あらすじ
どちらかが噓をついている!?
再開発を進めるデベロッパーの前に
土地の権利を主張する者がふたり現れ……
“沽券”をめぐり、時空探偵は江戸へ飛ぶ!
沽券とは…
「コケン?」
宇田川が怪訝な顔をするので、解説してやった。
「江戸時代の不動産売買契約書みたいなものよ。それが現代で言う権利証の役割も兼ねてるの」(略)
「体面が傷つくことを、沽券にかかわる、って言うでしょう。その語源なのよ」
(本文より)
(あらすじ)
再開発のためにデベロッパーが取得しようとした土地に残る、所有権が曖昧な一角。そこに、権利者として証拠となる古文書を持つという、一人の老婦人が名乗り出てきた。さらに、土地の権利について記された沽券を所持する男まで新たに現れ……。江戸と現代で二重生活を送る時間旅行者のおゆうこと関口優佳は、デベロッパーから相談を受け、沽券の真贋を確かめるべく江戸で調査を開始する。
【著者について】
山本巧次
1960年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。第13回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』(宝島社)で2015年デビュー。他の著書に『開化鉄道探偵』(東京創元社)、『途中下車はできません』(小学館)、『急行霧島 それぞれの昭和』(早川書房)、『災厄の宿』(集英社)、「戦国快盗 嵐丸」シリーズ(講談社)、「大奥様陽だまり事件帖」シリーズ(徳間書店)、「蘭学小町の捕物帖」シリーズ(幻冬舎)、「奥様姫様捕物綴り」シリーズ(双葉社)、「新九郎」シリーズ(光文社)などがある。『大阪電車春秋 六色の線路』(西日本出版社)で二度目の大阪ほんま本大賞受賞。