河野純治の作品一覧
「河野純治」の「悪魔のデリバティブ~徹底検証:怪物化する金融商品に取り憑かれた男たち~」「アフガニスタン・ペーパーズ 隠蔽された真実,欺かれた勝利」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
パレスチナ実験場
アントニー・ローウェンスティン
独立系ジャーナリスト。
ユダヤ系オーストラリア人&ドイツ人
曽祖父母をホローコーストで失い、祖父母はナチスから逃れてオーストラリアに。リベラルなシオニストの家庭で育つ。
舩田クラーセンさやか
本書の日本での出版に尽力。
アフリカ研究者。元東京外大准教授など。
・舩田さんの巻末解説で、イスラエルがパレスチナ人に対して行なった実験で試された武器の売り込みが取り上げられている。
・武器について
政府の方針に沿い伊藤忠と日本エアクラフトがイスラエル企業と武器開発の覚書を結び、市民の抗議、書名、ボイコットなどの運動で撤回させたこと
イスラエル製ドローンの入札を止めたこと。
防衛省が攻撃用ドローンを購入したことが判明したこと(経緯は?)
ファナック社とエルビット社が武器製造ライン上の産業用ロボットを提供したこと
・情報技術について
警察や企業がサイバー監視技術の取引や連携を進めていること
⋯サン電子とセレブライト(Cellebrite)
・年金積立金を投資していること
など。
・日本は武器取引によりイスラエルのジェノサイドに加担し、この道筋を経済成長と呼ぶ「落ちぶれた」姿を晒している。
エスノナショナリズム
ひとことで言うと
民族にもとづく政治的な自己主張
パレスチナも当てはまる。 ただし、イスラエルは国家を持つ側のエスノナショナリズム、パレスチナは民族自決を求める側のエスノナショナリズム
日本のナショナリズムは、
日本という国家への帰属意識と、
日本人という文化的、歴史的まとまりへの一体感が結びついたものです。
そのため、純粋な市民的ナショナリズムでもなく、純粋なエスノナショナリズムでもないと整理できます。
本論へ
第1章から7章まで
とにかく世界の誰にでも武器を売り込むイスラエルの姿が実例列挙で取り上げられている。一番の客は独裁者や独裁国家である。提供する武器を通じて悪辣非道な世界中の行いに関与し、人々を殺している。欲しがるものには誰であれ武器を売り、平和の芽をつみ、イスラエル式の占領をも世界に売り込む。
戦争や紛争が続くほど儲かるという考えは、彼ら自身がパレスチナ人を相手に実証してきている。
イスラエルはソーシャルメディアを武器として巧みに使っている。ドローンを攻撃用に使うだけでなく、パレスチナ民間人の監視にも使う。
防衛製品の多くを支える原動力は8200部隊だ。南部のネゲブ砂漠の基地で西岸地区やガザのパレスチナ人と世界中の同盟国、敵国からの通信を傍受している。経験を積んだ退役軍人はイスラエル内外の企業に高級で採用され大規模監視の仕事をしている。英米でさえこの諜報機関を地域の安定の脅威とみている。その危険性を内部から告発する人も多い。
イスラエルの技術を買う国はヨーロッパにも、というかEUがといえばいいか。地中海を超えてヨーロッパに渡りたい難民を監視し、追い返すために
イスラエルの監視ドローンが浮かんでいる。遭難する難民を救出するためでなく、時には溺死させるために通報を遅らせたりする。EUの望むことをやっているわけだ。ウクライナ戦争によりEUとイスラエルの関係は深まり、ドローンを購入したりしている。ドイツのイスラエル支持ぶりは馬鹿げたレベルになっている。
南アフリカとの関係。
多くのアフリカ諸国は1948年以降、崇高な反植民地闘争としてイスラエルを支持していた。イスラエルもアフリカの解放運動に関心を寄せていた。しかし67年以降は自らが占領国となり立場を変えた。マンデラは「イスラエル国家がアパルトヘイトを支持したことを決して忘れない」と語った。
インドはカシミールのイスラム教徒を巡ってイスラエルと同様の状況を抱え親イスラエルの立場に立っている。
イスラエルの施策との相似と相違
中国の新疆ウイグル族の問題
メキシコの国境の壁の問題
アメリカの先住民族の問題
など
スマホに潜む大規模監視について
イスラエルの監視会社NSOグループが販売する電話端末ハッキングツール「ペガサス」
スノーデンは語る。「この業界のビジネスの全体像は、最新のセキュリティを回避する新しい種類の感染症をこしらえ、それを抑圧の手段を切望していて、国内でそれを生産する高度な技術を欠いている国に売ることだ」
ハアレツ紙の元記者アミタイ・ジブは「イスラエルがアフリカのどこかの国にサイバー監視システムを売ることで国連の一票を獲得できる」と語る。
「オレンジを捨てて手榴弾に乗り換えた」イスラエルの防衛産業は300社を超える多国籍企業と6000社の新興企業がある。
