岡本浩一の作品一覧
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
自分の研究テーマで技術力やスキルを向上させる目的で技術リテラシー、熟達化、多能工などについて考えたりしているのだけど、論文よりもとっつきやすい本を読んでみるか、といくつか購入した中の1冊がこの本
この先生の文章はシンプルな記述で読みやすい。学者のまどろっこしさがほとんどなく、分かりやすい流れに感じた。スキーマなどの用語は認知心理学の話なので、以前読んだ今井むつみ氏の本と重なるところがある。
仕事なり趣味なり何かしら上達をする、しかもある程度の上級者になることについてどう取り組めばいいかというスキル獲得方法を論じている。非常に学びが多いと感じた。書かれたのが平成14年5月らしい。その頃はまだ非認知能力やパラレルキャリア、学び直しといった概念が世間の注目を集めていなかった思うのだが、すでにその重要性を指摘している。学び直しのノウハウについて、さらに非認知能力をかなり重視していて、知識的な専門性を高めることで上達するだけではなく、実際に自分で行動をして得た経験からコツを感じ取って上達していくためにどうしたらよいかを説明をしている。この上達に向けた説明に著者の専門である社会心理学者、認知心理学を援用している。教育に対して継承的な意味で、特にその非認知能力がないがしろにされて認知スキルだけに偏重している、といったことも語られていて非常に指摘が鋭いと思う。このあたりは養老孟司氏の「身につく」という話にも通ずると思える。私も身体知の重要さはAI時代で人の差になるではないだろうか。
この著者は非常に多趣味で、将棋とか茶道とかいろんなものをやっているところがあり、かなり幅広い。いろんな例で挙げてくれていて、将棋とかか茶道が割と中心に出てきたりするけどテニスなども取り上げている。読者によっては全く知らない趣味だとなかなか理解をし難いが、少しでも経験したことがあれば、認知心理学の理論から、自分の獲得したいスキルをどう当てはめていけばいいか、趣味の中でどう当てはまるのかを知る意味では非常にわかりやすいかと感じた。
技術スキル獲得の熟達化をテーマとした研究だけでなく、趣味を広げるプライベートにもこの本の知見を活用しよう。