津本陽作品一覧

  • 胡蝶の剣
    値引きあり
    -
    世情騒がしい幕末。幼少の頃から人並みはずれた剣の才能をあらわした薩摩藩士・三原林太郎は、御前試合で藩主・島津斉彬の目にとまり、江戸での剣術修行を仰せつかる。千葉周作率いる玄武館道場での激しい鍛練、剣技はますます研ぎ澄まされていく――。やがて、斉彬の隠密となって奉公することとなった林太郎を待ちかまえていたのは、反斉彬派の刺客たちとの凄まじい争いの日々であった……。剣一筋に生きる若き薩摩隼人を描く傑作歴史小説!
  • 最後の相場師 新装版
    値引きあり
    4.0
    1巻319円 (税込)
    オイルショック後の低迷市況の中で世間を驚かせた大仕手戦に挑んだのは、79歳の佐久間平蔵だった。史上最大にして最後の相場師、是川銀蔵氏をモデルに、証券界を震撼させた株式投資の駆け引きを描く経済小説。
  • 龍馬(一) 青雲篇
    値引きあり
    3.0
    土佐郷士の家に生まれた坂本龍馬は、ジョン万次郎からアメリカの文明について聞かされ、まだ見ぬ世界への期待に夢を膨らませていた。嘉永六年、親友の妹と結婚の約束を交わした龍馬は一年間の江戸遊学へと旅立つ。小千葉道場で剣術修行に励む一方、佐久間象山を知るなど見聞を広めるが、折しもペリー率いる黒船が来航し、外国の脅威を目の当たりにする。土佐では、思わぬ悲劇が待ち受けていた。等身大の英雄像に挑む歴史巨篇。
  • 創神 織田信長
    3.0
    「儂はのん、この世でこのうえなき神だで。今生で儂より偉き神はあらぬゆえ、後生にてもまた、儂はこのうえなき神になるのだわ」。天正7(1579)年、織田信長は天下統一の拠点として安土城天主閣を完成させた。 この幻の名城の内部には巨大な「吹き抜け空間」があり、その中心に宝塔が安置されていた。この宗教的演出は何を意味したのか。『下天は夢か』で爆発的ブームを起こした著者が、信長の実像に鋭く迫る!
  • 龍馬残影
    4.0
    初航海の途中、海援隊のいろは丸は事故で沈んだ。相手船、紀州藩籍の明光丸艦長高柳は、いろは丸の代表者、才谷梅太郎のとらえどころのない対応に不安を覚える。激動の時代、野心と志のために手段を選ばず行動する男たちと、藩の生き残りのため奔走する男たちを背景に、坂本龍馬のしたたかな策略家ぶりを描く異色の幕末小説。
  • 拳豪伝
    完結
    -
    幕末の動乱の世に実在した広島・尾道の「げんこつ和尚」武田物外の愛と武勇の遍歴。幼少期の喧嘩で、突き飛ばした相手が死んでしまったために剃髪した巨漢の物外は、仏教経典の教えを受ける傍ら、儒学と武道を極めた。持ち前の正義感で、弱気を助け地上の悪を懲らしめていく。晩年は京都壬生の新撰組組長・近藤勇の挑戦をも退けた。一代の怪僧・武田物外の痛快ストーリィ!「第一章 怪力」「第二章 生い立ち」「第三章 破戒」「第四章 道場破り」「第五章 拳骨和尚」「第六章 危難」「第七章 新撰組」「第八章 百対一」を収録。
  • 薩南示現流 1巻
    完結
    5.0
    全2巻440円 (税込)
    津本陽の名作を完全劇画化!最強を誇る島津藩の御流儀「示現流」。その開祖・東郷重位の峻烈な生き様を描く本格剣術時代劇画!
  • 剣に賭ける
    -
    万延元年三月三日。銃声を合図に侍たちが駕籠の中に斬り込んだ――。反政府主義者の弾圧を行った大老、井伊直弼を襲撃する水戸藩士は、眼も開けていられない降雪のなかで、猛牛さながらに突進を繰り返した。道場剣法とは違う斬り合いの苛酷さを描いた「桜田門外の血闘」など、命のやりとりに身をさらした剣士たちの潔い覚悟を描いた士道小説集。
  • わが勲の無きがごと
    -
    太平洋戦争のニューギニヤ戦線に従軍し、五人の中隊生存者の一人として帰還した義兄。その性格が出征を境に豹変してしまったのはなぜか? 義兄の死を契機にその理由を求めて戦友を訪ねた「わたし」は、衝撃的な事実を聞かされる……。極限状態に置かれた人間の理性と本能の葛藤を描き、作品発表時に話題となった戦争文学。
  • 武の心
    4.0
    剣豪小説の第一人者にして剣道・抜刀術の高段者である著者が、古武道の真髄に迫る! 古来より伝わる六つの流派に取材した出色の対談集。 徒らに勝敗にこだわる昨今の武道は技法に浮薄のそしりを免れないのではないか。 剣道三段、抜刀術五段を誇る剣豪小説の雄が、現代に息づく古来の「武」の精神を辿る。 柳生新陰流、香取神道流、馬庭念流、竹内流、柳生心眼流、諸賞流の六流派の訪問記と、二木謙一、秋山駿、安西水丸、勝新太郎との対談、薩南示現流や豊臣秀吉などについて書かれたエッセイを収録。 豪華な随筆・対談集。
  • のるかそるか
    -
    明智光秀、宮本武蔵、蜂須賀小六、塚原卜伝、木下藤吉郎、近藤勇、竹中半兵衛、坂本龍馬、前田利家、山岡鉄舟、黒田官兵衛、清水次郎長、佐々成政、紀伊国屋文左衛門、織田信長、渋沢栄一、豊臣秀吉、徳川慶喜、徳川家康……。 いずれも時流に乗り、運を開いた男ばかり。 ある者は天下を取り、ある者は財を成し、ある者は天下の剣豪となった。現代にも通じる処世とその決断。だから歴史はこうなった。
  • 巨人伝 上
    3.0
    1~2巻479円 (税込)
    本邦の博物学、生物学の草分け、知の巨人にして奇人 南方熊楠の生涯を同郷の著者が描き切る! 南方熊楠は慶応三年、和歌山の金物商・南方弥兵衛の次男に生まれた。 日本一のエリート校であった大学予備門に入学したが、型破りの性格は大学になじまず退学。 以後、渡米、南米放浪、英国での学究生活を経て、郷里和歌山で独学で研究に没頭した。 奇行・博覧強記と背中合わせの孤独。 巨人の全体像に同郷の著者が迫った大河巨編。
  • 春風無刀流
    -
    幕末から明治にかけて一刀正伝無刀流を拓き、明治維新では勝海舟、西郷隆盛らと親交をかさね、大政奉還後の官軍と幕軍の衝突を防ぐべく身を挺した山岡鉄舟。彼は、剣の人であると同時に天皇側近の人でもあった。剣豪小説で定評のある著者が、剣の奥義をきわめた鉄舟の「無我」で虚心、その悠然たる生涯を描く。
  • 歴史随筆 男の流儀
    5.0
    1巻500円 (税込)