◉主な5社、
1. エルビット・システムズ(Elbit Systems)
イスラエル最大の民間防衛企業。無人航空機(ドローン)、電子戦システム、アビオニクス(航空電子機器)、通信・情報システムなどを幅広く手掛けています。
2. IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ / Israel Aerospace Industries)
国営の航空宇宙・防衛大手。ミサイル防衛システム(「アロー」や「バラク」)、レーダー、軍事用ドローン、航空機製造・改修などを開発しています
3. ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ(Rafael Advanced Defense Systems)
国営の兵器開発・防衛企業。防空システム「アイアンドーム」や、対戦車ミサイル「スパイク」、車両用アクティブ防護システム「トロフィー」などで世界的に知られています。
4. IMIシステムズ(IMI Systems / 旧 イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)
小型火器や弾薬、ロケット砲、装甲車両などを製造してきた老舗企業。2018年にエルビット・システムズに買収され同社傘下(Elbit Systems Land)となりましたが、依然として主要ブランドとして機能しています。5. IWI(イスラエル・ウェポン・インダストリーズ / Israel Weapon Industries)
主に小銃や軽兵器を製造する民間企業(SK Group傘下)。アサルトライフル「タボール(Tavor)」や「タボール7」、サブマシンガン「ウージー(Uzi)」、自動小銃「ガリル(Galil)」などを開発・製造しています。
◉防諜(カウンタースパイ)・サイバー監視・情報傍受などの領域におけるサイバーインテリジェンス・監視技術企業
代表的な大手・主力企業は以下の通りです。
1. NSOグループ(NSO Group)
特徴: スマホ監視スパイウェア「ペガサス(Pegasus)」で世界的に有名なサイバーインテリジェンス企業。
領域: モバイル通信の傍受、端末の遠隔監視・分析技術。政府機関や治安機関向けにソリューションを提供しています。
2. セレブライト(Cellebrite)
特徴: デジタルフォレンジック(電子鑑識)分野の世界的大手。
領域: ロックされたスマートフォンやデバイスからのデータ抽出・解析システム。世界各国の捜査機関や防諜・治安当局で標準ツールとして採用されています。
3. エルビット・システムズ(Elbit Systems)
特徴: イスラエル最大の防衛エレクトロニクス企業。
領域: 傘下の「Elisra(エリスラ)」等を通じて、電子戦(EW)、SIGINT(シグナルインテリジェンス / 電波・通信傍受)、C4ISR(指揮統制・情報・監視・偵察)システム全般を手掛けています。
4. コグニト(Cognyte) / 旧 ヴェリント・システムズ(Verint Systems)防衛部門
特徴: 監視分析・調査インテリジェンスソフトウェアの大手。
領域: 大規模なデータ分析(BIG DATAインテリジェンス)、通信傍受、オープンソースインテリジェンス(OSINT)の解析プラットフォームを国家安全保障機関等に提供。
5. サークルス(Circles Technologies)
特徴: 位置情報および通信トラッキング技術に特化した企業(NSOグループ傘下)。
領域: SS7(共通線信号方式)の脆弱性を利用し、標的の電話番号のみから世界中のモバイル端末の現在地を特定・追跡する技術を開発。
・まとめ
ベンヤミン・ネタニヤフのことば
『私たちが彼ら「世界」のようになるよりも、彼らが私たちのようになるだろう』
日本もネタニヤフの言う「彼ら」になりつつある。
Posted by ブクログ
政権側がどのようにアフガニスタンで戦争をしてきたのかを明らかにするルポ。戦争というものは古今東西、国がいかに国民や世界を騙せるのかにつきるのかもしれない。もちろん情報統制も戦術のひとつなので致し方ないのだが。正直なところ、米国がアフガニスタンで20年も戦争を継続していたという認識はなかった。これも情報操作のひとつだろう。米国は敗戦したと考えるのが妥当だろう。本書を読むと、米軍のアフガン撤退直後にタリバンが復権したのか理由が分かる。そして、タリバンの復権が米国のこれまでのアフガン戦争の20年を水泡に帰した重要性を理解できる。本書を読んで、現在のウクライナ戦争に頭が向く。この戦争はどこまで真実がつたえられているのだろうか。