佐藤厚志の作品一覧
「佐藤厚志」の「荒地の家族(新潮文庫)」「ジャスティス・マン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「佐藤厚志」の「荒地の家族(新潮文庫)」「ジャスティス・マン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
佐藤厚志『荒地の家族』新潮文庫。
第168回芥川賞受賞作。
様々な形の別れや喪失を淡々と描きながら、読者に生きることの意味を問いかけるような生々しい小説だった。
自分の経験からすれば、死別よりも生き別れの方が悲しみと苦しみが深いように思う。本作の主人公である坂井祐治が会わせてもらえないことが解っているのに、何度も元妻の職場を訪ねて行くことも理解出来る。自分にもそういうことがあった。
また、この歳になってみると、自ら生命を断つことが如何に卑怯で家族や知人にどれほど迷惑を掛けるかよく解る。数年前に風の噂で、以前勤めていた会社で同じように出世を重ねていた同期が自殺したと聞いたが、不思議と心が