あらすじ
働く女性たちを生き生きと描く、平安お仕事絵巻! 十六歳年下の帝から想われながらも、受け入れることはできないでいる伊子。元恋人、嵩那への想いを自覚しつつも、後宮で尚侍として働く日々に追われている。近く迫った大嘗祭での、五節舞の舞姫はそのまま後宮に勤めるのが慣例なので、人手不足を痛感する伊子は彼女たちが来るのを楽しみにしていた。ところがそこで一騒動起こり…!?【目次】第一話 人間なんだから十人十色/第二話 それでは面白くありません/第三話 自分自身が分かっていればよいこと/花万朶
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
伊子惑いまくり、揺れまくりのシリーズ第4巻
色々な意味でかわしきれなくなって来た。
尚侍として嵩那とともに後宮の様々な事件を乗り越え、帝と嵩那の人柄と気持ちを知れば知るほど、伊子の心の惑いも深くなる。
そんな伊子に惑っているのかと問いかける嵩那。
どうする伊子?
立場を考えれば口には出せない気持ちも時には堰を切る。
ひとの気持ちを利用しようと謀略を張り巡らせる女宮の心は恐ろしくも悲しい。
しかし、自分の立場よりも娘の幸せを純粋に願ってくれる父親の気持ちに謀略は効かない。
どうする伊子?
自分の気持ちに嘘はつけないよ。
やっと一歩を踏み出す踏ん切りが着いたみたいだね。
これからが大変だよ。読者としては続きが楽しみだけどね。
ここで出会いのエピソード入れるなんて、作者さん心憎いです。
Posted by ブクログ
尚侍・藤原伊子のお仕事+恋愛奮闘記第四弾。
主人公と式部卿宮、そして帝との三角関係が大きく動いた感がある。
また装束や儀式の描写も詳細を極めており、作者が平安時代の後宮生活についてのリアル感を心掛けているのがよくわかる。
ただ読んでいて、これは?と目が点になってしまった箇所が。
五節の舞姫は大嘗祭または新嘗祭、つまり公の神事に奉仕するわけで・・・まかり間違っても女性の<あの時期>の参加はありえない。
神事でなくとも日常的に<あの時期>の女房や女官は帝に伺候せず、自室に籠り身を慎んでいなければならなかった。
作者はそのタブーを理解していながらも驚くほどあっさりと破戒させている。
この展開には残念ながら違和感しかなく、できればなにか別の理由をつけてほしかった。