【感想・ネタバレ】十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

11世紀末、第一次十字軍の奮闘により、聖都イェルサレムが占領され、中東に「十字軍国家」が成立した。しかしイスラム側の英明な領主たちの反撃を前に、キリスト教勢力は領土を失い、苦境に陥る。最後の希望を一身に集め、「癩王」と呼ばれた若きボードワン四世は、テンプル騎士団や聖ヨハネ騎士団の力を借りて総力を結集。「聖戦」を唱えるイスラムの英雄サラディンとの全面対決を迎えるのだった。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次十字軍とイスラム世界側の反撃が始まる話。
英雄とされるサラディンは、名前は知っていたが、相当の戦略かであるとかは全く知らなかった。
もっと残虐な人でイェルサレムの解放も相当な血が流れていると勝手に思っていたので読み進めるにつれて良い意味で裏切られた。
また、十字軍国家側は少しずつ能力の低い人が王になってしまう悲劇的な面があったというのも、物語として、面白かった。

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2019年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふとしたきっかけで知ったエルサレム国王ボードゥアン四世に
心惹かれるところがあり、彼に関する記述周辺を中心に読みました。

彼の王としての責務や難病から逃げない姿勢は
本当に勇気を与えてくれます。
環境ではない自身の心の在り方で生き方は変わるのだと。

ただ周囲の人間に良くも悪くも頼らなくてはならない状況が
彼の運命を大きく変えた部分も多々あると思います。
母や姉に、彼を支える気概やものごとの本質を見抜く教養があれば
また違っていたのでは。
特に姉が見目麗しい(だけの)夫を選んだことは、
弟の心を非常に傷つけたのではないでしょうか。想像すると本当に胸が痛みます。
一方で優秀な側近や高い忠誠心を持った兵士が集ったというのは
彼自身の優秀さや人柄をよく物語っています。
彼は病気に侵され崩れた容姿を隠していたそうですが
そんなことは気にならない位に生き方や心の在り方が
大変美しいものだったのではと思います。

生涯、サラディンという強敵の存在があったからこそ彼は国を守るために
これ程までに必死に命を燃やしたのではないかと思うと胸が熱くなります。

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2025年05月17日

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