    信長は先見性で、家康は堪忍で、武蔵は兵法で、吉宗は統率力で、隆盛は潔さで、そして孔明は智略で、時代を流星の如く駆け抜けた。彼らに共通するのは、勇気であり、決断力であり、信念である。そしてその上に強運が味方する。それら数多くの英傑たちの“生き様と死に様”―そこに著者は“男の流儀”を見る。歴史の中の男たちへの熱い思いとともに、ベストセラー『下天は夢か』執筆の舞台裏や折々の随筆を収めた、歴史ファン必読の書。

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  • 巌流島 武蔵と小次郎
    3.0
    日本人を魅了してやまない孤高の剣士、宮本武蔵は、いかにして最強の相手に立ち向かったのか。圧倒的迫力と群を抜くリアリティで、剣豪小説の名手が描く、世紀の決闘。 ※本書は二〇〇三年三月、小社より刊行された書き下ろし単行本『武蔵と小次郎』を改題した文庫が底本です。
  • 信長の傭兵
    3.7
    種子島から鉄砲を持ち帰った津田監物(けんもつ)は、鉄砲傭兵集団を組織した。監物率いる紀州・根来衆(ねごろしゅう)は諸国大名から重用され、その名は天下に轟く。永禄5年、新興勢力の最右翼である尾張の織田信長が根来衆に加勢を求めた。以後、監物は信長とともに天下布武の野望に向け、しかしあくまで傭兵として戦場を駆け抜ける。遂に信長最大の敵・本願寺との戦いに挑むが…。戦国の地図を塗り変えた、その波瀾に満ちた生涯。
  • 直感力 ~カリスマの条件~
    3.5
    バブル崩壊後の失われた十年を経て現出した格差社会。外交でも頻発するテロ事件や緊張感の高まる朝鮮半島情勢への対応など課題が山積みのニッポン。この多難な時代、組織に求められるのはどのようなリーダーなのか。歴史小説の創作で数多の英傑と向き合ってきた著者が語る「真のリーダーシップ」と「国家の未来」。様々なビジネスシーンに活かせる画期的歴史エッセイ。
  • 柳生十兵衛七番勝負
    -
    家光の密命を受け、諸国を巡り将軍家に仇なす者を討つ。 新陰流、剣の真髄ここにあり! 徳川将軍家の兵法師範をつとめる柳生宗炬の嫡男・十兵衛は、家光公の近習として幼少より仕える。 しかし二十歳の頃、十兵衛は突然、家光の勘気にふれ追放となる。 実はこの追放劇、彼を隠密として野に放つための狂言であった。 十兵衛は諸国武者修行と称し、徳川家に仇なす者を討つ旅を続ける。 若き十兵衛の隠密旅と名勝負をドラマチックに描いた、剣豪小説の決定版! 解説・多田容子
  • 修羅海道 清水次郎長伝(上)
    4.0
    幕末、駿河国清水湊で大きな米問屋をいとなむ若き長五郎は、ある日店先に立った旅の僧からあと3年の寿命と告げられる。養父の跡を継いで商いに精を出していた長五郎は、その一言で自分の運命を変えた。彼は店をたたみ、女房を離縁して博徒の群れに身を投じる。――「人間、寿命があれば死なねえ。たとえ死んだところで、体がなくなるだけで、魂はなくならねえんだ」と考えた彼は、修羅の如く東海道筋を渡り歩いて、男伊達として名を上げていく……。名侠客の実像に迫る異色作、本巻は、穂北の久六を斃すまでの前半生を描く。
  • 鬼骨の人
    3.5
    難攻不落の斎藤龍興の稲葉山城を目の眩むような奇策で奪取し、その後木下藤吉郎の軍師となって次々と非凡の才をあらわした竹中半兵衛。鬼才をうたわれつつも裏方に徹し、主人に惜しみなく助力を与えた半兵衛の人物像を浮き彫りにした表題作ほか、逆境に立ち向かい、修羅場をくぐり抜けて男の意地をつらぬいた武将、剣客など歴史上の英雄たちを活写した傑作時代小説集。
  • 戦国武将に学ぶ情報戦略
    3.0
    戦国の世を生きぬくには、敵よりも早くたしかな情報を集めなければならない。織田信長は戦いの勝敗の7割は情報で決まると考えていた。例えば桶狭間の戦いは、これまで雷雨の天候を利用した奇襲作戦にすぎないといわれてきた。だが信長は、事前に今川方の情報を徹底的に収集し、偽の情報を流し込んでいた。周到な情報・謀略戦が勝利へと導いたのである。信長の情報第一主義は、「備中返し」の秀吉、関ヶ原の家康へと継承されてゆく。この三人が戦国三英傑といわれるのは、情報戦略において他者の追随を許さない才能を発揮したためでもあるといえるであろう。
  • 火焔浄土 顕如上人伝
    3.0
    尾張統一にむかいつつあった織田信長は、桶狭間の戦いに勝利を収めたのち、ながいあいだ、一向宗の勢力に悩まされていた。当時、諸国一向一揆を結集した本願寺教団の威力は将軍に匹敵し、盟友徳川家康も、領国三河の一向宗を弾圧しようとしてあやうく敗北するほどの苦戦を喫していた。「一向一揆を平均(征伐)いたさねば、大名分国は成りたたぬだわ」――顕如上人率いる石山本願寺と織田信長の戦いを描いた長編戦国歴史小説。
  • 黄金の海へ
    -
    この潔さが羨ましい! 豪商紀伊国屋文左衛門の波瀾万丈の生涯を元禄経済のなかに活写した歴史長編。 命を賭けた江戸へのみかん輸送で得た三万五千両をもとに、紀伊国屋文左衛門は、日本一の豪商めざして突き進む。大長者・河村瑞賢、杉山検校の後押しで材木商となって活躍。八十万両もの稼ぎを上げる。 しかし、貨幣改鋳に手をつけて失敗。以後、時勢の流れから外れ、一代限りで引退した文左の豪快な生涯。
  • 本能寺の変
    3.0
    信長の天下統一に向けての戦いのなか戦場での武功は目覚ましいものではなかったが、行政処理の敏腕を買われ信長に重用された明智光秀。39歳のときから信長に仕えて15年、なぜ光秀は信長を討とうと決意したのか? 歴史上もっとも有名な謀叛の真実と本能寺の謎を、画期的な視点から解き明かす傑作歴史長編。
  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
    -
    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 敗れざる教師
    -
    校内暴力を内側から描く衝撃の人間ドラマ! アフロヘアーの頭に深く剃りを入れた、暴力中学生の群れ。何が彼らを暴力に駆りたてるのか。それは愛なき教師への反逆なのか。綿密な取材をもとに描く長編力作。
  • 土地に向って突進せよ
    -
