【感想・ネタバレ】伯爵と妖精 愛の輝石を忘れないでのレビュー

スコットランドのエジンバラ近郊の町に住むリディアは、妖精について何でも知っているという妖精博士(フェアリードクター)の看板を掲げて、妖精がらみのあれこれを解決する仕事をしようとしているが、産業革命によって街灯が輝き、鉄道が走るようになったヴィクトリア朝のイギリスでは妖精はすっかりおとぎ話扱いで、村人から変わり者の娘として遠巻きに見られるばかり。ある日、ロンドンで博物学の教授をしている父からイースターを一緒に過ごそうと誘われてロンドンへ向かうものの、途中でトラブルに巻き込まれて知り合ったエドガーという男性から、自分が妖精国に領地を持つ伯爵家の子孫であることを証明するために力を貸してくれと頼まれ、フェアリードクターの仕事として引き受けることにするが…という形で始まる長編ファンタジー小説です。
妖精が見えることで人間とうまくやれないリディアと貴族らしい見た目と言動にもかかわらず闇を抱えているエドガーが、徐々に明らかになる彼の過去や妖精の絡む事件などを通じて、本当に少しずつ心を通わせていく描写が細やかで、読んでいてグッときます。主人公以外の登場人物も個性豊かで、かなりの長編にもかかわらず、スムーズに読み進めることができますが、先が気になり過ぎて夜更かししてしまうかも。個人的には、鉱物好きにもオススメしたいお話です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙がキラキラしすぎていなければ★5つ……というのが結構な本音。

ラスト、エドガーがプリンスを解放するシーンがやるせなくてせつない。
後の巻を読み進めていると、まだエドガーがエドガーだけだったときのモノローグを思い出してせつなくなっちゃう。
リディアたちの乗る船を逃がすシーン。

早く、リディア。
テランが追いつけないように。

急いで、リディア。
僕が追いつけないように。

0
2012年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リディアはエドガーの欠けた伯爵家の仲間と共に妖精国へ
一方エドガーは組織を内側から壊すために、そしてプリンスを打ち消すために、単身組織に潜り込むだけでなく、最後には遂にプリンスの記憶に手を出してしまう

離れてしまっても繋がってる二人が、信じ合ってる姿が素敵

エドリディが離れてしまう前と後の話が交錯してるんだけど、それがまた二つの差を引き立てて、読んでて切ないような苦しいような
あと、子犬の話は微笑ましいけど、組織の中で、その記憶と子犬を拠り所にしてるエドガーが切ない!
でもリディアとの思い出をより確かなものにするものとしては大事だったよね 組織の中に居ると悪の力も強まって、精神的疲労が大きいだろうし

で、エドリディが大変な一方で、ポールとロタが少しずつ近づいてる気がする
ロタはまだ自覚してないみたいだけど、ポールは自覚したね
二人もまた幸せになれるといい
ケルピーとアーミンもまた、恋とは違うけど、別の形で、惹かれ合ってるとまでは言えないけど、支え合ってるとも違うけど、近づいてるね この二人もどうなるのかな

あと、最後のレイブン、ニコが肩に乗って、しっぽを首に巻き付けられて、嬉しそうなのがなんともいえない

これからもっと大変になるだろうから、小さな幸せがより一層大事になるのかな

0
2012年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んだつもりになってましたが、その前で止まっていましたねw

プリンスの組織を内部から壊滅させるため、エドガーは単身組織へ。リディアは彼のいない伯爵家を取り仕切り、残った仲間と共にエドガーを探しつつ、妖精国を目指します。互いが離れても、必ず気持ちが通じ合っていると、信じている姿が描かれます。

エドガー、本当に人間的になりましたね。虚無的だったところがずいぶん変わったと思います。

組織も黙っているわけではなく、前の巻で、ナックラヴィーを放ったテランはリディアを狙って、彼女たちが船に刺客とも言うべき妖精を送り込み、リディア達が仲間割れして殺し合うよう罠をはります。

一方ユリシスもエドガーと接触して張り合っているテランを排除しようと目論むのですが…。

リディアが伯爵夫人としてみんなの精神的な支柱になっているのが彼女の成長を感じさせます。

クライマックス、船上で再会したエドガーとの場面では、思わずホッとするほど幸せそうな様子が。事態は緊迫しているにもかかわらず嬉しくなっちゃいます。

レイヴンにはケリー ロタとポール そしてアーミンにはケルピー。それぞれに恋の気配があっていい感じ。

切迫した状態の中でも、リディアの回りはどこか明るさがあって穏やかな風が吹いているよう。早く妖精国が見つかるといいね。

0
2019年03月22日

シリーズ作品レビュー

「女性向けライトノベル」ランキング