≪2020年3月号≫月刊 書店員すず木

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≪2020年3月号≫月刊 書店員すず木
この道10年のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!
少年・青年マンガ・少女・女性マンガからそれぞれ選出!!

※セーフサーチを中またはOFFにすると、すべての作品が表示されます。

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今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • いまかこ(1)

        いまかこ(1)

        「累」松浦だるま最新作! “場所の幽霊”と呼ばれるもう無い風景がみえる男・鶴見也徒。死んだ人の“音の幽霊”がきこえる少女・早淵今。不思議な霊感のようなものを持つ二人の出会いのはてに待つものは救いか、それとも。

        いなくなった人たちを思い出にできない、それでも生きることを選んだ人たちを描く濃密な物語。

        “場所の幽霊”と呼ばれる今はもう無い風景が視える男。
        死んだ人の“音”が聴こえる少女。
        ふたりの出会いは、救いをもたらすのか、それとも…。

        幽霊と聞くとホラーやオカルトマンガのように思えますが、怖いのが苦手な方、ご安心ください。
        この物語は幽霊そのものよりも、大切な人が亡くなり自分は残されたという苦悩を描くヒューマンドラマです。
        美術系予備校の塾講師・鶴見也徒は恋人である渦子を洪水で亡くします。
        彼女の遺体は見つからず、それ以来鶴見は彼女が流されたであろう場所に2人で暮らしていた家の“場所の幽霊”が視えるように。
        渦子がいない世界でどう生きていけば良いのか解らず喪失感に苛まされる鶴見ですが、あるとき登校拒否の女子中学生・早淵今に絵を教えることになります。
        彼女もまた震災をキッカケに死んだ人の音が聴こえるようになり、誰からも理解されず苦悩する日々を送っていたのでした。

        はじめて自分を理解してくれた鶴見に、早淵は次第に心をひらいてゆきます。
        そんな彼女に対し鶴見は、“場所の幽霊”が視える場所で音を聴いてくれないかと頼みこみます。
        「渦子は本当に死んだのか、彼女はその場所で自分を待っているのかどうかを知りたい」と言われ、早淵は一度は断ったものの、鶴見の気持ちが痛いほど解るため音を聴くことを承諾します。

        そこで彼女が聴いたのは鶴見を呼ぶ鈴の“音”。
        しかし彼女は「何も…聴こえない。ここには何もいないよ」と鶴見に嘘をついたのでした。


        震災や人の死を描く本作、ただ「死」に対する恐怖や悲しみを描くのではなく、「死」を受け止める人の弱さや強さを描いているのだと思います。
        愛する人がいない世界で生きることがその人にとって本当に幸せなのか…痛烈に考えさせられます。
        亡くなった人を置いて、自分だけ前へ進んでいいのか。進んでも許されるのか…。
        「ただ平穏に暮らすことがうしろめたく感じる。」というセリフがずっしり心にのしかかります。


        『累』の松浦だるま先生最新作。
        掲載当初は短期連載だったのですが、好評につきシリーズ連載となったのも頷けます。


        喪失とそこから先を生きる人間の“音”に耳を澄ませてみてください。

少女・女性マンガ

      • あの人は昨日と同じ空を見上げてる 1

        あの人は昨日と同じ空を見上げてる 1

        航空会社で働く、風信子。仕事は順調、友人にも恵まれ、結婚目前の彼氏もいる。“上出来な人生”を送っていた信子だけど、幸せがひっくり返る、ある大事件が起こって…!? 宮川匡代が描く、大人のほろ苦ラブストーリー開幕!

        新しい恋をする勇気持っていますか?

        空港勤務の風信子、34歳。
        学生時代から仲の良い頼れる先輩・常子と、元アイドルのCA・恵倫と共に楽しく仕事できて、年下の彼氏・晴くんとも結婚寸前で充実ライフを送っていると思っていた…はずだったのに…。

        ある日家に帰ったら、家財道具や金目のもの一切合切と共に彼氏がトンズラしていたのです…!!
        後に、彼の名前は偽名で妻子持ちだったことも発覚。
        全て信子の勝手な思い込みだったと知り愕然とします。
        落ち込む彼女を叱咤激励しながらも側で支えてくれる常子と恵倫。やっぱり信じられるのは友情ですよね…!!

        そんな中、信子は参加した飲み会で出会った男性・円谷と偶然の再会を果たします。
        なんとその男性は信子と同じ会社の飛行機のパイロットだったのです!!
        しかも、男女どちらからも人気のある、顔よし性格よしのスーパーキャプテン。
        好きになること待ったなし!という相手ですが、その左手の薬指には指輪が…。

        それでも信子はドラマみたいな恋はいらないと言います。
        信子が望む恋愛は、自分と同じ熱量で好きになってくれて、とにかく裏切らない人との恋愛。
        それって至ってフツーの恋ですけれど、フツーが一番難しい。
        好きな人が自分のことを心から好きになってくれるって実は凄い奇跡なのではないでしょうか…。

        描いているのは『林檎と蜂蜜』で知られる宮川匡代先生。
        各キャラクターが魅力的に生き生きと描かれているのは流石です。
        イケメン円谷キャプテンに至っては、恋愛マンガの男性としてはパーフェクトなかっこ良さ!!
        女性の心を鷲掴みです!!(あえて「女子」じゃなくて「女性」!!)

        円谷キャプテンと信子の関係はどうなってゆくのか…。
        今後の恋の展開に注目です!!

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:色々な催し物が中止となっている昨今、私も行く予定だったものが延期となりしょんぼりしております。

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