あらすじ
この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。
GA文庫大賞、7年ぶりの《大賞》作品!
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
多数の伏線・シリアスとコミカルの絶妙なバランス!!
主人公の日本人が異世界に転生(転移)してしまう作品はよくあるが、本作は異世界側の少女が主人公のお話。
日本からやってきた人間は、殺さなければならない使命を負った処刑人の少女・メノウ。
彼女は当然のように日本人の少女・アカリの殺害を実行するが…
異世界転移の際に得た能力によってアカリは生き返ってしまう。
どうすればアカリを殺すことができるのか…
その術を得るまでメノウは彼女と行動をともにすることにした。
そんな中で起こるトラブルから展開されるバトルは中二感にあふれ、シリアスなお話の随所に女の子同士の百合百合しいやりとりが散りばめられた、なんとも言えない独特な雰囲気を醸し出している。
世界観もしっかりしていて、数ある異世界モノの中でもイチオシの一作。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
出てくる人がどいつもこいつも酷い。なので、相対的にメノウがマトモに思えてくるというおもしろい構成。
大賞受賞作品だそうで、2巻出す気満々なのなら、"第1巻"を冠してもよかったのでは?
P268 ここからのアカリは最大の見どころかと。わたしは違いますが、読書量の多い人ならある程度は読める展開(作者も匂わせで意図的か?)で進んできたのに、こう来るか?と。
メノウ、アカリ、モモの関係とその秘められた力とその力の組み合わせがみごと。互いに危険性を薄々と感じながらも同行するのに、変な緊迫感みたいなのが。「水戸黄門」って、テレビドラマが大昔にあったのですが、その中の風車の弥七が、一行と別行動をとって、かつ有能なことからモモみたいだなと。