トランプ氏が大統領になってから「CO2削減運動」が少し覚めてきたと思っているのは私の気のせいでしょうか。地球温暖化が騒がれ始めた20年ほど前に、気象学者の本を読んだのですが、温室効果の高いガスは二酸化炭素よりも「雲=水蒸気」という内容に驚いたのを今でも覚えています。
今日(2025.7.13)も熱くて熱中症が心配な毎日が続いていますが、地球全体としては「寒冷化」が進んでいるとも学者は言っていますが、その声は小さいです。この本の著者は、この内容を本にせずに多くの学者のように迎合していれば、おそらく多くの団体から研究資金をもらえて安定した研究者生活ができるであろうに、素晴らしい決断をして「本来の研究者の立場」で、真実を分かりやすく本にしてくれて私としては嬉しいです。
さらには、電気自動車や再生エネルギーについての懸念点についても触れています。長い不況(デフレ)が続いて成長しなければならない日本、減税や補助金配布も良いですが、経済を発展させる見込みの無い政策も見直す時期にきているのではないでしょうか。80年前に方向転換できなくて自滅することの無いように。
以下は気になったポイントです。
・NOAA(米国海洋大気庁)は、測定データのランク1−5を同様に扱っているため、集計されたデータと見ると「温暖化している」と判断される、ランク1だけ(数%)をピックアップすると、米国では1930年頃からあまり変わっていない、NOAAも米国内1218ヶ所のうち、ヒートアイランドの影響の小さい地点をピックアップすると、2021年までの15年間のデータを見る限り、気温の上昇傾向は見られない(p21)
・東京をはじめ日本の多くの都市の周辺には1970年頃までは水田が多く存在し、水稲が張り巡らされていた、これらが失われただけでも周囲の気温が一度程度上がっても何らおかしくない(p22)アスファルトやコンクリートは太陽熱を吸収して溜め込む性質がある。これが首都圏をヒートアイランド化させる元凶である、これに加えて地下鉄、生活排水からも大量の熱が放出されている(p25)
・ヒートアイランドを起因するゲリラ豪雨は、コンクリートで覆われた首都圏の地面が高温化する一方、その上空に西方から冷たい空気が流れてくる、都市の地面で熱せられた暖かい空気が上昇し、上空の冷たい空気と触れ合うことによって大都市の水分が凝固して積乱雲となり、激しい雨を降らせる、しかし地球温暖化によって雨量が増加した事実はありません(p27)
・温暖化を引き起こすのは二酸化炭素だけでなく水蒸気による効果は二酸化炭素に比べてはるかに大きいことがわかっている、水蒸気の少ない上空では二酸化炭素による温暖化が顕著に起きるが、水蒸気の多い地表では水蒸気が赤外線を吸収することにより生じる温室効果が圧倒的に大きく、二酸化炭素の温室効果は極めて限定的(=水蒸気によるマスキング効果、1900年オングストローム氏)である、つまり「二酸化炭素の大気中の濃度が倍増しても、地表では上空に比べて二酸化炭素による温室効果は極めて小さい」(p33)
・ノーベル賞を受賞した眞鍋氏は、水蒸気によるマスキング効果を無視して、上空と地表の気温上昇が同一だとしている(p40)待機がなければ、地表の気温はマイナス18度だが、実際の気温は16度であり、34度も高く保たれている(=自然温室効果)その主たる役割を演じているのが、大気中の水蒸気である、自然温室効果に占める水蒸気の寄与度は90%以上で、二酸化炭素は7%(p41)
・偏西風は地球が自転しているために、偏西風は西から東へ流れているが、南北の気温差が大きくなると、それ以上気温差が広がらないように、偏西風が蛇行するようになる。筆者は、偏西風の蛇行は寒冷化の兆しと考えている。太陽活動低下すると、銀河宇宙線が到達、極地方に多く注ぐことから、極地方の気温低下が赤道地帯よりも大きくなり、南北上空の気温差が拡大する(p70)
・IPCCは1988年に設立されて以来、評価報告書を公表している、その中で二酸化炭素の増加と気温上昇が1:1の対応関係にあるように加工したグラフを提示しているが、1997−2013年に起きた気温上昇の一時停止は全く予測できなかった、過去百100年間を振り返っても、20世紀前半の温暖な時期があり、その後30年間低下して再び上昇しているが、これも反映できていない(p76)
・地質学者のリンゲン氏は、太陽活動が低調で寒冷だった小氷期の1315年、1404年、1421年には、洪水を彷彿させる大規模な洪水が起きていたと述べている(p91)
・雪や氷の白い色は太陽エネルギーを反射してしまうため、地表が雪や氷で覆われると寒冷化に拍車がかかる(=正のフィードバック)一度このような状態になると、地表は容易にその状態から抜け出せなくなる。脱出を助けたのは、どんなに寒くても止むことがない火山活動だったと考えられる。火山は二酸化炭素などの温室ガスを多量に吐き出すから(p99)
・注目すべきは、最も長く堆積した年縞堆積物が、福井県にある三方五湖の一つ、若狭海岸にある水月湖である(p103)45メートル、7万年以上、2012年には水月湖の年縞に基づいた「年代のメモリ」が地質年代の世界標準となった(p104)2,018年には年縞博物館がオープンしている(p105)
・宇宙線は大気の気体分子をイオン化させるので、その量が増えると待機中の雲が増加し、地球の温度は下がる。太陽が形成する磁場が宇宙線から地球を守「盾」の役割をしている、太陽の磁場は2000年頃から、弱まっているため地球に降り注ぐ宇宙線の量が多くなっており、これは200年前に発生した「ダルトン極小期(小氷期)」に近い状況が2040年頃まで続きとされている(p141)
・太陽光パネルは火力発電や原子力発電と比較すると、同じ量の発電をするのに100倍以上の土地を必要とする、土地を確保するために畑・山林を潰し、除草剤をまき、自然破壊が起きている(p135)
・2032年に電力会社が再生可能エネルギーで発生した電気を一定価格で買い取る制度が終了するため、太陽光パネルの排気量は最大で、年間50万トンにまで増加すると見込まれている、再資源化の施設は7万トンと大幅に不足している(p140)
2025年7月13日読破
2025年7月13日作成