【感想・ネタバレ】天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『天山の巫女ソニン』第4巻。
舞台は江南国。沙維、江南、巨山の微妙な緊張関係が、経済問題と災害からの復興を下敷きにして緻密に、しかし分かりやすく描かれていて読み応えがある。
ソニンとイウォル王子だけでなく、江南国のクワン王子と巨山国のイェラ王女という食えないふたりに関しても、成長が丁寧に描かれていて魅力的。

0
2021年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この第4作は秀逸でした。

イウォル、クワン、イェラ。
三つの国の命運を握るこの3人が
初めて一堂に会し、三国の未来を
決めてしまいかねない大事を
収めてしまう。それぞれの正しさと
それぞれの欲望の狭間で揺れながらも。

彼らの心を救った者はやはり、ソニン。

策謀を自ら引き上げて戻ったイェラは
王に問い詰められる。

「お前はあの娘といると自分らしくない
行動をとる。あの娘が持つ、おまえや
わたしにはないものとは何だ?」

イェラは
『ソニンには確かに何かがある。しかし
それは何なのかわからない…』
と逡巡する。

ソニンが天山の巫女であったことの
重要な意味が、わかったような気がする。

ソニンは何かを持っているのではない。
欲望を持たないのだ。

欲望は時に人の感情にさざ波を立て
さらに大波となって自らを翻弄しさえする。

ソニンにはそれがない。だから彼女の
判断はいつもその時に応じて
最良のものになる。しかもそれは
人間として生まれ、王族として生き、
多くの人々の欲望にまみれた生き様に
触れ続けてきた3人には決して
たどり着けない判断なのだろう。

真の聡明さ。
欲望に裏打ちされることのない判断が
できるとしたら、ソニンが持つものを
言葉にすればそれなのかもしれない。

感情も欲望も持つことは許されず
夢見に正しい判断を下すために
膨大な知識をおさめた天山の巫女。

ソニンが天山で過ごした12年は
下界で生きる者には計り知れないほどの
尊い時間なのかもしれない。

だからこそこの第4作は読み落とせない。
なぜならソニンは人間として成長を始め
今は「自分の幸せ」は何かを探し始めている。

私が「不吉な伏線」だと思っていた、
下界に戻されたもう1人の天山の巫女レンヒは
実はソニンが欲望や感情をその心に育みつつも
聡明な判断を見失わないために、
なくてはならない存在…ソニンの
鏡なのかもしれない。

いよいよ第5作。
この物語を読み始めてよかった。

0
2016年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

台風で被災した江南に対する各国の態度、目先の欲に右往左往する民の浅はかさがよく見えた。
次代を担う王子や姫が活躍していた。
三国の関係がますます危うくなったけれどどうなることやら。

0
2021年10月30日

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