    土地小説の決定版長編!徒手空拳、ただ天性の利殖の才だけを武器に、大都市近郊の土地取引に身を投じた主人公の運命の変転を描く。不動産業者にして直木賞作家の著者ならではの長編力作。
  • 土地相続人
    -
    悪質不動産屋の手口、欠陥住宅の内情、大手商社の土地転がし。空前の土地ブ-ムを背景に、一億総不動産屋といわれた土地投機の実態を描く。
  • 千葉周作 上
    3.0
    陸前の生家で北辰夢想流を学んだ周作は、幼時より剣術の稀有な才能をみせていた。文化六(1809)年、周作は千葉家の期待を一身に集め、16歳で松戸宿にある一刀流浅利又七郎の道場に入門。天性の剣筋と不眠不休の荒稽古で頭角をあらわす周作に、師の姪の綾が秘かに想いを寄せる。ほどなく相思の間柄になるが、剣術の奥義をきわめるためには、諸国の道場を巡り、死に物狂いで他流試合の数をこなさなくてはならない。悲愴な想いで周作は、綾のいる江戸を後にするが…。津本剣豪小説の代表作。
  • 嵐の日々(電子復刻版)
    -
    1巻550円 (税込)
    轟音と飢え、過酷な作業、粗悪な食事と不衛生な施設、私刑(リンチ)、闇取引……臨戦体制下の昭和十九年、勤労動員に駆り出された和歌山中学校五年生約四百名は、川崎航空機明石工場に配置された。青春の心と肉体を極貧にさらされた若者たちは仲間の死をきっかけに集団脱走、だが目前に迫るものは空襲の灼熱地獄であり、内なる恐怖だった……(表題作)。他に高利貸に騙された男のユニークな復讐譚など五篇を収録。

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  • 欲望地図(電子復刻版)
    -
    一流大学を卒業、若い胸を希望でふくらませて、資本金五十億円の玉屋建設に入社した松田千次郎は、十九年のキャリアを持ちながら、いまだに資材課の係長にすぎない。上司に反抗したため、出世の道からはずされたのだ。そうなったサラリーマンはもはや色と私欲に溺れるしかない。松田は、友人で、代議士秘書の矢代と組んで資材購入の工作で裏金を手にする一方、愛人との肉欲にはしるのだが……。力作企業小説

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  • 蟻の構図(電子復刻版)
    -
    1巻550円 (税込)
    恒例の人事異動の日、森秀夫は愕然として激しい失望に襲われた。能力を買われていると思っていたのは間違いだったのか! その日を境に、愛すべき会社は憎悪と不信の渦巻く修羅場と化した。会社への愛着を絶たれた森は、己の誇りを守るため巨額のリベートを奪い取って退職しようと決意した。“会社人間”の怒りと虚しさを直木賞作家が渾身の力で描く、表題作ほか二篇収録。

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  • 老いは生のさなかにあり
    5.0
    「老境に至ってなお、盛運のいきおいを増してゆく人物は、『考える人』である」(はじめに――「老い」とはなにか)。徳川家康、豊臣秀吉、勝海舟、親鸞……。最期まで自らを磨きつづけ、昇りつめた先人たちは何を心の糧としたのか。歴史小説の第一人者である著者が、史実に名を刻んだ十二人の生きざまを通して説き明かす晩成への人生論。
  • 草笛の剣 上
    -
    1~2巻561円 (税込)
    「しい、しい、しいびびびい」 笛豆の音に思い出すのは、月見草の茂る故郷、紀伊の海辺……。秀吉に滅ぼされた傭兵隊・雑賀鉄砲衆の遺児、孫二郎は根来衆の頭領に育てられ逞しい若者に成長する。因縁をつけられた浅野家の家臣を斬った孫二郎は、追手を逃れ大阪から京へ。天涯孤独の若者の成長と友情を描いた剣豪ロマン小説。
  • 幕末御用盗
    -
    京都朝廷から薩摩藩へ倒幕の密勅が下った慶応3年秋。倒幕戦の端緒をつかもうと西郷吉之助は、江戸に騒擾を起こすべく、浪士を集め御用盗なる組織をつくり、幕府御用達の豪商を襲わせた。その中の1人に薩摩示現流の使い手・大迫新太郎がいた……。維新の変革の裏面史を鮮やかに描いた痛快傑作歴史長編。
  • 密偵 幕末明治剣豪綺談
    -
    幕末明治、急速に押し寄せてくる西欧化の波に敢えて反抗するように、剣の道を極めようとした男たちがいた。人を律し、自身にはなお厳しく生きながら、ひたすらに精神の自由を求めるその姿は、不思議と人々の心までも動かした。新選組永倉新八、高野佐三郎、富山弥兵衛、小栗上野介……。いずれ劣らぬ強烈な個性をもち、時代と激しく対立した男たち。今なお、まばゆい光を放つ、尊いまでの孤高の生き方を、練達の筆が描いた剣豪小説の逸品。
  • 信長と信玄
    3.0
    戦国の世に屹立する二大巨峰、織田信長と武田信玄。誕生から世に出るまで、情報戦、決断とスピード、とらわれない発想、大胆な構想力、人事の要諦など、二人の生き方、戦略を徹底比較。歴史読み物。
  • 土地狂騒曲
    -
    1巻572円 (税込)
    上司の妻と不倫に陥り、大手企業を退職した善次郎は、繊維問屋を営む家族からも冷遇され、土地取引に身を投じた。金も背景もなく、ただ利殖の才能だけを武器に蓄財の階段を駆け上がる善次郎の成功物語をとおして、土地取引による利殖のカラクリ、社会悪ともいうべき地価高騰のメカニズムを描出する。土地狂騒曲に踊り、踊らされ狂奔する人間の欲望と無常の姿を描いた経済小説の傑作。 ※本書は一九八一年五月、講談社より単行本として刊行され、八四年十月、同社にて文庫化された『土地に向って突進せよ』を改題して刊行したものが底本です。
  • 柳生兵庫助 1巻
    完結
    4.5
    柳生石舟斎の孫・柳生兵介(後の兵庫助)は武芸に励みすくすくと成長していた。ある日柳生の里にやってきた流れ者に遭遇し、7歳の兵介は初めて人の肉を切ることになるのだが…
  • 大わらんじの男(一) 八代将軍徳川吉宗
    3.0
    紀州藩主徳川光貞の四男・新之助は、天与の武勇と慈愛に満ちた言動で、幼少期より家臣の信頼を得ていた。だが、所詮は他藩の婿養子になれるかどうかの庶子。藩主の座など望むべくもなく、自らを律して生きようとするが、綱紀粛正と財政改革を望む臣下の密謀により、人生最大の転機を迎える。八代将軍吉宗の波乱に満ちた全生涯、瞠目の第一部。
