あらすじ
「……このままでは、非常にまずいです」
『ティアラ☆スターズ』のライブ第2弾は大成功だったものの、オーディションでは連敗中。焦りから仕事へ打ち込む由美子に担任教師が突きつけたのは、模試の結果。今のままだと受験も声優業も共倒れ!?
加賀崎の勧めで学生生活へ専念する由美子。友人との勉強会や文化祭準備―-久々の”青春”はとても楽しくて。
「こんな風に、演技のことを一切考えない期間って初めてでさ」
素直に楽しむ女子高生・佐藤由美子と、不安を抱く声優・歌種やすみ。悩める彼女が目にしたのは、アニメもラジオも大活躍な千佳の姿で――。
進路に、千佳との関係に。心揺れる青春声優ストーリー第9弾!
【ギャル×根暗女子】相性最悪の女子高生アイドル声優による青春コメディ!!
偶然にも同級生な仲良しコンビのラジオ番組が開始!
しかしその裏では煽り合い、マウントの取り合いが繰り広げられていた!?
表と裏の顔がまるで違う彼女たちの、そんな修羅場が本作の見どころでもありますが、それだけではありません。
清楚で可愛い声優としてのキャラを演じることへの苦悩。
その他様々なトラブルに直面し「もう声優としてやっていけないかもしれない」。なんてことも。
しかし本心ではリスペクトし合っている彼女たちは、互いに支え合ってプロの声優として成長していく。
そういった部分がこの作品の本質となっています。
(百合的な雰囲気もあり「おまえら本当は仲良いだろ」とツッコミたくなること必至。)
どんなシーンでもシリアスになり過ぎることなく、するりと読める傑作です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
表面的にはいわば文化祭編とも言うべきお話なのだけどその実、由美子が声優であることの意味を見つめ直すお話かな。
作品クールの切り替えで声優としての仕事が途切れた由美子に受験勉強のこともあり加賀崎マネージャーからオーディションを控えるようにお達しが下る。
初めて仕事を気にせず高校生活に没頭する由美子。
文化祭の準備も重なって普通の高校生活がすごく楽しい。
そこには声優の苦しさも嫉妬も焦りもなくて、このまま声優でない生活の選択肢もあることを彼女は知るのだ。
自分にとって声優とは? 大学に行くこととは?
そんな悩みに充実の文化祭を終えた彼女は、答えを出すことになる。
ラストのその一言はわかっていても胸が熱くなる。
そう言えば、がっつり一巻使って由美子を描くのは久々な気がする。
決意を新たにした彼女の活躍を早くみたい。
Posted by ブクログ
高校の文化祭を主題にした回。
受験勉強もあり、オーディションを休止して学業に専念するよう加賀崎から言われた由美子は文化祭で出店、演劇をすることになる。思い通りにいかず苦しい声優の道と比較して高校生活は楽しくて…
オーディションには落ち続け、ライバルには前に進まれ、後輩には追い付かれて。苦しい声優の道と楽しい学校生活の対比が印象的な回。それはひっくり返ることはなく、大野や森ほどになっても声優の道は苦しいと言われる。「声優に安全圏なんてものはない」、「業界の先輩がどんどん少なくなり、自分が正しいか指摘してくれる人が減る」。この作品を読んでいると声優って本当にそうだなあと思うけど、これはどんなことにも当てはまることだと思う。年を取ると自分の意見や考え方を改めづらくなるというのもまさにこれで、常に向上心を持ち続けるということに帰結すると思う。それがすごくしんどくて難しいんだけど…
それに対比される学生生活では、勉強はしただけ成績が上がっていくし、文化祭の出店、演劇の練習は楽しいしで、声優を辞めてしまってもおかしくないくらいの差があるように思った。千佳が危惧した演劇はどこでもできてしまうということは、演劇は趣味でもできるけど、声優は仕事しかないということだろうか。演劇はサークルとか部活とか同好会とか、趣味の範囲で楽しむこともできるけど、声優ってそういうのないようなあ…と。楽しく演技がしたいだけなら苦しい声優の道を進まなくてもできてしまう。だが、文化祭が終わり楽しかったと振り返るものの、由美子は声優の道を進むことを加賀崎に告げる。もし委員長が体調を崩さず、委員長と由美子で演劇をして同じように大成功していたらどうなっていたんだろうか。結構そこも結末に関わってくるんじゃないかと思った。千佳と組んで演劇をして、千佳の演技のすごさを感じたからこそ、こいつと一緒の道を進みたいという気持ちを強く持ったんじゃないかと思った。