小説 - マルキ・ド・サド作品一覧

  • 美徳の不幸
    4.0
    サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

    試し読み

    フォロー
  • 閨房哲学
    4.0
    老若男女を問わず、放蕩者と呼ばれる者にのみ、この作品が捧げられる。この作品の教えによって、われわれの精神を養い、それにつれて情欲も生き生きとするだろう。情欲の源こそ、幸福にみちびいてくれる唯一のものなのだから。辛らつな対話体で、若い娘に快楽と悪徳の本質を説き、またサドの反社会性の哲学が最も攻撃的、論戦的な形で露呈された希有な著作である。
  • 悪徳の栄え
    値引きあり
    3.0
    悪徳と淫蕩を重ね、快楽をむさぼる若い女性ジュリエットの姿を通して、性本能に対する鋭い観察を試み、人間の奥深く隠されている暗い未知の部分と自由の問題を、徹底的に追求した。貴族の家柄にありながら、当時としては悪魔的所業ともいうべき奇行ゆえに、その生涯の三分の一以上を牢獄で過したサドの代表作。1797年作。
  • 悪徳の栄え 上
    4.1
    美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれるジュスティーヌの物語と対をみなす、姉ジュリエットの物語。妹とは対照的に悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽くしながら、さまざまな悪の遍歴をかさねるジュリエット。不可思議な出来事につぎつぎに遭遇し、最後には悪の讃歌をうたいあげるその波瀾万丈の物語は、サドの代表作として知られる古典的傑作である。

    試し読み

    フォロー
  • 閨房哲学
    4.0
    快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。

    試し読み

    フォロー
  • 閨房の哲学
    4.0
    由緒ある貴族の家に生まれたマルキ・ド・サド(1740-1814年)は、数々のスキャンダルで入獄と脱獄を繰り返し、人生の三分の一以上を監獄の中で過ごした。フランス革命で釈放されたあと、『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』(1791年)を匿名で刊行して以降、精力的に書かれた作品の中で、本書はそのエッセンスを気軽に味わうことのできる絶好の一冊である。第一人者がついに手がけた究極の文庫版新訳、ここに完成。
  • 恋のかけひき
    -
    『悪徳の栄え』や『美徳の不幸』などによって、長篇作家サドの力量は、だれしも認めるところであるが、その才能は短篇小説にもおとろえることなく発揮された。本書は、愛する女と結婚するために、珍奇な方法を使って目的をとげる「恋のかけひき」、浮気男とその妻とのコミック「寝取られた男」など、当時の社会風俗を、鋭い風刺をまじえた軽妙洒脱な筆で描いた作品12篇を収録し、サドの広い文学的領域を感じさせ、その全貌を髣髴させる好短篇集である。
  • 恋の罪
    3.5
    五十篇にのぼるサドの中・短篇の中から選び抜かれたこの作品集は、澁澤龍彦が最も初期に訳出した作品も含まれ、長年にわたるサド翻訳の仕事の出発点をなしている。ことに最後に収録された「末期の対話」はヴァンセンヌ獄中で書かれた記念すべき処女作であり、「最初の無神論宣言」として知られる。短編作家としてのサドの力量を証明する名品集。

    試し読み

    フォロー
  • 食人国旅行記
    4.0
    許されぬ恋におち、駆け落ちをしてヴェニスにたどりついたサンヴィルとレオノール。二人はこの水の都で離れ離れとなり、互いに求めあって各地をめぐり歩く。――本書でサンヴィルが回想するこの冒険旅行は、波乱万丈の展開をみせるが、なかでも異彩を放っているのが食人国と美徳の国の登場で、ここにおいて、サドはそのユートピア思想を鮮烈に表現している。

    試し読み

    フォロー
  • 新ジュスティーヌ
    3.6
    身も心も美徳に捧げ、美徳のために生きようとしたがために、悲惨な出来事に次々と遭遇し、不幸な結末をむかえるにいたる美少女ジュスティーヌ。悪徳に生きた姉ジュリエットの物語と対をなすこのジュスティーヌの物語は、サドの代表作として知られる傑作である。ジュスティーヌの物語には三つの異本があり、本書はその最後の稿にあたる決定版である。

    試し読み

    フォロー
  • ソドム百二十日
    -
    時はルイ十四世治下の末期、「黒い森」の人里離れた城館で、悪名高き権力者プランジ公は弟の司教と友人二人を交え、彼らの絶対的権力に隷属した四十二人の男女とともに百二十日間にわたる性の一大饗宴を催す。強姦、男色、拷問、スカトロジー、虐殺という狂気の乱舞。性倒錯の総目録ともいうべき恐怖と戦慄のサド版“デカメロン”。他に偽作“ゾロエと二人の侍女”を収録。
  • ソドム百二十日
    3.4
    ルイ十四世治下の末期、殺人と汚職によって莫大な私財を築きあげたブランジ公爵と三人の仲間は、「黒い森」の人里離れた城館で、四十二人の男女とともに、百二十日間に及ぶ大饗宴をもよおす。ここで物語られる奇怪な話、くりひろげられる乱行、虐殺の数々を物語るサドの異色作「ソドム百二十日」は、さながら性倒錯現象の百科ともいえる傑作である。他に二篇収録。

    試し読み

    フォロー
  • 美徳の不幸
    3.0
    『悪徳の栄え』に登場するジュリエットの妹ジュスチーヌは、姉と正反対の信心深い美徳の持ち主であった。しかし、それゆえにありとあらゆる世の不幸に見舞われる。徹底的に陵辱され痛めつけられる盲目的なまでに無垢の魂を通じて描かれる、サドの思想の真髄。。バスティーユ牢獄の中で執筆された後、長く行方不明であった本作品の発見は、サド再評価のきっかけとなった。澁澤龍彦の香り高い名訳で触れる敬虔と官能、天国と地獄。

無料で読める小説

最近チェックした本