  • 暗殺の城(上)
    5.0
    家康の「首」は必ず取ってみせる! 今川氏真の戦略的拠点、遠州・高天神城。天下統一のために詰めを急ぐ戦国大名・武田勝頼、織田信長、徳川家康はこの小城に異様な執着を示した。女忍者・うのは城の警備にあたっていた父の牛之助が家康に切腹を命じられたことから、武田方に寝返ることを決めた。名も無き者の慟哭を描いた出色の戦国歴史小説。
  • 異形の将軍 田中角栄の生涯(上)
    3.8
    田中角栄は、大正七年に新潟県刈羽郡二田村(現・西山町)に生まれた。吃音に苦しむ少年時代、軍隊で苛められる青年時代をおくるが、二十八歳で国政の舞台に登場するとたちまち頭角を現し、やがて小学校卒の革命的政治家として永田町に君臨する。三十年以上にわたり日本を支配する道路特定財源などの戦後システムはいかにつくり上げられたのか。
  • 乾坤の夢 上
    -
    『下天は夢か』『夢のまた夢』に続く「夢」三部作の掉尾。ついに日本六十余州を掌中にした天才治世家、徳川家康の生涯に迫る――。 慶長三年八月、豊臣秀吉薨去の時、朝鮮に残留する日本軍は六万五千人。家康は秀吉の死を伏せたまま、全軍撤退させようと手だてを講じるのだった。無事帰朝した大名たちの間に起こる対立を利用して、次第に勢力をのばす家康。戦機を待つ野戦の名将は、ついに五十九年の生涯を賭けた大博打に出る。津本版徳川家康の壮大なる幕開け。
  • 幕末維新傑作選 最後の武士道
    3.0
    現代の日本が忘れてしまった武士道の有りよう、永遠に語り継ぎたい日本男児の生きざまがここにある! 坂本龍馬、陸奥宗光、西郷隆盛ら、幕末を生きぬいた志士たちの肖像。土方歳三に見込まれた新選組の隊士、天覧のもと兜割りを成し遂げた日の本一の剣豪、西南戦争を闘う薩摩軍兵士ら、維新の動乱を駈けぬけた剣客たちの肖像を描き上げた逸品ばかりを収録。歴史小説の大家が自ら厳選した力作短篇集。
  • 龍馬の油断 幕末七人の侍
    3.0
    撃剣家として知られた坂本龍馬は、人を斬るのを厭いピストルを常に所持していた。彼が池田家でみせた油断とは? 父の失脚で辛酸を舐めた少年時代をおくり、勝海舟のもとにきた陸奥宗光の剣。ほか山岡鉄舟、吉田松陰など、幕末維新の世にひと際光を放った七人の剣士たち、それぞれの剣の道を枯淡の筆致で描く短篇集。
  • 地獄への階段
    3.0
    神野泉と菱田隆三は、あやしげな不動産会社「世界不動産」の新人研修会で知り合った。一流の銀行員だった神野とトップ電機メーカーに勤めていた菱田は、それぞれ在職中に詐欺にひっかかり、退職を余儀なくされた、人生の挫折者だった。あぶれ者ばかりの「世界不動産」に再就職した彼らは、たまたま支店が置き忘れた千五百万円を持ち逃げし、かつて自らを罠に陥れた取り込み詐欺の完全犯罪を計画、被害者から加害者へと変身するが……。実際に起きた知能犯罪に鋭く迫る、長編犯罪小説。
  • 天翔ける倭寇(上)
    3.0
    平戸の領主の庇護を受けて、大明の沿岸に跳梁する大海賊・王直の手下となった源次郎は、天文十七年(一五八四年)、大量の鉄と硝石を紀伊雑賀の荘に持ち帰り、雑賀鉄砲衆二十五人の若者を連れて、再び平戸へ向かった。鉄砲伝来直後の乱世のただなか、さまざまな思惑を抱いて大陸へ渡った若者達の夢とロマンと郷愁の情を描いた、海洋冒険時代小説の傑作。
  • 明治撃剣会
    5.0
    魂消える、作品集。 語り草となった太刀風がよみがえる、剣豪小説の醍醐味をいま再び! 明治七年、和歌山へきた撃剣興行一座の一番の遣い手に賭け試合を挑まれた旧幕臣の腕の冴えを描く表題作ほか、著者が剣豪作家として活躍する契機となった、現代の道場破りに息を呑む「孤独な武者振り」、新撰組外伝といえる「祇園石段下の血闘」など全八篇。太刀風鋭い剣技描写が光る、新鮮で骨太な作品集。
  • 合気を極めた男・佐川幸義 孤塁の名人
    3.0
    指1本で大男を吹き飛ばす合気を極めた男・佐川幸義。 「大東流合気柔術」を実際に体験した著者が名人の生涯と合気の秘密に迫る。 わずかに身体を動かすだけで、つかみかかる猛者たちを宙に吹き飛ばす「大東流合気柔術」。 その創始者である武田惣角から直伝を受け、さらに高みを目指した伝説的師範・佐川幸義。 彼の魔法のような強さはどこから来たのか? 1998年に95歳で亡くなるまで、10年にわたって師事した著者が、高弟たちの証言をもとに描いた本格評伝。
  • 楠の立つ岡
    -
    旧家の末子に生まれた長坂進吉は、家族の深い愛情を受けて育つが、多感な少年期を太平洋戦争下に送る。出征という近い将来の現実が突きつける「死」への予感。それでも生きんとする進吉は、やがて勤労奉仕隊に動員され、生涯忘れえぬ昭和二十年一月十九日の空襲に遭遇する……。少年の成長を通して描かれる人間の運命が心を揺さぶる自伝的長編。
  • 則天武后(上)
    3.0
    世界最大にして最強国家「唐」。その基礎を築き上げた太宗の後宮には三千人の女官がいた。その一人、則天武后の類い稀な容姿は三代皇帝高宗の寵愛を得て、やがて太后の地位に。だが、その野心はとどまるところを知らなかった。不敗の軍や狡猾な官僚を抑え、武后は名実ともに権力の頂点に登りつめる。その苛烈な生涯を描いた中国歴史小説の名品。
  • 泥の蝶 インパール戦線死の断章
    3.8
    太平洋戦争末期の昭和十九年三月、インドを英国領から解放し、新政権樹立を目論む日本は運命の一戦に打って出る――インパール作戦。後に「無謀な作戦」の代名詞となった戦いは、補給路を軽視したため夥しい餓死者を生む修羅場と化した。渦中にあった若き兵士たちが胸に秘めた、愛する家族、母国への想いとは何だったのか? 心揺さぶる魂の戦記。
  • 天狗剣法 法神流 須田房之助
    -
