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Posted by ブクログ 2024年01月25日
「死神」というあだ名を付けられイジメの標的にされていた内気な女子小学生が、1人の転校生との交流によって前向きに成長していく姿を描く。
本巻で描かれるのは、6年生の2学期後半。
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本巻のメインは修学旅行。小学校最大の行事と言える。
6年1組は修学旅行の行動班のメンバー決...続きを読むめから大騒ぎ。
クラスの修学旅行委員は海美と空。特にクラスに好きな男子のいる女子の想いに応えようとはりきる海美だったが、ひと班5人の制約が重くのしかかる。
面倒くさがりの空はアテにならない中、なかよしグループで固まりたがる女子や、好きな女子のいる男子たちも次々と海美に希望を訴えにくる。
順序立てて考えることが得意な海美ですが、さすがにお手上げ状態になり……。
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本巻で印象的だったのは修学旅行の班分けバトルと、行きの特急列車でのできごとです。
班分けでおもしろかったのは、内気な歩夢が行動を起こしたことと大地が男気を見せたことでした。
例によって太陽が茜に同じ班になろうと持ちかけ、そこに仲よしのすみれ、大地、海美が加わり5人組が完成します。
けれど、すみれに片想い中の歩夢が控えめにですが班入りを希望してきたのです。
5年2組出身の歩夢は内気な性格もあって、1組の出身者とさほど親しくありません。ただ猫の話題ですみれと話すほかは大地と言葉を交わす程度です。
でも6年生も後半になり、すみれとの距離を縮めたい歩夢が、勇気を振り絞って行動に移したのでした。
そんな歩夢を見て快くメンバーの座を譲ったのが大地です。なんといい男でしょうか。 ( 大地を好きな海美も班を抜けるおまけつきでしたが。)
海美の手に負えなくなった班分けは、途中から倉敷先生預りとなり編成終了。出発の日を迎えます。
すみれと太陽が集合場所を間違えるというハプニングはあったものの、無事に特急列車(新幹線なのか東武特急なのかは不明)で出発進行。
賑やかな車中。恋バナに花を咲かす女子の話題は曽根紬の好きな人。近くの席で太陽たちとトランプに興じながら必死に聞き耳を立てる虎太郎。誤解から始まった虎太郎の恋心はかなり大きくなったようです。
ここで思わぬ副産物。恋バナで盛り上がる場の雰囲気につられて茜が太陽への想いをポロッと漏らしてしまい……。とても微笑ましい1場面でした。
楽しさいっぱいの特急列車は日光に向けて走ります。
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昨秋出た16巻は瞬く間に売り切れ。第2刷の発売でやっと買えました。アニメ化決定以来、引っ張り傾向にある川村拓さんですが、これだけ人気があるならしかたないですね。
修学旅行エピソードだけで、あと2巻は行くかも。でも楽しみです。