読みたい小説が多すぎてなかなかこういったジャンルにまで手が出せないでいる。
まず 私の小さな物差しでは測りきれない というか測ってはいけない濃密な師弟関係がそこにはあった。
弟子入りとは
人を愛し、その芸を信じる。
いや、愛し抜き、信じ抜く。
それは「長期的思考」そのものです。
落語は昨今主流の出オチのような「キャラクター芸」などではありません。
すべて、伏線なのです。
そしてすべて伏線ということは、すべて回収するまで、つまりオチがつくまではその善悪や成否、正誤などはまるっきりわからないものなのです。─
(本書より抜粋)
これは本書の最後のほうにあった文章だが この 人生にも通じるような文章にはとても納得いくものがあった。
こういう文章を書ける談慶さんもスゴイし長い伏線を耐えたワコールさんもスゴイ。
笑えて 最後は少し泣けて …
立川談志という巨星のほんの一部分かもしれないけれど垣間見ることができた本でした。