あらすじ
人気ファンタジー小説「天山の巫女ソニン」シリーズ、もうひとつの外伝。
陰謀により故郷も母も失った少年クワン。
のちに江南の第2王子となるクワンの波乱にみちた再生の物語。
江南【カンナム】の美しい湾を牛耳る『海竜商会』。
その有力者サヴァンを叔父にもち、何不自由なく幸せな日々を送っていた少年・クワン。
しかし、クワンが落としたアクセサリーがきっかけとなり、湾に毒が流される。
湾の海産物はすべて死滅し、混乱に巻き込まれサヴァンと母は亡くなってしまう。
すべてを失ったクワンのもとに王宮から迎えがくる。
江南王の隠し子であることを告げられたクワンは、王宮で暮らすことを決める。
そこであの混乱は、側室の子であるクワンを憎んだミナ王妃による陰謀によるものだと気づくが……。
多くの人々の心をひきつける江南の第2王子クワンの絶望と波乱にみちた魂の再生の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
<天山の巫女ソニン>の外伝、その2。
今度は南海の美丈夫クワン王子のお話。その境遇については本編の中でも語られているが、ここでは何不自由ない少年時代が暗転し王宮で暮らすことになった前後が描かれる。
言いつけを守らず都へ行って首飾りを失くしたことがきっかけで伯父が死に母を亡くし住み慣れた湾を離れることになるクワン。
直接手を下すわけではないがミナ王妃の横暴ぶりも彼女に対するヘスをはじめとする周りの忖度も江南王の愚鈍さも、この頃から変わりないんだな。
王妃に疎まれ無茶な任務を押しつけられるが、初仕事を手始めに次々と乗り越えて、王宮の外での人気を得ていくところも将来を彷彿させる。
湾が毒された謎を追ってちょっぴりミステリー調で進む話はセオとの関係がどのように築かれていったのかがよく分かる。テジク大臣やウィー王女とのエピソードも程良い加減。
今回、ソニンはチラとも出てこなかったね。どこかで見落としたかしらん?