佐藤厚志のレビュー一覧

  • 象の皮膚

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    人間が嫌いになる。
    酷い親と先生に怒りが沸く。
    お客さまに、人間の怖さをみる。
    それなのに誰か凛を助けてほしいと願いながら読んでしまう。
     

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    2023年08月30日
  • 象の皮膚

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    『荒地の家族』で興味をもってこちらも。
    アトピー性皮膚炎に苦しみ続ける女性。
    書店員というモチーフはやはりこの著者ならでは。
    持病に苦しみながらも、数々のトラウマを抱えながらも健気に生きる主人公と、それに対しあくまで無理解、抑圧的に接し続ける家族の姿に最後までつらさがあった。
    なぜああまで冷酷なのか。
    小説に「答え合わせ」は必ずしも必要ではないと思うけど、これは腑に落ちなさ過ぎた。

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    2023年05月03日
  • 象の皮膚

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    リアリティ溢れる筆致。自分とは全く違う境遇、性別、体質なのに、ページを捲る手を止められなかった。個人的には芥川賞受賞作よりこっちの方が好き。だから読書は止められない。

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    2023年03月03日
  • 象の皮膚

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    生まれつきの重度のアトピー性皮膚炎で幼い頃から家族にも同級生にも教師にも疎まれ、そんな周りの人のことも疎んでいる主人公の五十嵐凛。
    大人になって、書店で契約社員として働き、日々同僚や上司との人間関係や困った客を相手に過ごしている。その最中に東日本大地震が起きる。店の片付けをする中で、あるいは営業を再開する中で垣間見える人間の本性。
    まだライフラインも復旧しない中で営業を再開した書店に押しよせ、「なぜ新刊が手に入らないんだ!」と怒号を浴びせる客、「なぜこんな時に営業を再開するんだ!」というクレーム、チャリティーで訪れる歌手の対応に苦しむ書店員たちの姿に悲しみや諦め、憤りを感じるけれどこれがリアル

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    2022年01月29日
  • 象の皮膚

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    淡々とした語りでリアル。圧倒的な救いではなく、ほんの少しだけ何かを解放したような終わり方がいいと思った。ものすごくいい人もものすごく悪い人もいない。でも皆んなちょっとずつ狂っている感じ。きっと現実ってこんなもん。

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    2021年10月16日
  • 象の皮膚

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    人にされて嫌だったことをしてしまうかもしれない。
    人にされて嬉しかったことをできないかもしれない。
    人の振り見て我が振り直せないかもしれない。
    それでも、
    めんどくさい人に負けず、
    体の痒みにも負けず、
    災害にも負けず、
    どうにかこうにかもがいて生きてる。

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    2021年07月09日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    芥川賞のわりに(?)それほど尖ったところがない。読者は物語の中でいくつもの死に遭遇するが、そのすべてが震災に直接結びつくわけではなく、震災はあくまでも背景として抑制的に描かれるのみである。
    死を待つ行列に並ぶ一人である、との主人公の述懐に象徴されるように、生も死も一つの偶然であり、その無意味さが故に残されたものは自責を苦しみ抜く。
    季節や草木、海といった風土や自然、そこに根を張ってきた老人たち、やがてはそこに溶け込んでいくであろう主人公とその肉体が事実そこにあるものとして素朴に淡々と描かれ、巨大な防潮堤や重機で均された何もない空地との対照が死と生を区切る壁と重ねられているように感じた。

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    2026年06月20日
  • 常盤団地の魔人

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    ネタバレ

    何の予備知識もなく「団地に魔神とはこれ如何に!?」と読み始める

    勝手にミステリーを想像していたが、
    少年の日常と少しずつ変わる心の変化が描かれた物語だったので魔神の正体も期待していたものとは少し違っていた
    勝手に騙されて勝手に期待を外した

    庭師は何かのメタファーなのかな
    団地のピンチにどこからともなく現れて
    悪者を成敗して消えていく
    ここだけ妙にフィクション味があり
    団地のディストピア感を際立たせていて印象的だった
    ヒーローのようであり、ふれてはいけない危ない存在のようでもあった

    親から暴力がなにごとも無く当たり前の日常のように描かれていることが少し悲しかった

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    2026年06月10日
  • 象の皮膚

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    周囲から疎まれる気が狂うような痒み。
    首に手をかけられる。
    散らばる本。
    暴徒と化した客と自分。
    ジーンズが無い恐怖。

    臨場感溢れ過ぎて、息が詰まった。

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    2026年05月29日
  • ジャスティス・マン

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    自分こそ正義!と思い込み,パワハラ、カスハラ,セクハラを繰り返す男が主人公。行き過ぎた正義感(独りよがり)を面白おかしくを揶揄するコメディタッチの小説かと思いきや、被害妄想も合わさって、かなり怖いお話だった。世界を正す行動の果ての末路が悲惨で、最後はちょっと気分が悪くなり、飛ばし読み。。ただ、思い込みを笑えない、こういう世界もあるかもと思った。

