佐藤厚志のレビュー一覧
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苦手な芥川賞だけれど、挫けずに読むことができた。
全体を通して漂う、震災の重い空気。直向きに愚直に生きているのに、うまくいかない重さ。どんなに求めてもお互いを分かり合えず破綻してしまった夫婦の重さ。震災で家族を失って狂ってしまった人生の苦しみに堕ちた友。
最後は、ほんの少しの光が…?Posted by ブクログ -
気持ちが明るくなるような本ではないからあまり好きではないけど、わかる。私もそんな感じだよ。
表には出さなくても。説明しにくいけど、同じ感覚の人、結構いるんじゃないかな。Posted by ブクログ -
『災厄』という表現が妙に最後まで気になり、あの震災は途轍もない数の人生を狂わせたのだと文章から強く荒々しく伝わりました。10年が過ぎ記憶が薄れて行く中、著者が書き記したかったものが地中に根を張るように重厚に表現されていて読み応えがありました。Posted by ブクログ
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リアリティ溢れる筆致。自分とは全く違う境遇、性別、体質なのに、ページを捲る手を止められなかった。個人的には芥川賞受賞作よりこっちの方が好き。だから読書は止められない。Posted by ブクログ