ルイス・ダートネルの作品一覧
「ルイス・ダートネル」の「この身体がつくってきた文明の本質」「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
疫病、人口問題、遺伝的変異、アルコール・カフェイン・薬物、長子相続、認知バイアスなどが及ぼした世界の歴史で終始一貫して長期に見られた傾向の結果や波及効果について探求した本。著者は宇宙生物学が専門だが科学を通して見た歴史書という感じ。特に風土病・感染症の観点からの植民地に関する分析が秀逸。
BEING HUMAN: HOW OUR BIOLOGY SHAPED WORLD HISTORY
【目次】
はじめに
第1章 文明をつくるソフトウェア
第2章 家族
第3章 エンデミック――風土病
第4章 エピデミック――流行病
第5章 人口統計
第6章 気分を変える
第7章 コーディング・エラー
第8章 認知バイアス
おわりに
Posted by ブクログ
人間の身体的な側面(遺伝子、病気に対する抵抗、人口増加・減少の原因、薬物、認知バイアス等々)に焦点を合わせた『銃・病原菌・鉄』とも言うべき著作で、ものすごい説得力がある。『銃・病原菌・鉄』がまだまだ文明というものを脳内の機能が発揮されたものと過大解釈してんじゃねーのという印象を読み手にもたらすというか、世界史の見方を根本的なところから修正する必要あるんじゃという印象を持った。陸地がつながってるあいだにアフリカからユーラシアに出てきたサルの一部が、家畜と農耕とで人口を増やし、病気も増やしたけど免疫も得た。海がまたつながって遮断されたアフリカとアメリカ大陸では、家畜由来の病気とは無縁だった。ヨーロッパ人が南北アメリカ大陸にもたらした天然痘が原住民を根絶やしにしたので、らくらくとアメリカ大陸を征服できた。一方で、アフリカはマラリアと黄熱病によってヨーロッパ人を拒んでいたが、それゆえに現地をヨーロッパ化しようという考え方にならず、象牙と金と奴隷を奪いつづける収奪的な現地支配がすすめられた。19世紀以降、キニーネの生産が追いつくようになって一気に内地にまで征服が及ぶようになった。みたいな「なるほどー」というほかない一連の考察が得られて、めっちゃおもしろい。いや、断片的にはそういうこと知ってたけど、ひとつながりになる面白さがあるでしょー。人類史を俯瞰するストーリーテリングが巧みな、スリリングな1冊。
医学について
・もっとも基本的な感染対策は、手洗いとうがい。
飲料水が排泄物で汚染されないように対応すること。
・腸管感染症に対する治療の基本は、水分補給。
塩大さじ1杯+砂糖大さじ3杯→1リットルの水でかき混ぜる。
・単純な顕微鏡:透明なガラスを温めて引き延ばす→細いひも状にする→熱い炎でこの先端を溶かし、垂れさせる→
ガラスの滴は落ちる間に冷え、球形の極小のガラスビーズに→金属の薄片か、厚紙の真ん中に穴→
この穴に球形のレンズを乗せたものを作る→それを試料の上にかざす。
・難産の時に赤ん坊を取りだす、手術によらない方法:産科鉗子を産道まで差し入れる→
胎児の頭蓋骨をしっかり注意深くつかむ→頭の位置を直すか、静かに赤ん坊を引っ張りだす。
・即席の保育器:シールドビームやヘッドライト、ドアチャイム、小型扇風機、バッテリーで出来る。
・聴診器は、体の内部の音を明らかにする。心拍音の異常や肺の病気(ゼイゼイ、パチパチ、プクプク)、
腸の閉塞部(無音)、胎児のかすかな心音までわかる。
・真空ポンプ+二枚の金属板+高圧電流→電子+エックス線。
エックス線は、体の内部の状況を見せてくれる。使用者は、鉛の衝立の後ろで保護される必要あり。
・人体には、構造上で動物とは重要な相違点がある。
・疾患は、全身に及ぶ問題よりも、特定の臓器の問題によってしばしば起きている。
・鎮痛効果:柳の樹皮、トウガラシ、ミント、ケシ。
・消毒剤、消炎剤:ラベンダー。
・抗マラリア薬:キナの木の樹皮。
・臨床試験を成功させるには、被験者を無作為にグループ分けして偏りを無くすこと、
そしてニ重盲検法を利用すること。
・手術をする際の前提条件:正しい解剖学的知識、無菌状態、麻酔。
・無菌状態:ヨウ素、70%エタノール、高温殺菌した手術室。
・麻酔:笑気ガス、ジエチルエーテル。
・医学の再発展の過程では、秩序だった緻密な研究を省く近道は無いだろう。
人間の苦しみを緩和するためには、動物実験のような望ましくないことも実践しなければならないだろう。
・抗生物質ペニシリン。
・必要な科学を理解していても、大破局後の文明は一定レベルの高度さを再び確保しなければ、
社会一般に影響を及ぼすほど、充分な抗生物質を生産できるようにはならないだろう。