感情タグBEST3
高校の文化祭の出し物で、王子役になった男の子。彼が恋したのはお姫さまではなくて、背景の木と道具係を兼任するやさしい男の子でした。
タイトルが「王子と木」でないのはどうしてなんでしょう。
王子だけの木、だから?
王子にとって木は特別な存在だから?
木は王子にたいせつなものを与えてくれるから...続きを読む?
表紙や奥付や諸々含めて全30ページ。
このページ数で、誰かを好きになったときのせつなさとか、よろこびとか、すべてが表現されている気がします。
三田織先生の作品は、相思相愛のふたりが主人公でも、すべてがハッピーな感じではなく、ちょっとした不安や心配がさりげなくはさみこまれていて、たとえ短いストーリーでも奥行きを感じさせてくれます。
生きていくうえでたくさん辛いこともあるだろうけれど、王子と木のふたりだったら幸せに変えていくことができるのだろうな。
なんて幸せな気分になるのでしょう。心が癒やされます。高校生からのお付き合いで、末長く幸せに暮らしてほしい。
「王子の木」、「王子の木 クリスマス編」とふたつのエピソードが読めます。
高校時代の回想と、社会人の現在。
甘酸っぱい昔の思い出も大切にしつつ、今も変わらず想い合うふたりは、理想の恋人そのものだと思った。
木は王子をもともと好きだったのか、ほだされたのか、いつかそのへんのことも描いていただきた...続きを読むい!
王子のくせに、控えめで健気なキャラが大変つぼにはまりました。
何でもない日常のひとこまを特別なものに、登場人物ふたりの気持ちを崇高に描いている素敵な作品です。何もいらないとか普通は言えない。二人いつまでも幸せに。