佐藤厚志のレビュー一覧

  • 象の皮膚

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    肌を見られたくない、でもこの苦しみを知って欲しい。五十嵐凜、非正規書店員6年目。アトピーの痒みにも変な客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。そこに起こった東日本大震災。本を求める人々。彼女はそのとき、人間の本性を目撃する。現役書店員が描く、圧倒的リアリティ。


    割と強めのアトピー持ちの五十嵐凛は、仙台の書店に勤める契約社員だ。出てくる客も握手会イベントにくる作家も同僚も家族も、出てくる奴らの大半が糞という設定。抑圧された人生を送ってきた凛が、真夜中の公園で自分を開放するシーンにはジンとくるものがあった。でもジーンズをコソコソと回収する姿を想像したときには笑えた。著者である佐藤厚志

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    2021年10月04日
  • 象の皮膚

    Posted by ブクログ

    幼い頃から重度の皮膚炎に悩まされてきた凛。つらい学生生活を経て、現在は仙台の書店で非正規社員として働いている。そんな彼女の日常をリアルに描いた作品。最低の同僚やカスハラのオンパレードで、読んでいて楽しくはない。そこに震災まで襲いかかり、この子は生きていけるのだろうかと心配したが、意外と図太いのでほっとした。人目から逃れるようにしていた彼女が、深夜の公園で思いがけない行動をするラストは意外性に満ち、一皮むけた今後を予感させてよかった。

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    2021年08月16日