作品一覧

  • 「逆張り」の研究
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    新聞記者に「逆張り」認定された批評家が戸惑いつつも「逆張り」という現象を考える。「批評」ではなく「運動」や「現場」、「おじさん」ではなく「女性」や「若者」、「傍観者」ではなく「当事者」が称揚され、「逆」が嫌われた(あるいは反動的に好まれた)2010年代とは何だったのか? 「注意経済」「相対主義と絶対主義」「冷笑(シニシズム)」「ポピュリズム」「差異化ゲーム」などのキーワードを軸に、SNSの隆盛とともに社会が大きく変化していった時代を振り返る。
  • みんな政治でバカになる
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    バカ(認知バイアス)とバカ(政治的無知)の「バカの二乗」によってこんな世界ができあがった。私もあなたもみんなバカなら、いったいどうすればいいのか? ──橘玲 怒りは必要だが、それだけでは誤る。本書はいま、「理性」のありかを問う。 ──千葉雅也 分断・ヘイト・陰謀論が絶えないのはなぜか? 進化心理学、認知科学から導かれる、道徳感情をめぐる考察。 トランプ当選をいまだに信じるひとに、Qアノン信者。世界を操るのはディープステートで、コロナワクチンにはマイクロチップが……。なぜかくもフェイクニュースや陰謀論が後を絶たないのか? それは私たちが「バカ」だから! 人間の脳内には「直観システム」と「推論システム」という異なる認知システムがある。この認知科学の「二重過程理論」をもとに、今世界で起きている政治的な分断と対立と混乱の図式を描き出す。我々が囚われている「バカの連鎖」から抜け出すにはどうしたらよいのか? 最新の進化心理学、認知科学の知見に基づいてその脱出口を探る長編評論。新しい人間像を構築せよ! 本書のタイトルは「みんな政治でバカになる」である。「バカなんて許せない!」とイラッとした人も多いかもしれない。しかし、ちょっと待って欲しい。本は読まれなければ、意味がない。人間は「理性」よりもまず「感情」が反応することがわかっている。「バカ」という乱暴な物言いで、あなたの「道徳感情」に訴えかけて、本書を手に取ってもらったわけである。(……)私たちは人間本性上バカな言動をとってしまう。くわえて、ほとんどの人が政治について無知=バカである。いわば、「人間本性による」バカ(認知バイアス)と「環境による」バカ(政治的無知)とがかけ合わさった「バカの二乗」である。これがフェイクニュースや陰謀論が後を絶たない理由である。(「はじめに」より) 第1章・大衆は直観や感情で反応する 第2章・幸福をあたえる管理監視社会 第3章・よき市民の討議はすでに腐敗している 第4章・ポピュリズムは道徳感情を動員する 第5章・もはや勉強しない亜インテリ 第6章・部族から自由になるために
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。
    4.1
    1巻1,936円 (税込)
    セクハラや差別が後をたたないのは、「差別はいけない」と叫ぶだけでは、解決できない問題がその背景にあるからだろう。反発・反感を手がかりにして、差別が生じる政治的・経済的・社会的な背景に迫る。「週刊読書人」論壇時評で注目の、気鋭のデビュー作。

ユーザーレビュー

  • 「逆張り」の研究

    Posted by ブクログ

    政治系の話かな?とおもって少し読むのを躊躇っていたんだけど、著者が自分の過去について語り出したあたりからスラスラ読めた。馴染みのない単語も調べながら読んだので頭には入ってる…はず!
    今までネットで散見してた冷笑主義や逆張りおじさんについて改めて考え直させられる一冊だった。ネットって匿名性が高いからどうしても強い言葉が出がちだし、それに嫌な思いをすることも多かったけど、そういった批判や誹謗中傷をする人の背景について向き合うことで、その嫌な思いが少し軽減されるのかな〜って感じた。自分の心を守るためにも読んで損はないかも。

    0
    2025年01月31日
  • 「逆張り」の研究

    Posted by ブクログ


    物事を敢えて違う角度で見る癖をつけることがいかに大切か…

    なんて本では全く無く、相対主義と絶対主義、リベラルとアンチリベラル、シンパシーとエンパシー、メタとベタなど飛び交う言葉はまるで哲学の韻踏合組合

    二極化、分断を産むSNSにおける逆張り(少数派)側の生態をタイトルどおり研究した一冊

    自分もひねくれ者で自称隠れコミュ症なので著者のアンチ側への歪んだ愛情が共感出来てなんとも愛おしい

    0
    2023年12月30日
  • 「逆張り」の研究

    Posted by ブクログ

    タイトルを見た時は「逆張り批判」の本かと思ったが、「逆張りする人」と「『逆張り』だとレッテルを貼る人」の立場を両方分解していて、解像度が高かった。
    著者がまだ35歳と若く、SNSの動向に精通していたため、強い実感をもち議論を受け入れることができた。
    逆張り≒逆張り冷笑おじさん→冷笑→笑い、という流れで、笑いとリベラルの相性の悪さが論じられていて、「『笑い』は(笑われている)他者と自分を切り離さないと成立しないものであるから、弱者と寄り添うリベラルと相性が悪い」という主張はストンと腹に落ちた。
    (茶化しの笑いと自然に出る笑いは少し毛色が違うという気はする)

    0
    2023年08月12日
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    最初は理解が追いつかないところがあったけれど、自分も意外と凝り固まった考え方をしていることに気がつかされた。

    0
    2022年10月15日
  • みんな政治でバカになる

    Posted by ブクログ

    とても面白い。
    認知のバイアスも克服して、市民にならなければならないと思っていだけれども、それは時代遅れだったことを知らなかった。
    でも、どうすればいいのかはわからない。ディストピアな印象が残った。

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    2022年05月02日

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