あらすじ
~その村では人は必ず50歳で死を迎える~。村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。そして、不思議な山の民。杏が見つめる先には希望も絶望もある。この物語で描くのは、山下和美が抱く、日本という国への不安。
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テレビ番組でおすすめされていたので読みました。4人の神様に囲まれた村、それだけでも面白い設定ですね。最後のシーンには度肝を抜かれました。
Posted by ブクログ
その村では人は50歳で必ず死ぬ事になっている。
民俗学を下敷きにした話。舞台は四ツ神なる巨大な異形の存在が山に鎮座し里を監視する世界。その世界に住む人は50歳で必ず死ぬと定められている。
類似の傾向をあげるなら小説では「新世界より」、漫画なら「キミのカケラ」だろうか。江戸~明治あたりの近世日本かそれをモチーフにした架空の世界かと思って読み始めたらエゴやルールなどの外来語が普通に出てきて「ん?」となる。
その違和感こそ後々生きてくる重大な伏線であり、一巻ラストの驚愕の展開に繋がる演出が憎い。
主人公の杏は好奇心旺盛なお転婆娘、常識とされている事物や現象、固定観念に「なんで?」と純粋な疑問を持ち、その謎をとことん追求する姿勢が逞しくも魅力的。ころころ表情が変わってとても可愛い。
知命とは何か、四ツ神とは何か。
謎がちりばめられた不気味な世界観に引き込まれる。
この世界の人々は山に囲まれた世界で一生を終える、がんばってがんばって生きて死ぬ、そしておしまい。
だがその世界の実態が目に映るモノとまったく違うとしたら?
自分が生きる現実が真実じゃないとしたら?
絶対だと思っていたこの世の外にもう一つ別のリアルな世界があり、自分たちの世界がミニマムにしてコンパクトな実験場、マイノリティの流刑地だと判明した時、杏たちは存在の唯一性を失わないでいられるのか…
Posted by ブクログ
11巻で完結。
ともかく、開幕がゾクゾクするほど面白い。
何が起こっていくのか、なぜ、こんなことが行われているのか?
少女の「好奇心」という名の知的探究心が、そして、もう一人の少女の「怒り」が、やがて世界を掻き乱していく。
…ちなみに、物語の終盤、個人的に一番びっくりしたのは「銀次」の正体(その変わりよう)でした(^^;。
追記:
このマンガを読み始めて、似ている話があったけど、なんだっけ、と思い続けていたが、佐々木淳子の「ブレーメン5」だった。ユズの設定が、これと同じなんだよな。
Posted by ブクログ
新聞の書評で知ったコミック
山下和美さんといえば、「天才!柳沢教授」とか
絵も内容も好きなので、面白そうだなと期待
そして、期待は裏切られませんでした。
続きがあるようなので、楽しみ
SF
昔話に要に見せかけて実は近未来SFです。
このお話の展開の仕方は萩尾望都さんの「マージナル」っぽいかなぁと思いました。
ただいきなりタブレット渡されて使えるとかはないわー。