    法神流は江戸後期、上州(群馬県)赤城山で楳本法神(うめもとほうしん)が創始した実戦的剣法。門下3千人といわれ隆盛を誇ったが、その剣名を江戸にまで轟かせたのは、2代目・須田房之助である。房之助は少年時代から、近在では太刀打ちできる相手がいないほどの暴れん坊だったが、楳本法神が放浪から戻ってくると、完膚なきまで打ちのめされる。降参し、教えを乞う房之助だったが、その修行たるや言語に絶する激しいものだった。やがて「赤城の天狗」と異名をとるほどの無敵の剣士となった房之助は、前橋に道場を構え、つづいて江戸へ進出する。しかし最強を誇り、道場が急速に門弟を増やし始めると、他流から執拗かつ卑劣な陰謀を仕掛けられる。剣で勝ち目のない彼らは、鉄砲で暗殺してまで房之助を亡きものにしようとするのだが……。百年後の昭和4年の天覧試合で流派出身の剣士が優勝。現代にまでその名を響かせた法神流の、最強剣士の生涯を描く。

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  • 剣豪血風録
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    剣一筋に生きた凄まじき男達がいた! 本書は、剣豪小説の第一人者が、戦国期から江戸初期にかけて活躍した高名な剣客たちの逸話を鮮やかに描いた短篇小説集である。飯綱の妖術を遣う敵を一瞬にして倒した塚原卜伝。薪一本で剣客を手玉に取った富田勢源。思いのままに敵を御し、戦わずして勝つ伊藤一刀斎。武田晴信・長尾景虎らがその武勇を讃えた法体の名人・佐野祐願寺、島津藩のお家流示現流を天下無敵の剣法に育てた東郷重位。将軍家兵法師範を務め、天下に敵なしと言われた小野次郎右衛門、「直立ったる身の位」によって剣術を変革した柳生兵庫助。燕返しの大技を遣う佐々木小次郎を、枇杷の木刀で一撃で倒した宮本武蔵。杖ひとつで骨まで打ち砕き、相手を“速死”させる柳生十兵衛。高田馬場の血闘で獅子奮迅の働きをし、赤穂藩士としての吉良邸討ち入りで勇名を馳せる堀部安兵衛。迫真の描写で、10人の剣客の強さの真髄を切れ味よく浮き上がらせた一冊。

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  • 「本能寺の変」はなぜ起こったか 信長暗殺の真実
    4.0
    1巻638円 (税込)
    天正十年、破竹の勢いで天下統一に迫りつつあった織田信長は、志半ばで京都・本能寺の炎に消え去った。信長の忠臣であった明智光秀は、なぜ主君に牙を剥かなければならなかったのか。豊臣秀吉、徳川家康、朝廷……、光秀の背後に黒幕は存在したのか。『下天は夢か』で信長旋風を巻き起こした著者が、豊富な史料をもとに「本能寺の変」の謎に肉迫。日本史上最大の難事件が、ついに決着の時をむかえる!? 解説・安部龍太郎
  • 鉄砲無頼伝
    2.0
    1543年、鉄砲伝来。紀州根来の津田監物は種子島領主、時堯より譲り受けた鉄砲を量産するとともに日本最初の鉄砲集団を形成した。その数、三千。精鋭たちの弾丸は、轟音とともに他を凌駕する。機を見るに敏、主をかえ、金銀財宝をほしいままにしつつ、凄絶な戦いの日々を生きた傭兵たち。群雄割拠の乱世に圧倒的な軍事力を持ちつつ、天下統一の野心よりも、思いのままに生きることを選んだ男たちの、自由奔放な生きざまを描く渾身の歴史小説。
  • 過ぎてきた日々
    5.0
    1巻638円 (税込)
    日本民族は、なぜ没落しても、再び繁栄を取り戻すことができたのか。その理由を確かめ、あとに残った日本人に自信を持たせ、先に旅立った先祖たちに報告したい。己の文学への矜持とその原点を明らかにする自伝小説。
  • 虎狼は空に 上 小説新選組
    -
    幕末の京都に江戸から上洛した浪士たちは、いかにして暗殺集団へと変貌していったか。市中警護に飽きたらず、厳しい規律のもとに敵対者たちを容赦なく斬り捨てていった血まみれ軍団「新選組」の実像に迫る傑作長編!
  • 武神の階 上 新装版
    -
    下剋上で越後を支配した父・長尾為景の死から7年。元服した景虎は、地侍の反抗を制圧するため栃尾城に出陣した。一糸乱れぬ用兵で大勝を収め、14歳にして指揮官として非凡の才を発揮する。毘沙門天の化身と恐れられるようになった景虎は兄に替わって長尾家当主となり、春日山城に入った。名実ともに越後国主となった景虎に、宿敵・武田信玄との対決の時が迫る。乱世に、至誠を貫いた聖将・上杉謙信の生涯を描く戦国歴史巨編。
  • 虎狼は空に 小説新選組
    5.0
    「新撰組を描いた小説はこれまでにおびただしい数になるであろうが、津本氏のこの長編の特徴は、新撰組をあくまで非常な暗殺集団として容赦なく描き切ったところにある」(解説・桶谷秀昭) 幕末の京都、江戸より上洛した浪士組が殺人集団へ変貌していく。 敵対する者は斬る、隊規を乱す者は斬る。士道不覚悟は切腹。 新撰組の殺伐たる実像を新視点から活写した力作長篇。
  • 信長影絵(上)
    -
    すべては、母に疎まれたことからはじまった 渇いた心が信長を天下統一へと駆り立てた。「下天は夢か」から四半世紀を経て、より深い人間解釈によって描かれる津本文学の集大成。
  • 徳川吉宗の人間学 変革期のリーダーシップを語る
    -
    元禄バブルを生き抜いた男・吉宗。人気時代小説家が読み解くスーパースター吉宗の手腕と戦略――元禄のバブルに挑み、享保の改革を断行。大胆なリストラクチャリングを行った、八代将軍・徳川吉宗。情報網を掌握し現状分析能力にすぐれた吉宗こそ、現代に通じるリーダーシップではないだろうか。『大わらんじの男』の津本陽、『小説徳川吉宗』の童門冬二の二人が、書かれざる吉宗の成功と失敗の真実に迫る快著。
  • 歴史に学ぶ
    5.0
    いま、こんなリーダーが欲しい! ――時代を動かす人間の力!  安定より発展を指向した信長、時流に乗った強運の秀吉、用心深さと謀略の家康。この戦国三傑をはじめ、幕末動乱期の龍馬や隆盛、そして中国・奏の時代の英傑まで、時代を切り開いたリーダーたちの知力眼力を、歴史小説家・津本陽が独特の視点で縦横無尽に語りつくす、力作エッセイ。
  • 明治兜割り
    -
    幕末の明治を舞台にした、津本版剣豪小説の精粋。侍としての意地をつらぬく生涯を送った「最後の剣客」こと榊原鍵吉が、明治19年11月10日、明治天皇天覧のもとに行なった一世一代の鉢試しを描く表題作に、維新前夜の西郷隆盛を描く「野に死する魂」、剣客の若き姿「近藤勇、江戸の日々」、「剣光三国峠」「うそつき小次郎と竜馬」「紀伊のはやぶさ」の6編を収録する。
  • 勝つ極意 生きる極意
    -
