あらすじ
妻が妊娠し、幸せいっぱいの日々を送るサラリーマン・田原秀樹は、ある日、知り合いの娘の結婚式に参列することに。
しかし、新婦の佐川知紗は思わず二度見してしまうほど器量の悪い娘だった。
式の最中、野崎という男性が知紗にある画像を見せたことから、彼女は錯乱し、鼻水を垂らしながら秀樹に縋りつき「お父さん」と呼ぶ。
こんな娘は嫌だ――汗がどっと噴き出た瞬間……。映画「来る」へのアンサー的短編!
――「鏡」
真琴と野崎の結婚式。姉の比嘉琴子は祝いに駆け付けるが、誤って真琴に怪我をさせてしまう。
猛省する琴子は、真琴に代わり、彼女が請け負っていた事件「見えない通り魔」の調査に乗り出す。
夜な夜な通行人を襲って引き摺り回し、建造物を破壊する巨大な化け物の正体とは……!?
論理的にして大胆な霊媒師・比嘉姉妹が活躍する、書き下ろし表題作!
――「ぜんしゅの跫」
造形制作/萬歳淑
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
比嘉姉妹シリーズ第五弾。今回も面白かった。鏡はいつものメンバーというより怪異の話って感じ。無限ループじゃない?これ…。
わたしの町のレイコさんはずのめ人形の弥生さんが出てきていて懐かしく感じた。ちょっと切なさがある。
鬼のうみたりければは珍しく語り口調の話。この主人公が狂っているのか、笈乃山に狂わされたのか…。
赤い学生服の女子は美晴ちゃんの話。最後の終わり方がよくできた怪談って感じで好き。これ怖すぎ。
そしてタイトルのぜんしゅの跫。これは久しぶりの比嘉姉妹の話。姉妹の掛け合いが可愛くてより2人が好きになった。あと琴子お姉さんのことをより知ることができて嬉しい。真琴なりのやり方と琴子お姉さんのやり方…、それぞれの解決方法で対立するけど別に仲悪いわけじゃなくてそこが焦ったいな〜と思った。本当にこのシリーズ好き。
Posted by ブクログ
冒頭からいきなりモラハラ夫が出てきたなと思ったら「ぼぎわんが、来る」の例の父親で笑ってしまいました。ぼぎわんに翻弄される前から怪異に遭遇して琴子とも出くわしていたんですね。「鬼のうみたりければ」は自分の上位互換に人生を乗っ取られそうになる話で、世にも奇妙な物語にありそうだなと思いました。
地獄のような後日談
比嘉姉妹シリーズ5作品目にして、短編集としては2作品目。
この短編集で言及したいのは表題作ではなく、「鏡」のことについてだ。というか、それに尽きる。
「鏡」は著者様のデビュー作である「ぼぎわんが来る」のその後、遠い未来(‥23年後?)のお話、後日談である。
「鏡」を読んだ感想は、
ここまで救われないのか!!どうなってんだ神様!!
これに尽きる。
もはや清々しかった。どうかこの未来が数ある未来の1つであり、まだ確定されてないものだと信じたい。いや、祈るばかりだ。
Posted by ブクログ
比嘉姉妹シリーズ5作目。どれも面白い5篇だった。
これまでの出来事との時系列が分かるようになっていて、繋がりが感じられてよい。
『鏡』
田原秀樹の認識のズレ方が本当に絶妙で途方に暮れる。自らのことを善人で良き夫で、更には良き父になれると信じて疑わないところが致命的だ。久しぶりの登場で、この感覚を思い出した。
真琴がどうなっているのかが心配だ。
『鬼のうみたりければ』
これはサービス精神旺盛な関西人の語りにぐっと引き込まれて読んでいたら、最後に背中が寒くなってくる怪談だった。シンプルに怖い。
表題作は怪異の名前の謎解きが面白くて、今回も「なるほどなぁ」と納得。
琴子と真琴と野崎が活躍するので特に良かった。琴子の責任感の強さ、真琴の優しさがよく分かる話で、それを理解する野崎も含めてみんなに幸がありますようにと祈ってしまった。
レディゴー♪
琴子がカラオケでアナ雪を歌ったそうですよ?冗談だったみたいですが。映画版で琴子を松たか子が演じたうえでのエピソードかな?
