あらすじ
教会の養い子だったラウルは、領主シェミハザ伯爵の嗣子イオアンと出会い、侍者となり、城の中で暮らすようになった。そこは、いままでの平穏な日常と違い、確執や陰謀―イオアンの母は、自らの境遇に不満を抱き、騒動を起こし、伯爵の弟は、近隣のマステマ伯爵と謀り、乗っ取りを企てている―といったものが渦巻くところだった。そして、敵が急襲するなか、伯爵は、弟と戦い、傷つきながら勝つも、息子を逃がすために自ら城を破壊してしまう。逃げのびたイオアンとラウルは、伯爵家を襲爵する許可を上王から得るため、旅立つが…。吸血鬼と人が共存する世界を舞台に、少年と少女たちの未知なる冒険を描く。
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Posted by ブクログ
2つの物語が、思ったより早くつながって、びっくり。
正直、あの2つの物語は、違う時代のようにも思っていたし。
イオアンたちと出会うまでのアイーシャたちの物語も
すごく楽しみ。
Posted by ブクログ
大きな出来事は起きず、目指す所への道程を早くもなく遅くもなく進んでいる感じ。
ただ、中身があるというよりは場面説明や何やらが多いし、言葉が読みにくくて…というのが難点。
その中でも、物語で主要な部分になる所がいくつかあったように思う。
>人と貴種、異種であっても同じような考えを持つものはいる。
>片や奴隷として扱い、もう一方は主従の関係を築く。
>何故世界は異種を創ったのか。
もう一つ大事な、この本のタイトルにもなっている『黎明の書』の登場。
しかしながら、各々の描くものへと改変され、ねじ曲げられた思想やらをどう解釈し、それを何に遣って行くのか…手にしたラウルやイオアンがどう切り開いていくのか。
壮大に見えるが、あくまでも二人の旅路の一片に沿っているだけで、本当に目的の場所へ辿り着けるのか未知だな。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。わりと早く(?)アイーシャ達と出会ったなあという感じですが、ラウルもイオアンも大変巻。吸血鬼モノだとそこ行きますよね、なところとハイドリヒいいキャラだなあ。
Posted by ブクログ
吸血鬼もの。2巻。
前回が貴族的耽美な吸血鬼描写が多い(?)なら、今回は吸血鬼って不自由だな、という描写の多い巻。
日光に当たればやけどするというのは、一日の半分が太陽で構成されている世界は住みよいものではないでしょう。そして夜の恩恵のもとでしか行動できない生き物は、そうでない生き物の手を借りなければ生活がままならないというのはあらゆる話に共通して、より耽美ととるか、哀れととるか。
血を糧にするか、そうでないかも吸血鬼ものでは状況を左右しますね。
この物語は中世あたりの世界観で、吸血鬼種族=貴族という位置付け。
吸血鬼の若君とその友人であり従者である少年のお話。
ああ、でもキャラクターとしては吸血鬼の姫君と東洋系の少女のペアもなかなか好きです。少年ペアより、なんだか殺伐としてますが。
表題の「黎明の書」について、ちょっと内容が見え隠れしてきたような感じですね。