    絶対不敗の勇者はいかにしてつくられたか? 趣味尽きない歴史人物エッセイ。人生ここ一番の勝負で勝った男たち――絶対不敗の人間は、いかにしてつくられたか……。宮本武蔵、大石内蔵助、徳川吉宗、山岡鉄舟など、史上稀なる剣客、名将、大器量人の、厳しい自己鍛練。剣の奥義が処世の指針となる道理と、「勇」に尽きる必勝法。剣の実践者の著者にして初めて可能な、合理的で躍動感にみちた語り口の、興趣つきない歴史エッセイ集。
  • 秀吉私記
    -
    天下人、秀吉の魅力に迫る! 巧みな人心掌握術、強運のつかみ方、勝つ男の器量を問う必携の書。日本一の出世男とは!? ――乱世の三大英雄こと、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。なかでも、尾張・中村の足軽の家に生まれた秀吉は、信長に仕え、その遺志をついで天下を統一、栄耀栄華を極めた、日本一の出世男でもあった。その器量、人心掌握術、強運のつかみ方を、戦国武将を描いて随一の筆者がつづる。魅力あふれる秀吉を語り尽くした歴史人物論。
  • 武蔵と五輪書
    5.0
    凡俗を超越した達人の心技の妙。現代人に最高の処世訓――生涯60余度の真剣勝負に勝ち続けた宮本武蔵が、「二天一流」の奥儀を後世に残すために記した「五輪書」。兵法の世界のみにあらず、人生全般にわたる処世訓と読める、普遍の広がりをみせる練りぬいた名著述である。この、宮本武蔵の心と技を、剣道三段の津本陽がわかりやすくときあかす、極めつきの現代語訳。
  • 日本剣客列伝
    -
    剣豪10人の実践の模様を再現する迫真の力作――誰がいちばん強いのか? みずから剣道の達人でもある著者が、日本歴代の名だたる剣豪から10人を選んで、実戦の模様を臨場感あふれる筆致で再現する。塚原卜伝・小野次郎右衛門・東郷重位・柳生宗矩・宮本武蔵・千葉周作・男谷信友・仏生寺弥助・近藤勇・榊原鍵吉らの実像が生き生きと甦る、津本版新剣豪小説の精粋。
  • 危地に生きる姿勢
    -
    自由に、悔いなく生きた男たちの人生は、どのようなものであったのだろうか? 逆運に立ち向う男の生き方を考える――宮本武蔵、塚原卜伝、伊藤一刀斎などの、激烈な闘争の半生と不動の境地を考える時、16歳の昭和20年1月、動員先の川崎航空機工場で受けた、戦慄の空襲体験を思い出す時、故郷・片男波の海が育んだ、命を賭けて逆運に立ち向かう男たちを知る時……、著者の胸に去来するものを、熱く静かに語る、滋味あふれるエッセイ集。悔いなく生きる、自信と備えを考える名著。サラリ-マンをやめ、無一文で帰郷してからの激しい星霜と、敵を回避することを潔しとしない性分、男として守らなければならないものを、静かに語る!
  • 幕末剣客伝
    -
    元新撰組隊士の生々流転。もう一つの維新史――明治5年旧暦3月はじめ、東海道・浜松宿、日暮れどき。軒を連ねる旅籠(はたご)町で、狼藉をはたらくごろつきたちの前に、ヌッと立った一人の土族。元新選組隊士・中島登。剣士の体の中を走る熱い血のたぎりは、登を東京へ向かわせた。幕末から明治へかけ、激動の時代を生きた男の、生々流転を見事に描く。もう一つの維新史。
  • 前田利家(上)
    3.5
    戦国の世を生き抜く、前田利家の華麗なる生涯――戦国の世を生き抜くバサラ武者・前田利家の、華麗な生涯を描く、傑作長編。天文7年、尾張・荒子城主の四男として生まれた利家は、織田信長の小姓として、初陣で2つの首級をあげ、近習に加わる。信長の勘気を蒙るが、桶狭間合戦の手柄により許され、その後ライバルの秀吉とともに、着々と出世の道を登るのだった! <全3巻>
  • 旋風陣信長 変革者の戦略
    -
    決断と行動の人・信長に学べ! 変革の時代をいかに生き抜くか? 大胆にして痛快・津本史観とは? 天下人・信長の行動学――城下を開放し楽市楽座で経済を、鉄砲・鉄甲戦艦により軍事を、叡山・一向宗徒を制圧して人心を掌握……。天下布武を成し遂げた尾張のうつけ者・織田信長も、父を継いだ直後は、周辺諸国の前に家中の敵を倒さなければならなかった。変革期を生き抜くために、何をなすべきか。決断と実行の人、信長に学ぶ、超現代人の行動学。
  • 武田信玄(上)
    -
    1~3巻660円 (税込)
    武田騎馬軍団の比類なき実力と、信玄の決断! 嫡子である自分を疎んじて、弟・信繁を寵愛する父・信虎を駿河に追放したのは、信玄21歳の時。妹婿の諏訪頼重を滅ぼし、信濃経略の目途をつけた信玄に、やがて、宿命のライバル・上杉謙信が、決戦を挑んでくる。武田三代の栄枯盛衰を、圧倒的迫力で描く、歴史長篇。<全3巻>
  • 修羅の剣(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    著者が発掘した、幕末随一の天才剣士・仏生寺弥助の、短くも凄絶なる生涯。越中氷見仏生寺村の貧農の小せがれ弥助は、機縁を得て、同郷の剣士・斎藤三九郎に剣の手ほどきを受けた。将来を誓ったお里の非業の死を契機に、弥助は、江戸へと逃亡した。めざすは三九郎の兄、斎藤弥九郎の神道無念流道場・練兵館である。<上下巻>
  • 鬼の冠 武田惣角伝
    -
    一瞬の技に生涯を捧げた男! 幕末から昭和を生きた大東流合気柔術の達人、闘いと漂泊の日々。武道の神髄は合気にあり。極みを追い続けた生涯。 幕末、会津の神主の子として生まれ、明治維新後、会津藩家老をつとめた西郷頼母より大東流の武術を学んだ武田惣角。若き日に武者修行の旅に全国をめぐるが、折しも鹿児島の西郷隆盛が挙兵したとの報が。惣角は西郷軍に参加する覚悟を決めるが…大東流柔術の中興の祖となり、合気を極めた武術家の熾烈な闘いと、漂泊の生涯を描く傑作歴史長編! 解説/菊池 仁
  • 信長の傭兵
    -
    鉄砲と天下。戦国を撃て! 鉄砲集団が挑む天下布武の戦い! 天下の覇権を賭けた鉄砲集団の壮絶なる戦い種子島から鉄砲を持ち帰った津田監(けん)物(もつ)は、紀州・根来衆を率い、日本初の鉄砲集団を組織した。諸国の大名から傭兵として重用され、その名は天下に轟く。やがて、最大の新興勢力である尾張の織田信長も根来衆へ加勢を仰ぐ。監物は信長とともに、天下布武の野望に向け戦場を駆け巡った。そしてついに信長最大の敵・本願寺勢との決戦に挑むが……!?