というわけで、短編集の中で最終話は琴子が活躍するエピソードでした。結局真琴に良い場面はかっさらわれましたが、琴子的には納得行く結果だったみたいで良かったです。
最後のエピソード以外の短編では、後味が悪いエピソードもありました。けど、ミハルのエピソードがあり、また、一篇は後に真琴が関わるような事がうかがえるセリフがあったり。
先が楽しみです。
早速次の巻を読みますよ。
Posted by ブクログ
前4作が救いのない展開だったのでヒヤヒヤしながら読んだが、表題作は珍しくハッピーエンドだった。澤村ホラーにしてはかなり異色だ。
すべてを説明しないホラーは苦手。怪異に対する人間側の解釈が間違っているホラーも苦手。フィクションなのにフィクションじゃない感じがするから怖いのだ。その点で「わたしの町のレイコさん」が一番インパクトがあった。
Posted by ブクログ
短編集
鏡
ぼぎわんの前日譚。秀樹が知人の結婚式に行く話。
そこで親族や友人知人の過去未来が見える鏡に吸い込まれていく、、
えー!!知紗はぶちゃいくなの、、果奈は多分事故、、?それともぼぎわんの最後で知紗の寝言変だったからまだ呪いがあるのか、、
しかも野崎は不健康そうなうえ、真琴が土みたいな顔色で花に囲まれて写真撮られてるって、、寝たきりなのか亡くなったのか
まじ勘弁して欲しい、、比嘉姉妹野崎には正直ハッピーエンドしか求めてないから知りたくなかったかも
知紗の道化に徹した様子を良いことにみんなで笑いものにする感じほんとキモかった、、
秀樹の複雑な感情から、彼女は出来た人だ、だから笑って良いんだって考え変わるとこもグロい、、
わたしの町のレイコさん
匠は思春期男子だから仕方ないけど、亡くなった冷二の父親みたいなキモイ男いるよなって思うと無理、、
てかまじ匠巻き添えすぎて可哀想すぎる
家族も悲惨な目に遭ってしまいそう
湯刈弥生が戸波編集長だって気付けなかったけど、それは登場してくれて嬉しかった。戸波編集長かっこよくて好き
鬼のうみたりければ
どうせなら野崎前面に出して欲しかった
介護と仕事で疲弊しきった希代子が描いた妄想なのか、
だとしても可哀想
赤い学生服の女子
立て続けに亡くなった患者たちが、古市の頭の中だけで起きてたことで本当に良かった、、
美晴のこと気になってたからまた登場してくれて嬉しい。
しかもあの世でもちょっと成長してて大人っぽい美晴の様子がわかって嬉しい
古市にほんとに妻子がいて、職場の仲間も思いやりがあって良かった。体は不自由だろうけど生きていく気持ちがあって良かった。
けどラストの息子が変なこと言ってた!あかいがかせいふくのじょしって!!最悪
ぜんしゅのあしおと
ハッピーエンドでほんとによかった。
ぜんしゅの正体意外と可愛かったな。ししりばと同じくらい割と好き
松たか子イジリおもろすぎる
中野区大田町はよく知った場所なんでめちゃじわじわ嬉しい。ご近所さんすぎる、、
あと295ページに誤字みつけた。
シリーズ二作目の短編集
これまでの作中キャラがたくさん出てきて興味深く読みました。個人的には美晴の話が良かったです。あー、あの子か、という楽しみがある作品集でした。ラストにホラーらしい嫌さがあるのはご愛嬌なのかな。今までの作品のあちこちと繋がっているのでシリーズ愛読者にはオススメです。真琴と琴子がかわいくて良かった。