岩坂彰の作品一覧
「岩坂彰」の「あなたがあなたであることの科学 人の個性とはなんだろうか」「一冊でつかむ哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「岩坂彰」の「あなたがあなたであることの科学 人の個性とはなんだろうか」「一冊でつかむ哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
言葉は化石にならない。では、人類がいつ、どのように言葉を獲得したのかを、私たちはどうやって知ることができるのか。
本書は、言語学だけでなく、考古学、霊長類研究、脳科学、遺伝学、発達研究、人工言語研究などの知見を集め、数百万年に及ぶ言語進化を一つの壮大なパズルとして組み上げていく(原題はThe Language Puzzle)。石器、火、声道、脳、遺伝、子どもの言語学習など、一見ばらばらな研究が「言葉の起源」という問いにつながっていくところが素晴らしい。
もちろん、言語の起源を直接示す証拠はなく、著者の描く進化史はあくまで仮説である。それでも、言葉の歴史をたどることが、人間とは何かを考えることにつながっていく。読み応えのある一冊だった。
Posted by ブクログ
遺伝の影響が想像以上にある話
反対に、ない話
遺伝以上に、ランダムな成長ベクトルが影響したり、ウイルス感染が影響したり
人の個性が生じる過程は想像を超えてておもしろい。
わたしのこどもたちが、あんなに異なるのも納得。
以下、印象的な知能の定義。
個人のレベルでも集団のレベルでも、知能というトピックほど議論を呼ぶものはほかにあまりない。
しかし、知能とはいったい何だろうか。デラウェア大学の心理学者リンダ・ゴットフレッドソンの以下の定義は理解の助けになる。
(知能とは)推論、計画、問題解決、抽象思考、複雑な観念の理解、迅速な学習、経験からの学習を行う能力に関わる。単に書物から学ぶことや、学問的に限定されたスキルや、試験で点数が取れることではない。知能に表れるのはむしろ、周囲の状況をより広く、より深く理解するー「把握し」、ものごとの「意味を了解し」、何をすべきかを「考え出す」ー能力である。
Posted by ブクログ
脳科学に興味を寄せる文学教授が、自閉症者と一緒にアメリカ文学を読んでみた記録。
面白かった、という感想は、本文中で「僕が本気で傷ついた会話を楽しみのために消費してほしくない」と語る人がいるので憚られるのだが、それでも面白かったと言わせてほしい。ニューロティピカル(脳神経的なマジョリティ)が「自閉症者に文学の意味がわかるのか」などと議論しているあいだにも、言葉は読まれ、新しく解釈され、遊ばれているというワクワク感。もっとこの世界の新しい見方を教えてほしい、と思ってしまった。自閉症者の読み方もクィア・リーディングであると教えてくれる本である。
「消費してほしくない」と言ったのは、著者サヴァリーズの養子であるDJだ。彼は話さないASDでありながら一般の大学へ進学した。上記のセリフはサヴァリーズがDJの半生を綴った本を出版した際に、彼が言った言葉だという。一方、12歳にして自著を出版するという実績を持ちながら、大学から入学を拒否されたティトという青年もいる。彼の切実な訴えに応えるかたちで、サヴァリーズは週一のスカイプ授業を開始し、ついに自身が講師を務める大学の創作コースにティトを(ウェブ参加というかたちで)招待する。
学ぶことに対するティトの飢え、自らの可能性を他者が決めることに対する怒り。そうした感情が創作コースでの『白鯨』読解に結びついていく。物語の進行上、殺されるのが必然のように描かれる鯨にティトは深く感情移入する。それは単に自閉症者が人間よりも動物に入れ込みやすいという要因だけではないと思う。マジョリティが生みだした、自分たち向けではないものに囲まれ続けているストレス。"病気"であるがゆえに奇異の目で見られ、医師や研究者から常に"観察" "分析"される。社会が彼らを扱う手つきを考えれば、自閉症者が人より動物にシンパシーを感じるのは当たり前なのだと思う。
プログラマーで、自分でもSF小説を書くというドーラと一緒に『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を読む第3章は特に刺激的だった。SFというジャンルの成立自体にASDが関わっていること、ディックが描いた「感情移入検査」は自閉症者が受けている差別の構造にとても近いこと、自閉症者は非自閉症者の3倍共感覚を得やすいこと。初めて知ることばかりだった。読者を機械やテクノロジーに感情移入させるのはSFの面白さのキモだと思うのだが、それを理由にSFを「文学」から差別して語る研究論文が発表されていたことには驚いた。しかも2016年て!
