコスト最小仮説をとり、外交説は無理がある、とはしている。
実際は両面あったのだろうけど。
さらに日本がなぜ降伏を受け入れたか。
こちらはソ連要因説と、核要因説。
陛下の聖断の経緯から、核要因ではない、としている。
敗色濃厚となった日本は、少しでも有利に配線できるよう、
ソ連に仲介を依頼していた。
その回答がきたのが8月9日で、
そこでソ連参戦を知り、日本は無条件降伏、ポツダム宣言を
受け入れざるを得なくなった。と。
そもそもなぜこのように過去の歴史を分析しているか。
戦争終結論 という政治学の一研究分野なのだそうだ。
その目的は、まさに今世界で起こっている戦争、紛争を
いかに終わらせるか。
もっと言えば始めさせないか。
ウクライナは核を放棄した故にロシアに攻められた、、
ならず者がいると秩序は壊れる。
それが結局誰も得をしない軍拡につながってしまう、、、
軍拡の費用を平和利用できれば多くの人が貧困から逃れ、
豊かになれるのに。
学問、研究は必要だ。
●第1章:戦後日米は二発の核兵器使用をどう捉えてきたか
●第2章:米国はいかにして核兵器の使用に突き進んだのか
●第3章:核外交かコスト最小化か
●第4章:日本はいかにして降伏を受け入れたのか
●第5章:核要因かソ連要因か
●第6章:「妥協的和平」より「根本的解決」を選んだ米国
●終 章:忍び寄る現代の核の危機