【感想・ネタバレ】ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (1)のレビュー

本作は、現地の言語とコミュニケーション研究を専門とする学者かつ探検家の教授に師事しているが、そんな教授が現地調査の帰りに怪我をしたため、その現地調査の続きを任されることになり、早々に「現地」である「魔界」へ向かうことになった私、ハカバの手記、のような態を取りながら、ワーウルフの集落で落ち合った現地ガイドのススキとともにハカバが調査を進めていく様子を描いたコミックです。
1巻から既に、「言葉で意思の疎通を図ること」「文字があること(そもそも"文字"とは!?)」「食べるものの評価ポイント」などなど、目からウロコが落ちるような、そして「なるほど!!」と膝を打ちたくなるような着眼点の連続で、非常に読み応えがあって脳が活性化します。
日本語を母語とする人々は英語の「L」と「R」の発音区別が得意ではない、というのはよく言われることですが、理由は簡単、日本語には「L」と「R」の発音を区別することで意味が変わる言葉がないから、なんだそうです。つまり、必要ではない・使わない・耳にしない音(おん)を認識したり再生したりすることは非常に難しいのですが、本作の中の「知らない言葉は鳴き声に聞こえる」というセリフでこの難しさを思い出しました。また、「私が理解だと思っていたこと」は「理解ではなく解釈だった」「理解への壁は限りなく高い」というセリフは、「モンスター」に対してだけでなく、「異文化」ひいては「自分以外のひと」についても言えるのではないかと自省を促された気がします。
言語学や比較文化論に興味がある方はもちろん、語学学習が好きだけど行き詰ったことのある方や旅の醍醐味は異文化コミュニケーションにあると思う方にもぜひ読んでいただきたいです。そして、ススキのかわいさもお見逃しなく!

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ススキ

2020年03月14日

異種族間の「コミュニケーション」に焦点をあてた作品…かな?
リアルなファーストコミュニケーションには興味があるのでかなり情報は持っているが、これは巧くシミュレートしているように思える。
生物という枠で共通項目を探って、その意味や受け取り方を推定していくのは、そもそも「誤解である」前提が不可欠な...続きを読むだけにとても複雑となる。
重く難解な展開もあり得るが、ススキがカワユイので凡てヨシとする。w
しかし、先は長いな。
次巻へ進む。

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異種族交流はなかなか難しいね

2023年07月17日

セールで99円だったので軽い気持ちで買ったが思った以上に面白かった。
子どもと一緒に読んでしまうほど楽しめた。
わからない言語が「ワン」て聞こえたところで一緒に笑ってしまったし、次々と色々な生物(というのは失礼か?)との会話、先生が相手の言語になると幼児のような語尾になったり面白いです。
別の方も書...続きを読むかれていましたが異世界ものでもこういった話はなかったので続きも買おうかと思います。

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文化

2021年12月07日

解釈と理解は異なる。
大切なことを心に留めた。

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