  • 人斬り剣奥儀
    -
    薩摩の激烈な気風の中で示現流に入門し、朝に三千回、夕に八千回の立木打ちの修練を繰り返した篠原十内の壮絶な死に様。柳生連也・宗冬の将軍家光御前仕合の勝負を分けた「身の位」。人斬り半次郎と恐れられた時代の桐野利秋の剣技……。生と死の狭間でしか生きられない男たちが、戦いの中で辿り着いた境地とは。剣の天才たちによる究極の技を、凄みに満ちた筆致で描く、十篇の傑作剣豪小説集。

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  • 伊賀忍び控え帖
    3.0
    世は梟雄・松永弾正(久秀)が台頭し、戦国の乱れが深まる時代――忍者の里として知られる伊賀では、人間離れした手練れの忍術を遣い、「闇の仕事」を請け負って乱世をしたたかに生き抜いた男たちがいた。伊賀者・遠山太兵衛は、遙か遠くを見通す「天眼通」、人の心を読む「他心通」など、厳しい修練で会得した特殊能力によって、一人の主君を求めずに己の力だけを頼りに生きる。他の忍者集団との激しい死闘、戦国大名を罠に嵌める見事な手口など、自由と背中合わせの危険のなかで闘い続ける太兵衛らの生き様は、手に汗握る波乱の展開に息つく間もない。歴史小説・剣豪小説の大家である著者が、「史実」に近い伊賀忍者の実像を踏まえつつ、極上のエンターテインメントに仕上げた長編小説。既存の忍者像を一変させ、緊迫の展開に胸躍る傑作に仕上がっている。

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  • 雑賀六字の城~信長を撃った男~(1)
    -
    時代小説の大家・津本陽×戦国漫画の新旗手・おおのじゅんじ 信長を撃て!!狙うは魔王織田信長!!雑賀の青年七郎丸の鉄砲が火を噴く! 元亀元年――。天下統一を強行する織田信長が 浄土真宗総本山・石山本願寺と激突。南無阿弥陀仏の大旗のもとに集結したのは 戦国最強の鉄砲集団「紀州雑賀衆」であった。雑賀衆は、戦国時代に新兵器とされた鉄砲を巧みに扱い、仏敵・信長を苦しめる。天正四年、雑賀年寄衆の末男 小谷七郎丸は船上で初陣を迎える。血風吹きすさぶ戦地が彼を武者へと変えていく。
  • 身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎
    3.0
    戦国武士は、俸給のためなら主を変えたが情で結ばれた主君のためには、命を賭けた。家康の抜擢で紀伊徳川家の礎を築いた勇将・安藤帯刀は、諫言も辞さず、切腹覚悟で幼き主君を守り抜く。一方、伊達政宗を奥州の覇者に押し上げた智謀の人・片倉小十郎は、若き主君の器量を最大限に活かすため、主君の病んだ右眼を自ら抉った。己を捨て、主のために戦い抜いた名臣たちの清々しき生き様!

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  • 鎮西八郎為朝
    4.0
    波濤を越えて京をめざす、源為朝の強弓武勇伝――源家の嫡流に生れた源為朝は、2メートルを越す長身に巌(いわお)の筋骨、八人張りの強弓を楽々と引く超人であった。若くして都を追われ、たちまち九州を征したが、保元の乱の京によび戻される。不本意な合戦に敗れて伊豆大島に流されるが、そこには……。南の海に自由を得た清々しい英雄、武者の理想を描く長篇小説。
  • 不況もまた良し
    3.0
    徒手空拳、九歳で和歌山の農村から出た松下幸之助は大阪・船場の自転車店で働き、商売を体に叩き込んだ。やがて自ら考案した改良ソケットの工場を創業、親族会社から、世界の頂点に君臨する企業グループを作り上げた。戦前から戦後まで、想像を絶する不況をバネに、独創的な発想で日本経済を牽引したカリスマの生涯を描く画期的歴史小説。
  • 覇王の夢
    3.0
    天下統一を目前に、朝廷の権威を決定的に貶める大改革を推し進める信長。だが、運命の日、逆臣・明智光秀に急襲された彼は、非業の最期を遂げる――。光秀が謀反を企てた理由とは。信長の驚くべき改革とは。天下統一の先に思い描いた究極の夢とは。稀代の権力者をめぐる最大の謎に、歴史小説の第一人者が迫る傑作史伝。津本版信長公記、完結編。
  • 開国
    -
    弾丸に晒しを巻かなければ使えぬ大砲――。異国船の襲来に備え、江戸湾防備を命じられた武州忍藩主・松平忠国は衝撃の事実に戦いた。永らくの泰平が招いた失態とはいえ、これでは夷狄を追い払えない。日本に未来はあるのか。幕政の再建に奔走する忠国をはじめ、未曾有の国難に立ち向かう吉田松陰、佐久間象山らの奮闘を描く感動の幕末群像記。
  • 加藤清正 虎の夢見し
    3.3
    幼くして父を亡くした虎之助(加藤清正)は縁者である羽柴秀吉に小姓として取り立てられるや、大男ならではの腕力と冷静な判断力で立身の道を突き進む。だが、時は戦国動乱期。想像を絶する試練が彼を待ち構えていた。本能寺の変、朝鮮出兵、関が原の戦い……報恩を胸に、戦乱の世を駆け抜けた男の人生と謎めいた末期に、新たな光を当てる歴史巨編。
  • 塚原卜伝十二番勝負
    4.0
    剣の極意を求める壮絶な決闘を描き、剣豪小説に新しい息吹をもたらした会心作。剣の聖地・鹿島に生まれ、香取神道流の奥儀を極めて、17歳で武者修行の旅に出る。めざすは、諸流達人の集まる京都だ。一人の若者が古今無双の剣士と称されるまでの名勝負をリアルに描き、謎多き塚原ト伝の実像に迫る、長編力作。
  • おおとりは空に
    -
    大老・井伊直弼の、茶人としての顔! もうひとつの幕末史! ――大老として幕府の威権回復のために挺身し、46歳で刺客の刃に倒れた井伊直弼(いい・なおすけ)は、名著「茶湯一会集(ちゃのゆいちえしゅう)」を残した茶人・宗観(そうかん)でもあった。彼が深い交誼(こうぎ)を結んでいたのは、裏千家11代家元・玄々斎宗室(げんげんさい・そうしつ)。名門・松平家の生まれ。千利休の影を求めて茶道の道をたどりつつ、波乱の世にはばたいた男たちを描く、もうひとつの幕末史。
  • 独眼龍政宗 上
    3.0
    戦国の世、群雄割拠する奥州で、名家・伊達家に生を受けた政宗。知謀と剛胆さを発揮し、天下を狙う若武者へと育つ。乱世の覇王を夢見、山河を駆け巡る猛将の前に、豊臣秀吉、徳川家康が立ちはだかる。政宗の前途は?
