作品一覧

  • Dear
    5.0
    1巻1,300円 (税込)
    【本文より抜粋】「だれにも言わないで」と彼女は囁いた。僕は頷く。ぞくりと、首筋に鳥肌が立った。どうしようもなく好きな人が、どうしようもなく好きなだれかの話をしようとしている。聞きたいのに聞きたくなくて、聞きたくないのに聞きたい。詩織さんはゆっくりと、やがて溢れたように話し始めた。【あらすじ】昔から人混みが苦手で、団体行動も駄目。誰に対しても無関心――。一見冷徹にも見える浅井静が、唯一気になる人物。それが、遠野詩織だった。同じ大学の先輩であり、古書店兼雑貨屋の『時計泥棒』でアルバイト仲間でもある詩織は、いつも物憂げな様子で儚い微笑みを浮かべ、何かあるたびに右指の薬指にはめた指輪に触れていた。ある夜、詩織に想いを伝えた静は、予期せず、その指輪にまつわる詩織の過去を知ることになる――。

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  • 眠れない夜にみる夢は
    4.6
    1巻880円 (税込)
    三人は同じ日に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。せつなかったり、さびしかったり、困ったりしている愛すべき人たちが、右往左往しながら新しい関係を築いてゆく珠玉の六編を収録する。新作を発表するごとに注目度が高まる俊英による、軽やかでメランコリックな作品集。/【目次】なにも傷つけないように、おやすみ/明日世界は終わらない/不自由な大人たち/家族の事情/砂が落ちきる/単行本版あとがき/【文庫版ボーナス・トラック】そしてゆっくりと眠る
  • 英国幻視の少年たち ファンタズニック
    4.3
    日本人の大学生皆川海(カイ)は、イギリスに留学し、ウィッツバリーという街に住む叔母の家に居候している。 死んだ人の霊が見える目を持つカイはそこで妖精に遭遇。 英国特別幻想取締報告局の一員であるランスという青年と知り合う。 大学の構内で頻繁に貧血で倒れているランスをかまううちに、カイは次第に、幻想事件“ファンタズニック”に巻き込まれていく──。 英国の雰囲気豊かに描かれる学園ファンタジー第1巻!
  • ふたりの窓の外
    4.2
    1巻1,699円 (税込)
    自分を裏切った恋人ともうすぐ旅行に出かけるはずだった女、その恋人の代わりに旅に同行することを申し出た男。なぜか承諾してしまった女は、それまで見ず知らずだった男と春の宿で一夜を過ごすことになる――。春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、そして冬の宿。火葬場での出会い以来、それぞれの季節に一度ずつしか会うことのなかったふたりの一年を四章仕立てで描いた、絵画のような恋愛小説。『眠れない夜にみる夢は』の著者の新境地的傑作。/【目次】1 花を摘まない/2 流れる浮雲/3 雨は道連れ/4 最初に触れる雪
  • この夏のこともどうせ忘れる
    4.1
    1巻704円 (税込)
    高校三年、受験生の圭人は塾の夏季合宿に参加し、学校で同じクラスの香乃と同室になる。苦手なグループにいる相手を窮屈に感じていたが、眠れない夜を過ごすうち、圭人は香乃にある秘密を知られてしまう――「空と窒息」など書き下ろし5編。 夏休みという長い非日常、いつもと違う場所で出会い、交流する二人。暑さに眩む視界と思考の中で、変わっていく関係を描く。記憶に濃い影を落とすような青春小説。
  • 渇き、海鳴り、僕の楽園
    3.4
    1巻770円 (税込)
    その島には、哀しい秘密があった――。 自分の代わりに「楽園」で働いてほしい――。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく――。 『英国幻視の少年たち』『この夏のこともどうせ忘れる』の著者が、少年の鬱屈した苛立ちとやるせなさを描き切った傑作小説。

ユーザーレビュー

  • 眠れない夜にみる夢は

    Posted by ブクログ

    読み終わるのが惜しいと感じるほど素敵な小説だった。シリアスとユーモアの塩梅がすごく上手で、切ない話なのに重く感じず読後良い余韻が残った。

    特に印象が強かったのは『明日世界は終わらない』
    三角関係なのに、全員が大事な存在で、明るいのに切ない。「あの夜から昨日の夜までの全てが、すっぽり箱に入って自分の真ん中に閉まわれた」という物語の締めくくりの表現が好き。

    『明日世界は終わらない』『砂がおちきる』この2つはタイトルのセンスも逸材だった。

    『深沢仁』という名前から最初は男性作家と思っていたが、作品を読むうちに絶対女性だと思い調べたらビンゴ。

    人物作りが上手くて、表現が繊細で綺麗な深沢仁さんが

    0
    2026年07月11日
  • ふたりの窓の外

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「眠れない夜にみる夢は」が良かったので読んでみたこの本。やっぱりすごく良かった(語彙力)

    婚約者を失った女性、父親を失った男性が火葬場で出会い、女性と婚約者が行こうとしていた旅行にその男がどうこうすることになる。以降二人は季節ごとに4回、小さな旅を重ねることになり…。

    最初、男の方(鳴宮)がちょっとややこしいヤツなのかと思ったし、現実にこんなんいたら若干やっかいなんだろうけど、実は女の方(藤間)がかなりやっかいなようで…。

    基本的に融通の利きなさそうな真面目で目立たないちょっと暗めの女性かと思いきや、しょっちゅう転んで怪我をしたり、変に生真面目なところがあるかと思ったら、そこで?みたいな

    0
    2026年07月01日
  • この夏のこともどうせ忘れる

    Posted by ブクログ

    5篇からなる短編集。
    短編集とわからずに読んだので、1篇(1章と思ってた)読んで「あれ続きは!!?」となったけど、5篇それぞれに思ったのである意味正解の終わり方なんだろうな。
    夏が本格的に始まったらまた読めるかな。

    0
    2026年06月14日
  • ふたりの窓の外

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    季節が進むようにゆっくりと2人が近づいていくのがとても良かった。春と秋は鳴宮さん、夏と冬は藤間さんのターン。お互いの心情が少しずつ読めるのが良い。お幸せに!

    0
    2026年06月07日
  • ふたりの窓の外

    Posted by ブクログ

    一つの季節に一回会う、そんな男女の物語。

    こういう、なんかわからない、説明のし難い関係性、好きなんですよね。
    ほのかにある緊張感と説明のつかない安心感が伝わる。若くはないから勢いではいかない、ところも好感。
    最後の距離の詰め方、とくに鳴宮の、次の約束を僕に下さい、は心奪われました。

    2026.4.18
    60

    0
    2026年04月18日

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