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    2026年04月28日
  • ジャスティス・マン

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    正しくないことが許せない、仕事に誇りを持っているホテルマン、大山茂(推定48歳)。従業員への、無自覚のパワハラ、セクハラ、客に対する毅然とし過ぎた対応。自己認識と、現実の乖離が、見ていてひやひやする。というか、完全にヤバい人。支配人には認められているようで、まったく認められておらず、妻はパチンコ狂いで、夫に対して口もきかなければ、何の反応も示さない。行きつけの書店でのカスハラ行為に、げんなりするものの、世間が自分を理解してくれていないと、完全に思い込んで、あくまで己の正義を肯定、貫き通そうとするこの男が、どんどん気の毒になる。そして自滅。

    世間に眉を潜められ、疎まれても、こんな生き方をする人

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    2026年03月10日
  • ジャスティス・マン

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    セクハラ、パワハラを正当化する議員の頭ん中ってこんな感じなのかな?って思いながら、前半読んでたら、後半訳が分からなくなった。

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    2026年02月28日
  • 常盤団地の魔人

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    常盤団地に住む蓮君のお話でした
    常盤団地やその周辺での出来事を語っていました
    その中で蓮君曰く魔人を目撃するのですが・・・
    魔人とはいったい何なのか
    それほど長くはない物語でした

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    2026年01月14日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    閉塞感。雨が降りそうで降らない暗い空。空気が重い。
    未来が見えないまま毎日がただ続いている。
    防潮堤が出来て、お店が再開されて、戻って来た人もいる。それでも暗い空のまま進んで行く。
    読んでいた自分の周りの空気も一段重くなった気がした。

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    2025年12月31日
  • ジャスティス・マン

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    【読んでいる途中の感想】
    気持ち悪い、やってることがセクハラで、嫌がられてるのにやってあげてると本気で思っている
    【読み終わってからの感想】
    最後は予想通りのバッドエンドだが、まあなんというか後味は悪いし、気持ち悪い
    でもこれは当たり前だけど絶対に正義ではないことだけは分かる

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    2025年12月25日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    佐藤厚志、初読み。
    『芥川賞』受賞作品。

    40歳の植木職人・祐治。東日本大震災で仕事道具を失い、その2年後、妻・晴海を病気で亡くす。再婚し、妻・知加子との間に子どもを授かるも、生きて産まれてくることはなかった…そして、知加子は、祐治と啓太のもとを去る。
    幼馴染・明夫は妻と娘を震災で亡くし、みずからはがんを患っていた…

    元の生活に戻りたい…
    が、戻れない…
    その思いを打ち消すように、身を粉にして、働く祐治。
    同じ時代なのに、なぜだか昭和三十年代のような感じを受ける。
    白黒でしか言い表せないような、薄暗い世界が広がっている。
    そんな中、息子・啓太のために懸命に働く祐治。思春期を迎えた啓太との関

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    2025年11月23日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    東日本大震災の津波によって自分を見つめ直してる男の回想記、過去と今を行き戻りながら進んでく。失うものが多いほど悲哀も大きくなるのかしら。失う可能性があるものを積み重ねてく方が喜びも大きくなるのだろうか。
    リアリティのある小説には特殊な性癖の人を特殊と感じさせずに紛れ込ませてる気がする(今回は噛みグセのある元嫁)。そもそも特殊と思う人はほんとは特殊じゃないくらい居て、その事実を違和無く表現できてるからリアリティがあるのかな。
    何も成し遂げられない人間の悲哀と少しでも何かを残せた人の対比が悲しかった。

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    2025年11月09日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    東日本大震災を経験した主人公のフラッシュバック、震災時の様子、その後の生活再建など·····天災だとは言え、苦悩が数多くあることに驚き、そこから立ち上がる姿や周りの方達との関わり合いなど読んでいて辛いと感じることもありましたがそういう実態を知れたと思う。
    今もあちこちで天災があり平和な日本といえども住む所を失った人達が毎年、いらっしゃるのを心苦しく思う。

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    2025年10月14日
  • 常盤団地の魔人

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    芥川賞の佐藤厚志さん。荒野の荒地は静かながらも生活の中に悲しさを感じた。この作品は、悪ガキどもの事件簿のような。昭和を思い出す。
    最後までモヤモヤ。魔神は自分で、何の象徴か。

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    2025年09月26日
  • 荒地の家族(新潮文庫)

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    隣県のしかも現役書店員という もう読んでみたいしかない。さらわれた街の再生と新しい風景と、海から人間を守るのではなく人間から海を守っている錯覚するとある様に海の景色がガラッと変わる本当にこれでいいのだろうか、が自分も感じるんだが。ギリギリまで肉体を痛め付けて追い込んで、死者に懺悔なのだろうか、何もかも捨てて逃げ出したい気持ちとも戦っている、焚火するおじいさんにも葛藤がある、六郎さんにも。これを読んで救われて欲しいとしか言えないちっぽけな自分が見えた。

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    2025年08月24日