【感想・ネタバレ】紛争でしたら八田まで（１６）のレビュー

田素弘

地政学に基づいたチセイと、ちょっとの荒技（主にプロレス技）で事件を解決する地政学リスクコンサルタントの八田百合。パプア人女性・マデリンを苦しめる呪いの正体はインドネシアの国家分断を狙った「影響力工作」だった！嘘と呪いを打ち破るためのキーワードは「ナラティブ」！？
世界有数の多様性国家・スウェーデンでは、団地内で起こる「ご近所トラブル」を解決することに！多くの移民者が住むその団地では、スウェーデン出身者と移民者の間で揉めごとが絶えない様子。百合は、トラブルの中心にいる一人のスウェーデン人の頑固親父とクルド人のギャングスタラッパー集団に接触するが…。
日本で起きていることは、世界でも起きている。世界のことを知れば、日本のことも見えてくる。日本と世界の「今」が理解しやすくなる第16巻!!

[ブクログ · ★★★★★]

SNS等を用いた情報操作。ナラティブの悪用。
米大統領選やら、兵庫県知事選挙で見たことともリンクする話が描かれる。
漫画では、国家レベルの話としての影響力工作が描かれているが、選挙戦やらインフルエンサーなどなどのやり口にも繋がるものと認識した。
メディアリテラシーを身につけることと、社会課題のソフトランディングを進めるための広報、のあり方も、気をつける必要性感じる。
分断や問題を煽るのは、恐ろしい。メディアリテラシーというもの、本格的に勉強しないといけないかもしれない。

もう一編のクルド人問題、多文化共生についても、興味深い。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「ストーリー」が起承転結のある物語そのものを指すのに対し、「ナラティブ」は物語の語り方、特に語り手、聞き手が参加者になるような語り方を指す。　その事実認識を促し続ける事でレジリエンス（回復力）を高める事が何より重要　移民排斥運動を叫ぶ極右団体が支持を増やし始め　嫌ですそのコミュニティは右傾バイアス強すぎますよ　メソポタミアの豊穣な風が吹き抜ける　歴史の長いクルド人は独自文化と独自言語を持ち同化は不可能　米中経済の完全なデカップリング（経済分断）を目指します