「文学がそもそも自閉症的だ」という一文に正直言って最初はギョッとしてしまったが、読み進めるほどになるほどと納得せずにいられなかった。たとえば最近読んだ阿部公彦『スローモーション考』では、詩的表現のスタートは世界を細分化することとされていたが、それはまさしく本書で語られる自閉症者の特性と重なり合うのである。サヴァリーズによれば「文学というのは意図的に感覚をシミュレートすること」「知覚の習慣を打ち破るようなしかたで現実を再現すること」であり、ニューロティピカルが自閉症的に世界を眺める窓になり得るのだ。
本書で語られる自閉症者たちの読み方を私たちが〈新しい〉と感じてしまう裏には、自閉症者自身が書いたものを読んだり、同じ本を読んで解釈を話し合ったりする機会が少なすぎる現実があることは覚えておかなきゃいけないと思う。私はオリヴァー・サックスの著作をこの数年面白く読んできたが、サックスの本で一躍有名になったテンプル・グランディンと読書対談を試みる本書の第5章では、その功罪を考えずにはいられなかった。
アメリカで自閉症といえばテンプルというくらい有名で、自著も多く出版しており、自閉症者のパブリック・イメージを作った一因でもある彼女にサヴァリーズは思うところがあったようで、かなり先入観に満ちた選書をしてしまう。私も第3章あたりから「なんで自閉症者本人に本を選ばせないのかな」と不思議に思っていたのだが(好きな本を知りたいので)、サヴァリーズ自身もここに至って反省する。第4章のユージェニーも、小説を読んですぐメタ的な構造分析に移ろうとするサヴァリーズの質問は性急で余韻を消し去ると漏らしているし、大学教授だからこそ自分に疑問を持たなかった部分が、テンプルとの対話で一気に瓦解していったのだろう。まず、「やっぱりパートナーほしい」となるのを期待して独身主義者にそういう小説を読ませるって、普通にセクハラだしな……。最後の最後に自分のなかにあった差別的な視点と向き合う姿を書き留めておくのも含め、全体を通してフェアな書き方ではあると思う。
とにかく勉強になったし面白い本だった。勉強になったというのも自閉症について知れたというだけじゃなくて、言語というものの捉え方や文学の意義についての考え方、「クィア」とか「ダイバーシティ」という単語の語法について新しい見方を教えてくれた。世界にはまだまだ別の側面がある、と教えてくれる本がやっぱり一番面白いのだ。
Posted by ブクログ
私はタバコを辞めるまで何度も失敗した。
しばらく止めると当初の苦しみは収まり、そんなに欲しくもなくなるが、
飲み会の付き合いなどで少し貰うと、そこから止まらなくなったものだった。
一旦依存症になると、減らして、ちょうどよい付き合いということはできない。
食事やセックス、ギャンブル、周りの人に優越したり褒められるなど、人が快感を感じる時に、脳内で作動する「快感回路」。
快感は生命維持の中心的な役割を果たす。
食べることや子孫を残すことに快感があるからこそ、多くの人はそこに執着する。
快感と依存症は隣り合う。
空腹になれば生物は何をおいても食べ物を探す。
これを衝き動かす快感回路に何か他のことがはまれば、それは依存症となる。
ドラッグやアルコール、ニコチン、ギャンブルなどは、この快感の仕組みをハックしている。
快感を伴う経験は記憶され、強化されていく。
依存症が個人の意思で克服できない構造がよくわかる。
例えばアルコール依存症の人がしばらく断ってから久しぶりに摂取したとき、非常に強い快感が発生する。
これを感作といって、依存症が再発をしやすい原因のひとつ。
個人的には、快感回路を刺激する別のものを見つけるのがよいのかなと思う。
酒を飲みたくなったらとにかく何か食べて胃に満足感を与えるとか。太るけど。
快感を覚える時、ドーパミンの放出が中心的な役割を果たすことは共通しているが、ドーパミンの放出が快感の本質ではないと筆者は述べる。それ自体は無味乾燥な刺激でしかない。
食事でいうと味の素のようなものか。
美味しい料理には適切なうまみが含まれているが、うまみの結晶である味の素をただ舐めても美味しい訳ではない。他の風味や香り、食感など複数の豊かな刺激が幸福な体験となる。
体験は重層的。
腹側被蓋野(ふくそくひがいや、ventral tegmental area, ventral tegmentum、VTA)のニューロンからドーパミンが放出される。