【感想・ネタバレ】検事の信義のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。被告人は実業家の非嫡出子で腕時計は形見に貰ったと主張、それを裏付ける証拠も出てきて、佐方は異例の無罪論告をせざるを得なくなってしまう。なぜ被告人は決定的な証拠について黙っていたのか、佐方が辿り着いた驚愕の真相とは(「裁きを望む」)。

第1巻が弁護士としての佐方で長編だったが、それ以降は検事時代の話であり、短編集だった。個人的には長編の方が好きなので、その点は少し残念だった。

「裁きを望む」一事不再理の原則を逆手に取った犯人と犯人から身内の罪を暴露すると言われている検察次官の罪とのせめぎ合いを描く。犯人の動機も父親からの認知が欲しいという同情の余地があるものであったのもなんだか悲しかった。

「恨みを刻む」ある人物が薬物で再逮捕される。ただ、再逮捕の決め手となった証言の信憑性が薄い。そこから事件を調べると暴力団との繋がりが深い悪徳警官の姿が。悪徳警官もろとも罪にとえたものの、その上の人たちの手のひらで踊っていたことも明らかになる。そのことを胸に刻む佐方と筒井であった。

「正義を質す」検察の裏金問題。その内部告発者を排除するために情報源の広島検察が動き出す。広島県で柚月先生ということで、日岡巡査や瀧井などの懐かしい「虎狼の血」メンバーがたくさん名前だけ登場。

「信義を守る」介護疲れによる息子による母親の殺害。ありふれた話に聞こえるが、殺害から逮捕まで2時間の空白があり、そこに佐方は着目する。推理に宗教のことを混ぜたりと、普段とは違うトリックを使っており面白かった。また、先輩検事から送られてきた案件であっても、自分の信義を貫くところがさらに良かった。

0
2023年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまでより少し薄味ですか?
それとも柚月裕子さんの味に慣らされて麻痺してしまったのかも知れません。
孤狼シリーズの日岡の関わり方が程よい感じです。
安易に対峙させてしまうと、これまでが台無しになりかねないですから。
とりあえずは、ここまでなのですね。
気を長くして待っていますので、柚月裕子先生、また佐方貞人の物語をお願いします。

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2022年05月06日

ネタバレ 購入済み

面白い

とにかくいろんな人に読んでもらいたい。面白いだけでなく希望がもてる作品。このシリーズは大好きなのでまだまだ続きが読みたくなる。これで終わりかと思うとかなり切なくなる。次もあると期待してしまう。本当にシンプルに面白すぎた。

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

佐方貞人シリーズもこれで4作目。常に期待を裏切らない柚月さんの作品。短編集ですが、特に4話目の介護していた母を殺害してしまう作品は、高齢化や介護、認知症など日本がこれから更に抱えていくであろう問題を考えさせられる内容でした。

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2023年12月12日

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