ルイス・ダートネルのレビュー一覧
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疫病、人口問題、遺伝的変異、アルコール・カフェイン・薬物、長子相続、認知バイアスなどが及ぼした世界の歴史で終始一貫して長期に見られた傾向の結果や波及効果について探求した本。著者は宇宙生物学が専門だが科学を通して見た歴史書という感じ。特に風土病・感染症の観点からの植民地に関する分析が秀逸。
BEING HUMAN: HOW OUR BIOLOGY SHAPED WORLD HISTORY
【目次】
はじめに
第1章 文明をつくるソフトウェア
第2章 家族
第3章 エンデミック――風土病
第4章 エピデミック――流行病
第5章 人口統計
第6章 気分を変える
第7章 コーディング・エラー
第8章 -
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人間の身体的な側面(遺伝子、病気に対する抵抗、人口増加・減少の原因、薬物、認知バイアス等々)に焦点を合わせた『銃・病原菌・鉄』とも言うべき著作で、ものすごい説得力がある。『銃・病原菌・鉄』がまだまだ文明というものを脳内の機能が発揮されたものと過大解釈してんじゃねーのという印象を読み手にもたらすというか、世界史の見方を根本的なところから修正する必要あるんじゃという印象を持った。陸地がつながってるあいだにアフリカからユーラシアに出てきたサルの一部が、家畜と農耕とで人口を増やし、病気も増やしたけど免疫も得た。海がまたつながって遮断されたアフリカとアメリカ大陸では、家畜由来の病気とは無縁だった。ヨーロ
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ネタバレ
医学について
・もっとも基本的な感染対策は、手洗いとうがい。
飲料水が排泄物で汚染されないように対応すること。
・腸管感染症に対する治療の基本は、水分補給。
塩大さじ1杯+砂糖大さじ3杯→1リットルの水でかき混ぜる。
・単純な顕微鏡:透明なガラスを温めて引き延ばす→細いひも状にする→熱い炎でこの先端を溶かし、垂れさせる→
ガラスの滴は落ちる間に冷え、球形の極小のガラスビーズに→金属の薄片か、厚紙の真ん中に穴→
この穴に球形のレンズを乗せたものを作る→それを試料の上にかざす。
・難産の時に赤ん坊を取りだす、手術によらない方法:産科鉗子を産道まで差し入れる→
胎児の頭蓋骨をしっかり注意深くつかむ -
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この本は、人間の身体的特徴がどのように文明の発展に影響を与えてきたかを探る壮大な著作。次のそれぞれ独立した8章からなり、どの章もとても面白く読むことができた。
第1章 文明を作るソフトウエア
第2章 家族
第3章 エンデミックー風土病
第4章 エピデミックー流行病
第5章 人口統計
第6章 気分を変える
第7章 コーディング・エラー
第8章 認知バイアス
著者のルイス・ダートネルは、英国ウエストミンスター大学教授で宇宙生物学が専門。だが、この本は宇宙生物学の本ではない。どうしてこのような幅広い分野で洞察力を発揮できるのだろうか不思議でならない。
ヒトの体と人類の歴史を作ってきた関係の例と -
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もしも文明が滅んだとして、そのあと、現在の科学文明を最速で復興させるのにはどのような知識があればいいか?
核戦争とかで全面的に滅ぶのではなく、感染症などで、ほとんどの人類が死に絶え、インフラなどは機能しなくなったものの、建物などは取り残されているという仮定で、そこから上記の問に対して、必要な知識を分野をわけて書いていくという思考実験的な本である。
何となく、自分がそんな文明の滅んだあとの生き残りとして、この本を読んでいるところを想定しながら読んでいたけれど、
実際そのような目にあうことは、ほとんど有り得ないと思うが(そんなことはあって欲しくない)、
でも、この本はそういった場面での実用性よ -
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高校までの科学で理科で習うような用語がたくさん出て来て、あぁ教育ってやっぱ大事だよなぁと懐かしかった。(ハーバーボッシュ法とか笑)
一つ気になるのは誰がこの再興の役割を担うのかということ。この本は世界に1人取り残されたことを想定しているのか、、、そうなると製鉄とかは多分できないだろう。
世界が滅ぶとして、あなたは何を残しておくかという問いはなかなか難しい。
それぐらいに今の世界はもので溢れているのが当たり前。
リチャードファインマンの言葉が印象的だった。こういうのが本質を捉えている気がする。
「私の考えでは、それは原始仮説、すなわち、すべての物質は原子からできていて、永久に動き回る小さい -
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タイトルに惹かれて。
この世界が消える、とは。
完全に消えれば再建しようもないし、そしてこの世界の「大破局」という壮大な思考実験の前提も、非常に大きな幅がある。
映画「マッドマックス」から「アイ・アム・レジェンド」まで?「渚にて」から漫画「Dr.STONE」「望郷太郎」そしてドラマ版の「漂流教室」まで?
線引きがハッキリしない。この世界が消える、そこが抽象的で、想像していた作品とは違った。
ただ、ボヤかすしかないとも、読みながら思った。
専門知識は疎いので正確さは分からないし、読みづらい部分もあったけれど、科学と化学において先人たちの(主に西洋の)類稀なる努力や、偶然において今、私たちが生 -
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読みたかった内容とは違い、途中で読むのをやめてしまった。
人間社会が終わりを告げたあと、スマートフォンは勿論、一本の鉛筆すらつくることはできなくなる。
それだけ、現在、買えるものは複雑な工程と様々な原材料、大勢の人間、発電所や長距離輸送、などからつくられている。
日常生活のなかのごく単純な小道具の生産を隔てる溝は広く深い。
人間社会の大破局、直後はむしろ豊かに暮らせるかもしれない。
人間が少なくなったことで、資源が有り余る。
しかしその資源は腐りかけ。
劣化し続ける。
分散化、分業化が進んだ社会において、例えば1つの製品のすべての工程を知っている人は一人もいない。
大破局のあとに、知能