二見時代小説文庫作品一覧

  • 残月の剣 無茶の勘兵衛日月録3
    3.5
    無茶勘こと落合勘兵衛は帰途、浅草猿屋町で病に倒れていた一人の老剣客を助けた。医師によれば重い肝の臓の病で、余命は一ヵ月との診立てである。男の名は百笑火風斎。大和国吉野天河郷に住し、後村上天皇から位衆傅御組の名を賜り代々天皇守護の務めをする家柄という。驚く無茶勘だったが、やがて凄絶な藩主後継争いの渦に巻き込まれて……。
  • 火蛾の舞 無茶の勘兵衛日月録2
    4.0
    “山路亥之助を討て”江戸に着くやいなや「無茶勘」こと落合勘兵衛に下されたこれが秘命であった。親友で、次期藩主松平直明の小姓頭である伊波利三によれば、これは上意討ちではなく若君直々の密殺令であるという。山路は先の銅山不正事件で目付けを斬り大野藩を逃亡した男である。なぜ自分が? 政事の暗部が静かに勘兵衛を呑み込みはじめた……。
  • 山峡の城
    4.5
    「無茶勘」こと落合勘兵衛「武士は働くために食う。食うために働くものではない」と父孫兵衛に厳しく教えられて成長した。武を鍛錬し文に励む日々。だが、越前大野藩に不穏な影は忍び寄りつつあった。そしてそれは一人の藩士の斬殺体から始まった……。藩政に翻弄されながらも毅然として生きる父と子の姿を清冽な筆致で描く、著者渾身の教養小説(ビルドゥングスロマン)の傑作!
  • 誇 毘沙侍降魔剣1
    -
    徳川将軍家に連なる名門旗本の次男・松平清之介は武士の一分に懸けて「兜跋組」の頭目・竜崎沙王に単身、闘いを挑んだ。兜跋組とは、法では裁けぬ江戸の悪を賞金と引き換えに仕置する浪人集団である。清之介が一足一刀の間合いに入った刹那、沙王はさりげなく告げた。「このまま死なすにゃ惜しい。俺の組に入れ」
  • 初秋の剣 大江戸定年組1
    3.8
    三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。 時代小説の実力派が挑む市井小説の傑作!
  • 刺客の海 もぐら弦斎手控帳3
    3.0
    長屋の手習い師匠・弦斎の養女・お春が消えた。まだ這い這いしかできぬ赤ん坊だ。騒ぎのなか、脅迫状が届く。人足寄場から一人の無宿人を逃がせばお春を返すという。差出人には、覚えがあった。かつて縁のあった悪党にちがいない。弦斎は単身、人足寄場に潜り込んだ。そこは脛に傷もつ荒くれ男たちの巣窟だった。
  • ふたり写楽 もぐら弦斎手控帳2
    3.0
    手習いの師匠・弦斎が住む長屋の大家が東洲斎写楽の浮世絵を手に入れた。だが値が安すぎるうえに、落款が違っている。版元の見立てでは、写楽の絵であることは間違いないというのだが……。深まる謎のなか、「実は写楽は何者かに拐かされたのです」と、版元の主人・蔦屋重三郎が驚くべき秘密を打ち明けた! ミステリー仕立てで江戸の謎に挑む注目の時代小説第2弾!
  • 逃がし屋 もぐら弦斎手控帳
    3.3
    歴史ミステリーの俊英が鮮烈な着想で放つ時代小説の新シリーズ! 記憶を失い、長屋の子らに手習いを教える寺子屋の師匠弦斎には、隠密としての過去があった。ある日、本所深川の「なめくじ長屋」で一人の老人が殺された。老人の息子は旧友の十兵衛。かつて自分をかばって死んだ男だ。賊の目的は、十兵衛が遺した克明な捜査日誌だった。弦斎はふたたび巨大な悪に立ち向かう覚悟を固めるのだった。

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