  • 新釈 水滸伝(上)
    -
    中国・北宋、徽宗の時代。悪政に堪え忍んできた庶民の怒りは爆発した。「もはや奸賊どもの言いなりにはなれん!」--悲壮な決意で豪傑たちが梁山泊をめざす。中国古典の傑作に歴史小説の大家が挑む、待望の文庫化。
  • 下天は夢か 一
    3.3
    群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた…。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。全4巻。
  • 乱世、夢幻の如し(上)
    3.0
    1~2巻683円 (税込)
    一代の風雲児・松永弾正の生涯! 阿波の三好長慶に目をつけ、その懐に飛び込んだ弾正。戦国乱世を生きる男たちの魅力! ――傑作『下天は夢か』で雄渾な織田信長像を見事に描き切った著者が、信長の原型をなす下剋上の雄・松永弾正の生涯に挑戦! 公方御庭者・久四郎、後の松永久秀は、混沌とした畿内の情勢を窺っていたが、阿波に勢力を張る三好長慶の懐に飛び込み、次第に寵を得ていく……。戦国乱世に生き抜く武将たちの魅力! <上下巻>
  • 雑賀六字の城
    4.5
    負ければ皆殺し。生きのこりをかけた戦いがはじまった! 元亀元(1570)年9月。大坂石山本願寺から反信長の檄文が各地に発せられ、紀州雑賀の荘も立ち上がった。得意の海上船や銃撃戦で抵抗する雑賀衆に、信長は圧倒的な軍兵をもってひねりつぶしにかかる。雑賀衆頭領の息子・七郎丸は、将来を約した幼馴染おみつを想いながら銃弾と血風のなかで成長していく。
  • 弥陀の橋は 上
    -
    凡夫往生とは? 己にとらわれる心とは? 開祖・親鸞聖人の教義の源流に、熱心な門徒である著者がせまる。 幼い頃から念仏三昧に過ごしてきた二九歳の範宴は、念仏聖・法然の庵室を訪ねる。教団を組織せず、無学の人々に仏の本願を説き続けた親鸞の、生涯の師との出会いである。 その後、愛妻・恵心尼を得、配流の身で地下(じげ)の民に交わる親鸞は、飢饉や戦乱にあえぐ庶民や武士たちが心の支えを求めていることを知り、関東へと旅立つ。
  • 薩南示現流
    4.0
    幕末京都の地で、勇猛とおそれられた示現流は、開祖・東郷重位が16世紀末、薩摩の地に定着樹立させた。京の禅院天寧寺で僧侶善吉の教えを受け、研鑽を積んだ重位の峻烈な生きざまを描いた表題作のほか、示現流達人たちの鋭き太刀風を現代に伝える剣豪小説集。「不敗の剣法・示現流」のすべて、ここにあり。 解説・武蔵野次郎
  • お庭番吹雪算長 上
    3.0
    服部半蔵の命を受け東海道を行く伊賀忍者・吹雪算長のすさまじき任務! 開幕直後。江戸は大都市建設の景気に沸きかえるも、いまだ整わぬ街には盗賊たちも跋扈していた。 治安維持にあたる伊賀二百人組の吹雪算長は、次々と襲いかかる強大な敵との闘いに明け暮れる。 もと北条家臣の鳶沢甚内、関八州を牛耳る風摩小太郎、そして脇差で頭蓋骨をも打ち破る坂崎出羽守。津本陽が描く、迫力の伝奇長編!
  • 男の真剣勝負
    -
    織田信長、徳川吉宗、渋沢栄一、金子直吉、山岡鉄舟、宮本武蔵ら歴史に名を残した男たちは、剣が峰に立たされた際、乾坤一擲の大勝負に出て、逆境を切り抜け、己の意地を貫いた英雄たちである。時代が混迷化する今こそ、彼らに学ぶ点は多い。「今、最も求められるリーダー」「官僚が学ぶべき人」「晩年にも機あり」など、歴史小説の第一人者が、現代によみがえる16人の英雄(サムライ)の実像とその魅力を描き切る。
  • 吉田松陰 異端のリーダー
    3.2
    吉田松陰は、維新史において果たしてどのように位置づけられるべきなのか、また現代においてはどうなのか――。異端のリーダー、松陰の生涯をていねいに検証し、独自の視点で「新たな人物像」を浮かび上がらせる。
  • 月とよしきり
    5.0
    天保八年。北辰一刀流玄武館で師範代を務める平手造酒は、師・千葉周作の命により、廻国修業に出た。油断により友を死なせ、道場を破門された。つまずき始めた造酒は、他流試合で破った水戸藩士の恨みを買い、祝言を挙げた藤が殺される。その後に妻としたおいとにも死なれ、自暴自棄になって酒におぼれていった。『天保水滸伝』で有名な伝説の剣豪、不運に見舞われ続けた、その知られざる半生。
  • 松風の人 吉田松陰とその門下
    -
    十一歳にして藩主・毛利敬親の御前講義を行い、才覚を現した吉田大次郎。のちに吉田松陰として松下村塾を主宰し、伊藤博文、山県有朋などの英傑を数多く世に送り出した男は、いち早く「海外」を意識した稀代の思想家であった。黒船襲来を機に勃発した国難に、驚くべき向学心と行動力をもって立ち向かった松陰の、波乱に富んだ生涯を描く傑作評伝。
  • 勝海舟 私に帰せず(上)
    3.8
    一八五三年、ペリー来航を機に外交政策で揺れる幕府に一筋の光を与えたのは、一介の小普請組・勝麟太郎が上申した「海防愚存書」。国防組織の近代化を訴え、老中の目に留まった意見書は、後に江戸城無血開城を実現させる男が世に躍り出る端緒となった――。坂本龍馬が師と仰ぎ、幕末期に日本再生の礎を築いた稀代の政治家の生涯を描く傑作史伝。

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